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東海大会制した掛川西筆頭に静岡、島田商など公立校に好投手【静岡大会展望】

2021.06.29

 第108チームが参加する静岡大会は、秋と春の県大会連覇を果たした藤枝明誠が中心となる。春季県大会準優勝で出場した東海地区大会で海星愛工大名電享栄を下して優勝を果たした掛川西。さらには21世紀枠代表としてセンバツ初出場を果たした三島南に、名門校で今年も選手の質が高い静岡。さらには昨年のセンバツ代表校となり、夏の交流試合で初めて甲子園の土を踏んだ加藤学園など8校がシード校となっている。

小林 輝擁する藤枝明誠が注目

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小林 輝(藤枝明誠)

 藤枝明誠は準決勝進出までのヤマの中では富士宮西知徳などがいるが、準々決勝までは比較的すんなり上がるのではないかと予想される。藤枝明誠はテンポのいい小林 輝君を中心として手堅い野球で取りこぼしは少ない。山田 蓮投手の成長も頼もしい材料だ。チームとしてのまとまりも非常によく、光岡 孝監督も、今季の県大会すべての制覇へ万全の形で準々決勝に挑みたいところだ。そこでは、シードの磐田東か、報徳学園を率いて全国制覇も果たしている永田 裕司監督率いる日大三島。さらには浜松学院や今季比較的安定している星陵などが相手となりそうだ。

 センバツを経験した三島南は3番の前田 銀治君の打撃にも注目が集まるが、4番の小堂 湧貴君も勝負強い。ただ、このゾーンには準々決勝で静岡にぶつかるまでに、静岡商、常葉大橘、富士市立といったところがいる。何とか三島南に昨秋の借りを返したい静岡は、同じ準々決勝で三島南と当る可能性もあるだけに、そこまでは絶対に負けられない。母校を率いての夏は初めてとなる池田 新之介監督も気合が入る。プロ注目の大型投手・高須 大雅君としても秋の雪辱を果たしたいところであろう。静岡の初戦は浜名藤枝北の勝者となるが、浜名は春季西部地区の3位校で藤原 大成君という好投手もいる。慎重に戦いたいところである。

 浜松工から桐陽までのゾーンは、どこが上がってくるのかわからない混戦となりそうだ。浜松工の初戦は静清磐田西の勝者。そこを突破すると飛龍か、まとまりのいい富士宮北がきそう。さらには東海大静岡翔洋、実績のある常葉大菊川平田 喜己君が投打の軸となっている富士などもいる。そして、反対ゾーンでも浜松修学舎静岡市立、力のある御殿場西などがおり、春は浜松商との乱打戦で競り勝ってベスト8に進出してシード権を得た桐陽も安心はしていられない。


本命は掛川西か?

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沢山 優介(掛川西)

 加藤学園は初戦では浜松開誠館掛川東の勝者と当る。経験豊かな雨宮 快成捕手が、継投必至となる投手陣をリードしていく。植田 颯斗君を中心とした打撃力も注目したいところだ。このゾーンには、新木 柊投手を中心に投打のまとまりがよくて評判もいい島田商や、一昨年夏の静岡大会準優勝の駿河総合、昨夏の独自大会を制している聖隷クリストファーに秋ベスト8の浜松商などがいる。聖隷クリストファー浜松商の対決は初戦の屈指の好カードでもある。

 今大会優勝候補筆頭に挙げる声もある掛川西は、秋季大会準優勝からさらに調子を上げて東海大会を制した。沢山 優介君と榊原 遼太郎君という大石 卓哉監督も自信を持っている二枚看板が機能していけば、やはり力は一番と言っていいであろうか。準々決勝までは特に死角はないようにも感じられるが韮山袋井商といった伝統校が一発勝負に賭けてくると手ごわい。袋井商静岡学園も初戦の好カードの一つであろう。

 最終的には、春季大会の決勝の再現の可能性もありそうだし、静岡の巻き返し、加藤学園の悲願の夏初優勝も実現するかもしれない。また、御殿場西東海大静岡翔洋常葉大菊川や投手力のいい島田商あたりが、ノーシードから一気に駆け上がってくるということも、可能性としてはありえそうなこの夏の静岡大会である。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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