戦国千葉2018 打高投低の東千葉 成田vs多古など序盤から好カードから続出!【大会展望】
戦国千葉2018がいよいよ始まる。第100回 東西千葉大会の組み合わせが決まった。まず東千葉を展望していく。今年は打力が高いチームが多いことが特徴で、また東西に分けられたことで逆に、実力校の潰しあいは多くなり、熾烈度が増している。その証拠に今年は初戦から好カードが続出する大会となっている。そんな東千葉の見どころを紹介したい。
木更津総合の課題は各投手の底上げ しかし序盤から息が抜けない相手ばかり
根本太一(木更津総合)
木更津総合は明聖vs成東の勝者と対戦。強打の核弾頭・東智弥、スラッガー・野尻幸輝、攻守の要・山中 稜真を中心とした打線は強力で県大会・関東大会で好投手を攻略してきた。一方、投手陣は白井竜馬がサイドに転向して安定感が増した。関東大会準決勝で登板した根本太一など各投手の底上げが連覇の条件といえるだろう。
成東は、県大会初戦で千葉黎明を対戦し、接戦を演じた好チーム。小技を駆使した野球は、戦いにくいと思わせるチームだ。また、同ブロックには実力校が集う。
検見川は投げては130キロ中盤、打っては一発を秘める平良 虹凱が軸。また平良以外の選手の打力も高く、打撃戦に持ち込むのが得意なチームだ。また好投手・行木俊擁する横芝敬愛は稲毛と対戦。行木は夏まで順調に状態を仕上げて、初戦に挑みたい。
Cシード・幕張総合は近年、実力をつけてきた公立校。120キロ後半の速球、変化球を巧みに投げ分ける左腕・大須賀拓歩、135キロ右腕・多部田 壮平の2枚看板と木更津総合戦で満塁本塁打を放った鶴岡孝太と、好選手が揃う。その幕張総合の初戦の相手は姉崎と大原の勝者である。
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千葉学芸、千葉明徳、東海大市原望洋が集結したブロックは激戦区
宮崎宏哉(千葉明徳)
Cシード・千葉学芸は千葉明徳と小見川の勝者と対戦。特に千葉明徳は、上位校のチームと比較しても遜色ない戦力を誇る。千葉明徳のエース・宮崎 宏哉は最速144キロを誇る本格派右腕。2年生スラッガー・福井 玲央、2番打者ながらチーム一の打撃力を誇る清水 健斗など個々の能力は非常に高い。またノーシードとなった東海大市原望洋、市原中央、暁星国際といった実力校も同ブロック。激しい戦いが期待できそうだ。
拓大紅陵は市立銚子と桜林の勝者と対戦。拓大紅陵は左の好打者・水島 滉陽、強肩強打の捕手・廣岡隆成が軸となる。投手陣では右の技巧派・安藤 太雅のほかに、切れの良い速球を投げる2年生左腕・佐々木 新が成長を見せてきた。ベスト8で敗れたが試合運びがうまく、有力候補となるのは間違いない。ただ激戦区を抜け出すには、ニューヒーローの存在など春にはない拓大紅陵を見せることができるか。同ブロックでは好投手・伊藤 広翔擁する若松、実力公立校・袖ヶ浦の存在も見逃せない。
志学館はパワーアップした打線に注目。下位まで本塁打を打てる打者が揃い、どこからでも一発が出る怖さがある。投手陣は左腕・大川 航希、140キロを超える速球を投げ込む加藤 泰晴など能力が高い。あとは波を少なくして、安定したピッチングで勝利に導きたい。京葉工と市原緑の勝者と対戦する。
千葉経大附は市原八幡と市原の勝者と対戦。千葉経大附は、2年生に好選手が揃う。好打者・高部 裕也、本格派右腕・安藤 隼斗の2人がどれだけ本格化するのか。
他では東京学館も注目だ。
安房は敬愛学園と東総工の勝者との対戦が決まり、苦戦が予想される。今年の安房は打線が持ち味。その中心打者である西野 将佳は期待の2年生スラッガー。今年の春の県大会ではバックスクリーン弾を放っており、夏でも一発を見せることができるか。同ブロックではプロのスカウトも注目する好左腕・相川亮太擁する館山総合も期待がかかる。
[page_break千葉黎明ブロックには成田、銚子商、多古と第6ブロックの実力校が集結]
千葉黎明ブロックには成田、銚子商、多古と第6ブロックの実力校が集結
渡部翔太郎(千葉黎明)
千葉黎明は東金商と成田国際の勝者と対戦。千葉黎明は130キロ後半の速球、切れのあるスライダー、フォークを投げ込む渡部翔太郎、最速143キロ右腕・林直樹の2人が軸となる。打線は岡澤倫太郎、宮本和弥と右の強打者がポイントゲッターとなる。課題となるのは県大会後半でエラー続出となった内野守備。投手力がウリのチームだけにしっかりと守備で投手を盛り立てていけるチームとなりたい。ここで注目のカードがある。初戦(2回戦)でノーシードでも最も怖いといわれていた成田と多古の対決が実現する。
成田は攻守の柱・田宮裕涼はスローイングタイム1.8秒台の強肩、広角に打ち分けるバットコントロールが注目されるが、一番の長所はリードセンスの高さだ。今年の5月末には強力打線の横浜隼人を完封に導く好リード。今年の投手陣は突出した能力を持った投手はいないものの、それでも相手の狙い球を外すリードに注目だ。この春は木更津総合と競り合いを演じており、実力は十分。波に乗れば上位に顔を出す可能性は十二分にある。
多古は迫屋監督が「打線については夏ベスト8にいった2015年より上かもしれません」と語るように、好打者が揃う。大型ショート・浅野晃生は安達了一(オリックス)を彷彿とさせる選手。さらに、スローイングタイム1.9秒台を計測する強肩捕手・鏑木 皇輝、二塁・大野 靖也はどの試合でも安打を記録するという右の好打者でさらに盗塁センスも抜群。そして迫屋監督がキーマンとして期待しているのが2番伊藤圭吾。バットコントロールの高さはチームナンバーワンと評価が高く、伊藤が打てば一気にチームは乗ると期待されている。あとは課題となる投手力をどこまで強化できるか。いずれにしろ2回戦屈指の好カードとして注目されることは間違いないだろう。
また同ブロックでは強豪・銚子商も同ブロックで、第6ブロックの実力校が集結した形となっている。
文=河嶋宗一