中京学院大中京と東邦が2強、菰野が追う!1回戦では中京大中京と静岡に注目
東海4県の秋季県大会1~3位校で計12校が出場する秋季東海大会。各県1位校がシードされる形となる。来春の第91回センバツ大会出場校選出への重要な資料となる大会だ。東海地区の枠は2校だけに、実質は決勝進出で当確ということになる。
組み合わせから今大会を展望してみた。
大混戦の組み合わせ!センバツ最有力校はどこか
不後祐将(中京学院大中京)と石川昂弥(東邦)
県大会の戦い方などを考察してみると、岐阜県1位の中京学院大中京と愛知県1位の東邦が2強という評価になりそうだが、その両校が同じゾーンに入った。ともに初戦となる2回戦を突破したら、準決勝で激突することになる。夏は準々決勝で宿敵大垣日大に屈した中京学院大中京が、そのライバルをこの秋は決勝で下した。
エース不後祐将君は夏も背番号1を背負っていたが、抜群の安定感で藤田健斗君とのバッテリーは大会随一と言っていいだろう。また、県大会決勝では1年生の元謙太(げん)君が完投しており、橋本哲也監督としては投手力に幅が出来たことも好材料となる。
東邦は強打が看板で、1年生から鳴り物入りで注目された3番三塁手の石川昂弥君が、この秋は投手としても躍動。エースナンバーの植田結喜君とともに、投手層も厚くなってきており、森田泰弘監督は自信を持って2年連続センバツ出場を狙っている。
この両校に食い下がりそうなのが昨秋は準決勝進出で、記念大会増枠でセンバツ出場の恩恵を得て[stadium]甲子園[/stadium]ではベスト4まで進出した三重と、高倉明健投手が安定している岐阜県3位の岐阜第一か。
三重は昨秋、準決勝で東邦に敗れているだけに、2回戦で中京学院大中京の壁を破って東邦に再挑戦したいところでもあろう。岐阜第一は福知山成美を何度も[stadium]甲子園[/stadium]に導いている田所孝二監督が就任して3年目。もっとも手ごたえを感じられるチームになってきた。
[page_break御殿場西と菰野のゾーンは大激戦!]御殿場西と菰野のゾーンは大激戦!
激戦を勝ち抜いて選抜の切符を掴むのは?
愛知県3位決定戦で23対20という大乱戦を制した中部大春日丘、静岡県決勝で御殿場西に粘りを示した清水桜が丘はそれぞれ、三重と岐阜第一にどう食い下がるか。
御殿場西と菰野のゾーンは混戦になりそう。
御殿場西には大垣日大と津田学園の勝者が当たるが、三重県3位の津田学園の評判がいい。今夏の岐阜代表でもあり、ベテラン阪口慶三監督が率いる百戦錬磨の大垣日大にどういう戦いを挑むか。その勝者を受けて立つ御殿場西は常葉菊川で全国制覇の実績もある森下和幸監督が16年秋に移籍して2年目。積極的な攻撃野球が浸透してきてこの秋に成果を出した。チームとしては勢いに乗っている。
今大会最速と言われている150キロをマークしている右腕岡林勇希君を擁する三重県1位の菰野に挑むのが愛知県2位の中京大中京と静岡県3位静岡の勝者となった。1回戦4試合では最も好カードとも目される名門対決でもあるが、ともに例年の破壊力はやや欠いているというのが正直なところだ。
左腕板倉駆投手に加えて松島元希君が台頭してきて投手力がまとまってきた中京大中京。1年生のリードオフマン西村友哉君が核弾頭となれば、やはり力を発揮していくだろう。静岡は栗林俊輔監督が「今年は、泥臭いチームとして戦っていく」というだけに、3~4点を巡る厳しい戦いが予想される。菰野は県決勝を10対0で勝ち上がる得点力もあり、地元開催でもあるし、このゾーンではやはり最有力と言えそうだ。
(文=手束仁)