Column

明日開幕!激戦必至のコザや興南など強豪校多数のC,Dブロック!【大会展望・後編】

2018.06.22

2年連続優勝を目指す第2シードの興南


當山尚志投手(興南)

 2年連続優勝を目指す第2シードの興南。昨年一躍ヒーローとなった宮城大弥だが、春は本来の姿から程遠かった。その分、最上級生となった左腕藤木琉悠、右腕仲松青竜と左右の3年生が躍動。藤木は、5月末に行われた招待試合で秋の王者明徳義塾を相手に完封した。打では2年生根路銘太希の復活が大きい。右に左にヒットを量産できる根路銘に負けじと主将仲村匠平の打棒も上がってきた。そして3番に座る勝連大稀は、同級生の根路銘に劣らないバットコントロールと長打力も合わせ持つ。この上位打線は他校の脅威の的となる。対する豊見城南は春、実力校である沖縄工業を苦しめた。昨年のチームから中軸を担い、沖縄工業戦で3ランホームランを放った4番金城涼斗興南投手陣を捉えると面白い。

 

 

 昨年の夏に続く2年連続の顔合わせとなったのが美里工業と八重山美里工業は春、興南の前に自分たちの野球が出来ず完敗したが、中部地区高校野球選手権大会(本島中部勢で争うトーナメント)で見事優勝。その直後、KBC学園未来沖縄を招くチャレンジマッチで7対0の大勝を収めた。剛腕野末琉斗、技巧派左腕花城絃人ら選手たちは自信を漲らせている。対する八重山は球速がアップして好投手となった川原光の投球に注目。春、宜野湾の國仲から2安打1打点をマークしたトップの西表大夢美里工業投手陣を切り崩し、あとに繋げていきたい。

 

 

 この年代の沖縄BIG3の一人として名前が挙がる宜野湾國仲祐太。春、八重山戦で14奪三振の快投を見せると普天間戦では4回から登板し9奪三振。ケガ上がりの本調子ではない中、奪三振率は11.67を数えた。南風原はやや厳しいか。

 
 

 浦添商業は春、首里との初戦でシーソーゲームを演じた。サヨナラ負けを喫したものの、エース黒木優斗が9奪三振の力投を見せた。打線も首里戦で2安打の前原寿信や3安打をマークした上間拓斗の3・4番コンビを中心とする。逆転の浦商復活なるか。首里東は春、八重山商工戦で先発した長身島袋賢斗の右腕に託す。2回以降、長打を打たれるも後続を斬り立ち直っただけに、その能力を初回から見せたい。

 

 

 那覇国際は春、4イニングを投げ1安打無失点と好投した2年生崎浜智也をどこで使うのか注目。名護商工は4番でエースの2年生仲田響の出来がカギを握る。

 

 

 秋の2回戦で対戦した名護那覇。そのときは1点差で那覇が勝利を収めている。名護打線は秋の那覇との戦いでも10安打、春の与勝戦で12安打を放った打線が魅力。与勝戦3安打2打点の宮城尚利をトップに置くのかそれとも3番辺りに配置するのか。本業のピッチングではいいところを見せられなかったものの、打撃力もある185cmの長身吉元貴志も注目だ。那覇は秋、強打の名護打線を7回1失点と抑えた外間敦喜がキーマン。打線でもクリーンアップを担う外間がリベンジに燃える相手を返り討ちにして波に乗りたいところだ。

 

 

 春、北谷に敗れたものの、6得点を奪った北部農林。選手宣誓のクジを引いた主将岸本宗太が打線でも1番でチームをけん引する。対する開邦は春、向陽に大敗したものの6回まで0対4と試合を作り続けた。粘りの野球で5年振りの夏の勝利を目指したい。

 

 

 秋、小禄から4点を奪い、読谷から3点をもぎとった昭薬大附属を春の1回戦で破った陽明。僅か2安打に抑え、12奪三振をマークした新里將太のピッチングで2年振りの初戦突破と34年振りの夏ベスト16は十分可能だ。辺士名は苦しい戦いだろうが、ピッチャーで1番打者も務める知花泉の奮闘に期待したい。

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好カード!コザvs中部商


強打のコザ

 Bブロックの沖縄尚学vs沖縄水産に負けず劣らずの、もう一つの好カードが第3シードのコザ中部商だ。シードコザは春の大会で打線が爆発。準々決勝までの4試合で27得点を叩き出した。準決勝の興南戦この無得点だったが、3位決定戦も二桁得点をマーク。一年生からマウンドを踏んで来たエース護得久廉の経験も頼もしい限りだ。対する中部商も、多くの選手が一年生から実戦を積んで来た。新人中央大会で準優勝し、満を持して秋に臨んだがまたもや興南の前に煮え湯を飲まされる。春は沖縄尚学を相手に6回を終えて3点をリードしていたが、またしても私学の壁を越えられなかった。しかし、春の3試合で11安打という驚異の成績を見せた、斬り込み隊長の知念侑輝を筆頭とする打線はコザに勝るとも劣らない。山城郁也中濱太洋の投の二本柱を軸にまずはシードを倒して波に乗り、14年振りの甲子園出場を目指す。

 春の大会で名護に僅差で敗れた与勝は、4回までゼロに抑えた180cmを越える長身大山正剛の出来がカギとなる。秋、嘉手納を下して嬉しい勝利を収めた沖縄カトリック金城来南久松優介を中心にさらなるパワーアップをしていることをこの試合で知らしめたい。

 仲野太陽鷹野蒼治郎嘉弥真大輔など八重山農林の球史に残る活躍を見せてきた現メンバー。一年生中央大会でベスト4入りすると昨年の夏も大暴れ。八重農旋風を巻き起こして見事初の4強入りした。そんな彼らが迎える最後の夏はどのようなドラマが待っているのか。対する本部は苦しい戦いとなるだろう。

 春の大会で浦添沖縄尚学に2点差。首里はKBC学園未来沖縄に1点差ゲームと両者ともに私学に好勝負を演じた。浦添の大黒柱である東凌矢と、首里比嘉教貴赤嶺歩武らの白熱した投手戦が予想される。

 春は初戦敗退だった昭薬大附属だが力はある。秋、小禄戦で登板し勝利投手となった仲田雄飛古堅功将太田大隆ら経験値のある打撃陣を中心に、試合を優位に進めるだろう。中部農林は厳しい戦いとなる。

 春、好チームの那覇を4対0で下した宮古総実。那覇打線を4安打7奪三振で完封し、打線でも4番を務める仲宗根純平に注目が集まる。久米島はやや厳しいか。

  

 エース仲地礼亜と2年生平典士の二枚看板の嘉手納。仲地は最速140kmを越え、2年前に甲子園出場を決めた兄の栄光を追い掛ける。サイドスローの平は安定感抜群。小学校から野球センスの塊だった男が挑む初めての夏。どのようなパフォーマンスを見せるのか。対する知念は経験豊富な糸数辰樹に打線を引っ張ってもらいたいところ。投手陣は呉屋銀汰照喜名航平に2年生石原光太郎のリレーで相手打線の流れを切りたい。

 球陽は春、那覇国際に6-3と完勝。その那覇国際戦のマウンドで粘投し、打席では2安打1打点の山内佳祐と、秋の知念戦で打者22人に対し僅か2安打と好投した安座間琢郎の2年生コンビの出来が勝敗のカギを握る。対する沖縄高専はやや苦しいだろうが、オープニングゲームの雰囲気では何が起こるか分からない。その勝者と対戦する南部商業も久し振りの単独出場。3校ともに、勝利のチャンスがある。

文=當山雅通

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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