風間ら目玉投手だけではない!甲子園を沸かせる可能性を持った全国レベルの好投手たち
注目選手特集①
【目玉投手7名】157キロ右腕、150キロ左腕、大会無失点の192センチ右腕など
【目玉野手6名】打率6割超えのスラッガーや、高校生屈指の捕手など
注目選手特集②
【投手編】風間ら目玉投手だけではない!甲子園を沸かせる可能性を持った全国レベルの好投手たち
【野手編】まだまだいる全国レベルの野手たち。甲子園でどこまで評価を上げることができるか?
8月7日から開幕する第103回全国高等学校野球選手権。今大会もハイレベルな熱戦が期待される。目玉投手に続き、全国舞台の活躍が期待できる3年生の好投手を紹介したい。
東日本は速球投手、実戦派左腕が勢揃い
本田 峻也(東海大菅生)
東北地区では、滝口 琉偉(日大山形)に注目したい。恵まれた体格から140キロ中盤の速球を投げ込み、切れのある変化球で山形大会の東海大山形戦で好投を見せた。
伊東 大夢(東北学院)も188センチの長身から力強い速球を投げ込み、投球回(36回)を上回る42奪三振を記録しており、打撃もパワフル。投打の柱としてどんなパフォーマンスを発揮できるか。外丸 東真(前橋育英)は強気の内角攻めと切れ味鋭いスライダーのコンビネーションで、決勝の健大高崎戦で1失点完投勝利を収めた右の好投手だ。
三奈木 亜星(浦和学院)は埼玉大会で野手中心の出場となったが、好調時では145キロ前後の快速球を持っているのは魅力的。岡本 陸(専大松戸)も2番手右腕として大きく成長。140キロ前後の速球は伸びがあり、スライダーの切れも良く、しっかりとゲームメイクできる投手だ。
大型左腕・金井 慎之介(横浜)は野手中心で登板時もリリーフ登板が中心だが、好調時では140キロを超える直球を投げ込む。東海大菅生の本田 峻也は140キロ前後の速球と切れのあるスライダーで翻弄する技巧派左腕。センバツ前は肩の違和感から調子が上がらなかったが、センバツ後は投げる怖さを払拭し、6月以降の練習試合から調子を上げていき、選手権出場の二松学舎大附との練習試合で高校初完封。若林監督から今年の代で最も叱咤激励を受けるエースは勝利に導く投球ができるか。
ヴァデルナ・フェルガス(日本航空)は130キロ後半の速球、切れのある変化球を投げ分けて勝負する技巧派、ヴァルデナがライバル視する左腕の小澤 耕介も140キロ近い速球を投げ込み、力のある速球でねじ伏せる。
野嵜 健太(愛工大名電)は上背はなくても体をコンパクトに使って140キロ後半の速球を投げ込む速球派右腕だ。県立岐阜商のエース・野崎 慎裕は岐阜大会3試合でわずか3失点の力投を見せた技巧派左腕。実戦経験豊富で、失点を計算できる好投手だ。また恵まれた体格から140キロ中盤の速球を投げ込む3年右腕・大島 成憧も出番がありそうだ。
松商学園の今井 英寿も140キロ中盤の速球を投げ込む大型右腕だ。敦賀気比の三塁手兼任の本田 克も140キロ前後の快速球、切れのあるスライダーを投げ分けてゲームメイクできる右の好投手だ。
近畿・九州は好投手揃い 中四国は甲子園経験者がカギを握る
西田 恒星(樟南)
大阪桐蔭の竹中 勇登は、140キロ前後の快速球と切れのあるスライダーでゲームメイクできる好投手で、今大会でも活躍に期待がかかる。大阪大会で未登板に終わった関戸 康介は甲子園でもベンチ入り。関戸の復活が今年のドラフト戦線にも大きく影響するだけに注目が集まる。
近江の148キロ右腕・岩佐 直哉は17.1回を投げ、1失点と抜群の安定感を発揮。甲子園の舞台で自慢の速球でねじ伏せる投球を期待される。智辯和歌山は3年生に140キロ中盤の速球を投げる投手を2人擁する。まずプロから注目される中西 聖輝は、最速147キロの速球と130キロを超えるカットボールを主体に投球を組み立てる本格派右腕、伊藤 大稀も140キロ中盤の速球、切れのあるスライダーで勝負できる好投手だ。伊藤の台頭が投手陣を厚くし、市立和歌山を破る原動力となった。
交流試合を経験している倉敷商の永野 司は140キロ近い速球、切れのあるスライダーを粘り強く投げ分ける技巧派左腕。終盤の粘り強さは素晴らしく、甲子園出場の原動力となった。
センバツで好投を見せた広島新庄の146キロ右腕・花田 侑樹は、不調もあり思うような投球ができない時期も続いた。それでも最速146キロの速球、スライダー、フォーク、カーブがうまく噛み合った時の投球は圧巻。評価を上げたセンバツと同じく、ぜひ甲子園の舞台でドラフト候補として高評価されるような投球を期待したい。左腕・秋山 恭平は3イニングながら7奪三振。伸びのある快速球はやはり魅力的である。石見智翠館の山崎 琢磨も島根大会決勝戦でノーヒットノーランを達成した右の本格派。バランスの良い足上げから滑らかな体重移動で繰り出す140キロ前半の速球はやはり魅力的だ。高川学園の河野 颯は、やや右足を巻き込むフォームから繰り出す140キロ前後の速球、切れのある変化球で全5試合を投げきった。
明徳義塾のエース・代木 大和は、140キロ近い速球と切れのある変化球を器用に投げ分けて打たせて取る。高知大会では打ち込まれる試合もあったが、甲子園まで復調し、安定した投球を期待したい。
11年ぶり出場の西日本短大附のエース・大嶋 柊もバランスの取れた投球フォームから最速144キロの速球、切れのある変化球を丁寧に投げ分け、決勝の真颯館戦では完封勝利を挙げた。良い形で大会を締めくくったのは好材料だ。
センバツ準優勝の明豊は、決勝戦で完封した京本 眞は春よりも球威が増し、投球に安定感が出てきた。右サイドの財原 光優も右サイドから140キロ前後の速球とスライダーを投げ分けて打たせて取る投球を見せる。夏は1試合登板に終わったが、左腕・太田 虎次朗は、復調すれば、ベンチ入りしている投手の中では唯一のサウスポー。伸びのある140キロ前後の快速球でねじ伏せる投球を期待したい。
春夏連続出場の宮崎商のエース・日高 大空はバランスの取れた投球フォームから140キロ前後の速球と縦に大きく割れるカーブを器用に投げ分ける実戦派右腕だ。
2016年以来の甲子園出場となった長崎商の城戸 悠希は140キロ近い速球を武器にハイレベルな長崎大会を勝ち抜いた右の好投手だ。
5年ぶり出場の樟南はエース・西田 恒河が最速145キロを誇る速球と120キロ中盤の切れ味抜群のスライダーをコントロール良く投げ分け、47.2回を投げて7失点と安定感を誇る。自分の間合いを大事にする投手で、単調な投球にならないのが魅力だ。沖縄尚学の當山 渚も140キロ前半の速球を低めに集めて安定感抜群の投球を見せる沖縄屈指の左腕だ。
(文=河嶋 宗一)