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センバツ出場の静岡がリードし、東海大静岡翔洋と常葉大勢が追う

2018.07.04

静岡が県内をトップでリードし、東海大静岡翔洋と常葉菊川、橘が静岡を追う

センバツ出場の静岡がリードし、東海大静岡翔洋と常葉大勢が追う | 高校野球ドットコム
県内で安定感を誇る静岡

 このところ、県内公式戦負けなしと言ってもいいほどの安定感を示している静岡が、やはりこの夏も引っ張る存在となっていくことは間違いない。春季大会は昨秋の軸で今春のセンバツも好投したエースの春翔一朗君がヒジの故障で離脱。しかし、その間に14137君をはじめとして草薙誠君、佐野冬弥君らの投手陣が成長して層が厚くなった。格好のリードオフマンの村松開人君はケガで東海大会を欠場したものの成瀬和人君らを軸とした打線はゆるぎない。やはり、今大会も最も甲子園に近い存在である。
 追いかけるのは東海大静岡翔洋が一番手。持ち前の強力打線は静岡にも決して引けを取るものではない。3番を任されるであろう貞岡千秋君は身体はさほど大きくはないが捕手としての総合評価も高い。ただ、チームとしての課題は投手陣であろうか。エースナンバーを背負った2年生左腕久松一真君をはじめとした投手陣が東海地区大会でもいなべ総合に打ち込まれるなど、もう一つ不安を残していることだ。3年生の今村幸太郎君が最後の夏へ向けて意地を示して成長してきているのが好材料か。夏の戦い方としては、捕手出身の原俊介監督の継投のタイミングなども、ポイントとなってくるだろう。

 2強を追う存在としては常葉大勢がまず挙げられる。昨秋の準優勝校の常葉菊川は高橋利和監督となって3年目に入るが、チームのモットーであるフルスイングは継承されている。1年の秋からエースとして投げているスラリとした本格派の漢人友也君が大黒柱でもあるが、春季大会で榛村大吾君も台頭してきて、夏をも据えた場合は心強い存在となってきた。その投手陣をリードする根来龍真君はプロ注目の強肩捕手でもある。
 常葉橘も小林正具監督を引き継いだ片平恭介監督は系列中学時代からの教え子も多いのだが、丁寧な指導で意識を高めていこうというメンタル面の強化も怠りない。春の県大会は初戦で知徳に敗れたことでノーシードとなるが、勝ち上がれば3回戦で当たるであろう可能性の高い静岡との試合がヤマとなる。ここを乗り切ったら一気に上まで駆け上れるだけの力は秘めている。大型スラッガーとして夏目大君のパンチ力にも注目が集まる。

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各ゾーンで実力校がぶつかり注目試合が目白押し!

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追随する静岡市立と東海大静岡翔洋

 昨夏に悲願の初出場を果たした藤枝明誠も春季県大会は初戦で桐陽に屈してノーシードとなった。2回戦では日大三島島田の勝者が待っていることになるが、そこを突破すると次は東海大静岡翔洋の可能性が高いという、厳しいゾーンになった。ここにはさらに、伝統の静岡商やチーム力のある富士市立などもおり激戦ゾーンにもなっている。

 シード校では春ベスト4に進出した伝統の島田商も久しぶりに評価が高い。春の勢いを継続していかれれば面白い存在だ。ベスト8の知徳は右の本格派佐藤翔君の出来にかかっているが、この春、静岡を最も苦しめた相手でもあり、秘めた力はありそうだ。

 他には、市立沼津吉原に過去5度甲子園出場の実績がある伝統の掛川西も速球派の河合勇気君が崩れなければやはり力はある。準々決勝で、静岡とぶつかりたいところではあるが、このゾーンでは初戦で浜松商湖西の対戦があり、この勝者が4回戦で掛川西とぶつかる可能性が高い。これが、いわば静岡への挑戦権を賭けたカードにもなるだろうか。

 また、話題としては常葉橘から異動して2年目となる小林正具監督が率いる静清と、かつて浜松商掛川西を甲子園に導いた上村敏正監督が指揮を執る聖隷クリストファーの戦いも目が離せない。それに初戦で飛龍桐陽という系列校同士の対戦が実現して、地元[stadium]愛鷹球場[/stadium]で行われるが、これも注目だ。
 他には昨秋のベスト4の静岡市立や昨夏の準優勝校日大三島、ベスト8に残った加藤学園などの戦いも気になるところだ。

文=手束仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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