第101回選手権香川大会準決勝展望 「公立校代表vs私学代表」の最終合戦へ レクザムスタジアムが熱く燃える!
7月13日(土)に開幕、3日間の完全順延、ノーゲーム3試合など雨にたたられつつも、ついに準決勝進出の4校が決まった「第101回全国高等学校野球選手権香川大会」。今回は図らずも決勝戦は「公立校代表vs私学代表」となることが決した4校の勝ち上がり、大会中の戦力を分析しつつ、準決勝の構図を占っていきたい。
準決勝 7月26日(金)
10:00
高松商(大会3年ぶり47度目のベスト4・第1シード)
勝ち上がり 2回戦:坂出工8-0(7回コールド)、3回戦:坂出10-0(6回コールド)、準々決勝:観音寺第一5-3
vs
高松工芸(大会10年ぶり4度目のベスト4・ノーシード)
勝ち上がり 2回戦:香川笠田11-4(7回コールド)、3回戦:藤井6-3、準々決勝:高松北4-1
13:00
尽誠学園(大会3年ぶり23度目のベスト4・第3シード)
勝ち上がり 2回戦:観音寺総合12-2(7回コールド)、3回戦:善通寺第一13-0(5回コールド)、準々決勝:大手前高松5-1
vs
英明(大会2年連続6度目のベスト4・ノーシード)
勝ち上がり
2回戦:琴平3-0、3回戦:志度7-4(延長10回)、準々決勝:四国学院大香川西8-0
決勝戦 7月28日(日)12:30
*会場はいずれも香川県高松市のレクザムスタジアム
高松商vs高松工芸
今大会で初レギュラーを獲得・準々決勝では本塁打も放った高松商・安部 祐慧(3年)
第1試合はセンバツ準優勝の主力が3年生だった2016年以来、3年ぶり34度目の決勝進出と第78回大会以来、23年ぶり20度目の夏甲子園を目指す高松商と、南川 忠亮(JR四国~埼玉西武ライオンズ)がエースだった2009年以来の準決勝から初の決勝進出・甲子園を目指す高松工芸とによる公立校対決。
高松商はセンバツで春日部共栄(埼玉)相手に1勝をあげた実力派主力に加え、最後の夏で正捕手の座を奪い取った安部 祐慧(3年・175センチ91キロ・右投右打・高松市立屋島中出身)、3回戦より一塁手に入った笠居 小史朗(2年・172センチ75キロ・右投右打・高松市立屋島中出身)がいずれも本塁打を放つなど、選手層の厚さは他の追随を許さない。
加えて腰の不安から「甲子園に行くために登板を我慢させてきた」(長尾 健司監督)侍ジャパンU-18代表候補最速142キロ左腕の香川 卓摩(3年・165センチ62キロ・左投左打・東かがわリトルシニア出身)も、準々決勝では高校通算28本塁打の田中 大貴(2年・遊撃手・右投右打・175センチ70キロ・右投右打・三豊市立三野津中出身)がリードオフマンを務める観音寺第一相手に149球7安打13奪三振で3失点(自責点2)完投勝利。復活を遂げた。
これに対し第4シードの藤井を3回戦で撃破した勢いで準々決勝も高松北を下した高松工芸は、3試合連続完投の向井 真澄(3年・179センチ71キロ・右投右打・高松市立勝賀中出身)、3試合12打数7安打4打点の1番・宮下 玲郎(3年・中堅手・169センチ64キロ・右投右打・高松市立木太中出身)に準々決勝で本塁打の大型5番・平井 章裕(2年・右翼手・186センチ89キロ・右投右打・高松市立木太中出身)らが軸となる。
高松工芸としては先発が予想され、2試合12回を投げていまだ失点がない高松商の最速141キロ右腕・中塚 公晴(3年・172センチ71キロ・右投右打・高松市立桜町中出身)に対し、先制点・追加点を奪うことができれば、試合の趨勢は一気にわからなくなるだろう。
尽誠学園vs英明
高校通算33本塁打の尽誠学園・永尾 斗摩(3年・捕手)
第2試合は高松商を決勝で破り11回目の夏甲子園出場を果たした2016年以来、15度目の決勝を期す尽誠学園と、まずは8年ぶり3度目の決勝戦に進出し、初代監督就任後は決勝戦に進出すれば甲子園を逃したことのない香川 智彦監督に勇退大会甲子園出場へのおぜん立てをしたい英明の私学両雄が激突する。
尽誠学園の自慢は「冬場は素振りと1時間半以上のロングティーで鍛えてきた」(西村 太監督)強打線だ。今大会でも高校通算33本塁打の4番・永尾 斗摩(3年主将・186センチ96キロ・右投右打・大阪八尾ボーイズ<大阪>出身)、準々決勝・大手前高松戦では「押し込む感覚」で最速147キロ2年生右腕・内田 悠太(175センチ66キロ・右投右打・高松市立国分寺中出身)からも安打を放ったリードオフマン・畠山 楓真(3年・左翼手・178センチ84キロ・東大阪布施ボーイズ<大阪>出身)3試合連続二けた安打、計30得点を叩き出している。
これに対し、英明の最速143キロ右腕・黒河 竜司(3年・180センチ80キロ・右投右打・高松市立屋島中出身)は「スピードと回転数とコントロールを意識して」2,100回転を超えるストレート回転数を完成品に近いものとしている。事実、第2シード・四国学院大香川西との準々決勝では2日間連投にもかかわらず最速142キロ・先発8回87球4安打8奪三振無四球無失点と抜群の安定感を示した。
英明は打線も準々決勝で14安打8得点と上向き傾向。大手前高松戦ではチェンジアップ、スライダーを低めに集めて、見事な火消しを演じた尽誠学園左腕・竹山 晃樹(3年・左投左打・172センチ61キロ・相生市立矢野川中<兵庫>出身)を攻略できるかが勝敗の成否を握りそうだ。
文=寺下 友徳
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