Column

本命不在の参加校数最多の東東京を制するチームは!

2018.06.29

初戦から修徳・岩倉の好カード


修徳と岩倉の注目の対決

 対戦相手も決まり、第100回の夏の大会が近づいてきた。140校132チームが参加する東東京大会は、参加校数が全国最多の激戦区。しかも、本命不在の戦国大会の様相を呈しているだけに、序盤から好カードが続出している。

 対戦相手が決まっている初戦で最高の好カードは、甲子園出場経験のある修徳vs岩倉の対戦だろう。春はともに初戦で敗れているものの、修徳には身体能力の高い内野手である坂本大起がおり、岩倉には捕手の荻野魁也、外野手の中山椋輔を中心とした打線は破壊力がある。

 

 順当に勝ち上がれば、3回戦での対戦が予想される日大豊山日体大荏原も好カード。秋4強の日大豊山は、名倉侑田高原俊太の両投手に、俊足の西村達貴、攻守の柱である平林昇季らを擁し、優勝候補にも挙げられる。日体大荏原は春季都大会で日大三に善戦。相原健志監督の下で、確実に力をつけている。

 

 順当なら安田学園東京実の勝者と対戦するシード校の上野学園は、初戦から厳しいカードになった。安田学園は秋春とも1次予選で敗れたが、昨夏の大会で好投した左腕の清水雅孝がいる。東京実は、春季都大会は初戦で敗れたものの、鍛えられており、昔から大物キラーと呼ばれている。上野学園は初戦を突破すれば、勢いに乗る可能性がある。

 3回戦での対戦が予想される立正大立正成立学園も好カード。秋8強の立正大立正は、エースの長瀬嶺也、中心打者の青木大空を中心に攻守のバランスがいい。成立学園はこのところ結果を残せていないが、底力を発揮できるか。立正大立正内田和也監督は、日大三の選手として2001年の夏、全国優勝。成立学園の菅沢剛監督は、岩倉の選手として1984年のセンバツで優勝しており、順当なら、ともに高校時代に全国優勝した監督同士の対戦になる。

 この試合の勝者は、4回戦で二松学舎大付との対戦が予想される。昨年の優勝校で、平間陸斗保川遥畠山大豪と、東東京屈指の強力打線を擁する二松学舎大付にとって、4回戦は、最初の難関となる。

 3回戦で予想される都立江戸川都立篠崎のご近所都立校対決も興味深い。


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5回戦が優勝争いの最初のヤマ


東東京は3強か?(左から帝京・関東一・二松学舎大附)

 混戦が予想される東東京大会であるが、5回戦が大会の行方を占う、最初のヤマになるのではないか。

 日大豊山日体大荏原に勝てば、5回戦では関東一と対戦する。この両校は3年前の決勝戦で対戦している。日大豊山の西村は少年時代をアメリカですごしたが、動画サイトでこの決勝戦をみて日大豊山への入学を決めたという。関東一は強打の石橋康太、俊足の斎藤未来也、守備のうまい宮田蒼太らを擁し、優勝候補の筆頭に挙げられる。実力校同士の対戦は、見応え十分だ。

 やはり優勝候補の帝京は、順当なら5回戦で東海大高輪台と対戦する。この両校は、昨夏の準々決勝で対戦し、東海大高輪台が延長戦の末に勝っている。帝京の事実上のエース・松澤海渡、中心打者の田中悠我東海大高輪台のエース格の西原秀俊、中心打者の伊東翼、捕手の木下優成ら、昨夏を経験した選手も多く残っている。帝京・松澤、東海大高輪台・西原ら、投手の出来が勝敗を分けそうだ。

 またこの春ベスト8の帝京は例年、1年生がベンチ入りするが、この夏も多くの1年生がベンチ入りしそう。富田林シニア出身の小松 涼馬二塁手、浦和リトルシニア出身の朝倉仁哉一塁手など多くの逸材が入部し、多くの選手がデビューしそうだ。

 その他、実際にはどうなるか分からないが、修徳岩倉の勝者と都立雪谷、二松学舎大付と都立江戸川堀越都立城東東亜学園錦城学園上野学園明大中野都立高島都立小山台などのカードが5回戦で予想される。

 もっとも小山台は、初戦で東京vs城西大城西の勝者と日本ウエルネスが対戦した勝者と対戦することになっている。3校とも上位の実績のあるチームなので、好投手・戸谷直大擁する小山台といえども、気が抜けない。

 なお、上野学園と小山台がシードされているブロックは、33校のうち夏の甲子園出場経験のある学校は城西大城西のみ。センバツを含めても、安田学園と小山台だけである。その一方で、上記の学校以外にも、駒込都立紅葉川、春季大会で日大三を苦しめた都立文京など、力のある学校がひしめき合っており、旋風を起こす可能性がある。

 

 都立城東堀越は春季都大会の2回戦で対戦し、都立城東が辛勝している。しかしこの時堀越は、修徳の監督であった小田川雅彦が監督に就任したばかり。春からチームがどう変化したか、注目される一戦になる。

 都大会二季連続初戦敗退で、一気に浮上を狙う成立学園は大塚オールスターズ(軟式)から評判だった平沼虎樹遊撃手と和田銀露二塁手がベンチ入り候補に挙がている。グランフレール(軟式)から評判だった多々見敢太修徳)も気になる存在だ。

 混戦とはいえ、選手層の厚さ、大試合での経験などから関東一帝京、二松学舎大付の3強が一歩リードしている。それでも、5回戦までに敗れたり、勝っても今後に不安を残すような内容だったりすると、展開は全く読めなくなる。

 今年の東東京大会は、[stadium]都営駒沢球場[/stadium]と[stadium]大田スタジアム[/stadium]が改修工事のため使用できず、[stadium]神宮球場[/stadium]で1日4試合が組まれたり、通常2試合の[stadium]神宮第2球場[/stadium]で3試合組まれたりするなど、日程はかなりタイトなものになっており、雨天中止などがあれば、さらにきつい日程になる可能性がある。こうした中で、いかに良いコンディションを維持できるかも、優勝の行方を左右することになる。

文=大島裕史


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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