令和初の千葉王者となるのは?今年はシード争いが例年以上に過酷!
4月27日から始まる千葉県大会。今年は習志野が千葉県勢として1995年の銚子商以来の選抜準優勝。この大会で特徴的なのは準決勝まで連戦がないということだ。1回戦が27日、ベスト16がすべて決まる2回戦が29日、3回戦が令和元年の5月1日、準々決勝は5月3日、準決勝、決勝・関東代表決定戦は5月5日、6日という日程となっている。そんな今大会の見所を紹介していきたい。
秋のシード校は初戦から厳しい戦いへ
専大松戸の注目右腕・横山陸人
千葉県は昨秋8強が地区予選免除で2回戦から登場となるが、その初戦を見ると多くの学校が実力校との対戦が予想され、厳しい戦いとなりそうだ。
まず昨秋8強の暁星国際は拓大紅陵と千葉学芸の勝者と対戦。拓大紅陵は本格派左腕・17528、速球派右腕・竹内 将悟の2人の成長に期待。千葉学芸も年々、強化してきたチームということで躍進に期待がかかる。シード校の暁星国際は投打の柱・風澤陸、シュアな打撃が光る渡邉 真翔など打力が高い選手をそろえる。突出した力量を持った投手がいないため春では打ち勝つ野球でシード入りを狙いたい。
同ブロックでは千葉英和との接戦を制して勝ち進んだ四街道も控える。
専大松戸は東京学館船橋と東金の勝者と対戦。速球派サイド・横山陸人は最速143キロまで球速を伸ばし、また同じく2年生から活躍してきた杉田智也も140キロに到達した。スラッガー・丹呉響平、強打の捕手・間中堅と今年も能力が高い打者は揃っているが、特に東京学館船橋は1年秋から活躍してきた右の本格派・松永 幸誠が持ち味を発揮すれば苦戦が予想される。
同ブロックは打力がある柏南と好投手・綾部 郁海擁する我孫子の対決も見逃せない。綾部はこの春の地区予選でも130キロ後半の速球に加え、キレのあるスライダーを武器に好投を続けた。
昨秋の千葉県を制した中央学院
その勝者は秋王者の中央学院と対戦。上位下位まで巧打者が揃い、守備、走塁への意識の高さも県内屈指。エース・畔柳 舜は130キロ後半の速球を投げ込む本格派。昨年に比べてストレートに強さが出ているのか、投球に奥行きが出ているのか、それが県内のライバルに勝利を収める鍵となりそうだ。
木更津総合は県内ナンバーワンの投手陣に注目。全国レベルの速球派・根本太一、根本よりも再現性が高い投球を見せる144キロ右腕・篠木 健太郎、早川隆久の1年時よりも球速・角度のある速球を投げ込む2年生左腕・吉鶴 翔瑛の3人は強力。練習試合では不調だった根本が大会までに復調の兆しを見せているかがチェックポイント。打線は高校日本代表の一次候補に選出された太田 翔梧を中心に野手全体が底上げできているか。
初戦は千葉商と市立柏の勝者と対戦するが、市立柏は強打者・浦邉 悠揮、俊足巧打の外野手・倉島 京佑などつなぎの野球で勝負。昨秋は習志野と接戦を演じたチームだけに怖い存在だ。
また好左腕・齋藤 正貴擁する佐倉は東海大浦安と佐原の勝者と対戦。佐倉は齋藤以外の投手でも計算が立ち、守り勝てるチームとなってきた。東海大浦安は東海大で長く助監督を務め、2000年の東海大相模の選抜優勝メンバーだった瀬戸康彦監督が就任し、復活を目指している。
[page_break:習志野は新戦力がどれだけ出てくるのか?注目は東京学館浦安と八千代松陰]習志野は新戦力がどれだけ出てくるのか?注目は東京学館浦安と八千代松陰
県内屈指の左腕・杉田翔夢(成田)
日体大柏は2年生右腕・箱山優の快投に期待。昨秋から130キロ中盤の速球を投げ込むことができており、一冬超えて、一次予選では打力が高い西武台千葉相手に6回無失点の好投を見せた。またリリーフの菅谷大紀も好投手。2枚看板を武器に上位進出を目指す。日体大柏は千葉黎明と船橋芝山の勝者と対戦と、初戦からハードな戦いが予想される。
昨秋4強の成田は県内屈指の左腕・杉田翔夢、強肩捕手・古谷将也、強打の三塁手・松本憲信などタレント揃いの好チーム。一冬超えて底上げを果たし、シード権を獲得したい。初戦は佐倉南と芝浦工大柏の勝者と対戦。佐倉南の大型ショート・持田 玖仁は一冬超えて、どれだけ伸びているのか、期待がかかる。
昨秋4強に進出した銚子商は市川と市立千葉の勝者と対戦。銚子商は菅谷圭一郎、角田大乗の2枚看板に加え、田中駿也、古井敬人などクリーンナップを中心とした打線の破壊力は県内屈指。県大会からの登場となるが、全体的な底上げを期待したい。また好投手・佐橋 稔也擁する幕張総合も注目。130キロ前半の速球と120キロ中盤の高速チェンジアップは魅力がある。
千葉明徳は県立稲毛と市立船橋の勝者と対戦。ここでも厳しいシード争いが予想されそうだ。千葉明徳は最速138キロサイドの山越健司、強打の捕手・福井令央、高校通算20本塁打近くを打っている強打のセンター長嶋悠人など能力が高い打者が揃う。
市立船橋は強打者・清水裕希など個々の野手の能力の高さは県内でもトップクラス。140キロ右腕・湯浅永悟、地区予選では背番号1を付けた兼子京平など投手陣のレベルも高い。
選抜で大活躍した飯塚脩人(習志野)※写真=共同通信
昨秋8強の千葉敬愛は140キロ右腕・本宮 恒輝、強打者・栗原 瑞生が中心。初戦はしぶとさがウリの多古と遊撃手・植田嵐を中心に打力がウリの京葉工の勝者と対戦する。
選抜準優勝の習志野は市原中央と安房の勝者と対戦。習志野はどれだけ新戦力が活躍できるか。センバツ後も勝ち続けているチームを見ると、新戦力が活躍しているチームが多い。フレッシュな面々が活躍すると楽しみだろう。
対戦が予想される市原中央には本格派右腕・入口翔太、左腕・伊藤駿介はその後、千葉で話題になりそうな2枚看板。リードする小関寛太も総合力が高い捕手である。
1回戦で注目なのは昨夏の準優勝・東京学館浦安と好遊撃手・長岡秀樹など総合力が高い八千代松陰が初戦で激突。その勝者が昨秋8強の東海大市原望洋と対戦と、シード争いをめぐって激しい戦いが期待できそうだ。
今年は例年以上にシード権の争いが熾烈でこんな学校がノーシードに回るの?と思うことも続出するかもしれない。ただ勝利チームだけではなく、ノーシードに回る学校の戦力まで見逃さずにチェックすることが戦国千葉の楽しみ方である。
(文=河嶋 宗一)