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強打の健大高崎が関東制覇。ベスト8以上のチームを総括!

2018.05.24

強打の健大高崎が関東制覇。ベスト8以上のチームを総括! | 高校野球ドットコム
左から菊田拡和(常総学院) 山下航汰(健大高崎) 野尻幸輝(木更津総合) 日置航(日大三)

 5月19日から開幕した春季関東大会(千葉開催)健大高崎が6年ぶりの優勝を決めた。今回はベスト8以上のチームを中心に今大会を総括していきたい。

夏へ向けて手応えを残した健大高崎と日大三

 優勝した健大高崎は4試合で7本塁打を記録し、強打の健大高崎を存分に発揮した。1番・山下航汰、4番・高山遼太郎、5番・享保 駿と強打者が揃い、そして抜け目のない走塁、鍛え抜かれた内野守備と野手のレベルの高さは全国トップクラス。さらにレベルアップを期待したい。

 課題は4試合で26失点を喫した投手陣。最速140キロを計測した久保田悠斗(2年)、最速138キロ右腕・清水達哉(3年)が力を発揮したが、まだ全国で勝つには不安を覚える。関東大会と同様の投手陣で夏に臨むのか?健大高崎は群馬大会開幕まで県外の強豪校との練習試合が多く予定されている。サバイバルを経て、ベンチ入りする投手はどの投手になるのか、注目したい。

 日大三は4試合で6本塁打と伝統の強力打線を発揮。4番大塚晃平は3本塁打を記録し、そのうち2本がバックスクリーン弾と圧巻の本塁打を見せた。日置航金子凌など多くの主力選手が活躍を見せたが、今大会目立ったのは控え選手の台頭である。佐藤コビィが準決勝の常総学院戦で同点2ラン。これまで間合いがうまく取れず凡打が続いたが、今大会のコビィはタイミングがうまく取れるようになっていた。さらに俊足、強肩の身体能力抜群の外野手として面白い存在だ。さらにコビィと競いあっていた前田 聖矢(2年)も準々決勝の習志野戦で本塁打を放った。技術の高さが光る打撃と強肩が光る外野守備、背番号は二けたながらハイレベルな選手だった。

 投手では中村奎太(3年)、河村 唯人(3年)、廣澤優(2年)が好投。登板がなかった147キロ右腕・井上広輝(2年)が夏の大会前までに完全復活すれば、強力な投手陣となりそう。また、決勝戦で登板した高木翔己(3年)は投打ともに才能が高い選手で、改めて層の厚さを実感させた。あとは、主力投手がケガすることなく、最高の調子で大会を迎えることだけが一番の課題だろう。

 日大三は強敵続きの5連戦で、結果を残したことは大きな自信になったといえる。5年ぶりの甲子園を目指し、さらなる成長を期待したい。

[page_break:それぞれの強みと課題が見えた強豪たち]

それぞれの強みと課題が見えた強豪たち

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根本太一(木更津総合)

 ベスト4の木更津総合は、国士舘横浜と投手力が高いチームをコールドで破り、準決勝の健大高崎戦も9回裏二死までリードするなど粘りを見せた。打線では1番東智弥(3年)、3番山中稜真(3年)、4番野尻幸輝(3年)の3人を中心とした打線は強力。一気に畳みかける打撃は脅威。課題となったのは投手陣。関東大会からベンチ入りした根本太一は制球力、変化球の精度が課題、エース・白井竜馬(3年)は球威、左腕・中裕太郎(3年)は制球力が課題となった。1年生の篠木健太郎は1年生としては標準以上の実力があるが、夏に勝てる投手になるためにさらなるレベルアップを期待したい。

 投手力のワンランクレベルアップを目指し、千葉県では1996年~1998年に3連覇を達成した市立船橋以来の夏3連覇を期待したい。

 ベスト4の常総学院は、3試合で7本塁打と、健大高崎と同じ本数を記録。県大会で4本塁打を放った1番二瓶那弥は本塁打こそなかったものの、鋭い当たりを連発。関東大会で2試合連続弾を放った2番水野勢十郎、同じく2本塁打を放った3番斉藤勇人(2年)、長打力と巧打を兼ね備えた4番藤川寿真内田靖人二世と呼ばれる菊田拡和(2年)と野手陣の顔ぶれは健大高崎に負けていなかった。さらにシートノック、試合の守備を見ていても動作のスピード、肩の強さは出場校でトップクラス。野手の人材レベルの高さは全国トップクラスであることを証明した。

 課題は投手力。谷田部健太(3年)は球威、岡田幹太(2年)は全体的なレベルアップが課題である。またこの2人を負担を軽減する意味でも、多くの投手の台頭を期待したい。

 ベスト8入りしたチームを振り返ると、習志野は4番岡尚吾(3年)が作新学院戦で本塁打、日大三戦で適時打を放ち、4番打者として仕事を果たした。習志野は1年生を多く起用するなど、夏の大会へ向けていろいろ試している様子。投手力は千葉県内では随一だけに、総合力を高めたい。

 東海大相模も遊撃手・加藤響(1年)、諸隈惟大(1年)など1年生を起用しながら夏へ向けて試行錯誤している様子が感じられた。1年生を含めて夏の北神奈川大会ではどんな布陣で臨むのか、注目したい。

 浦和学院は、今年の2枚看板である佐野涼弥(3年)、渡邉勇太朗(3年)が関東大会で復帰。渡邉は初戦の千葉黎明戦で復帰したが、健大高崎戦では登板せず、ほぼ県大会と同じ陣容で試合に臨んだ。そういう中で健大高崎と1点差の勝負を演じたのは収穫が残る大会となった。あとは佐野・渡邉が完全復活することを期待したい。

 横浜は2回戦の明秀学園日立には逆転勝利したものの、木更津総合戦ではコールド負け。県大会では能力の高さで圧倒できるが、全国レベルのチームと対戦すると、波が激しい一面が出てしまうのが課題だ。

 またドラフト候補・万波中正(3年)の起用にも注目が集まる。2年秋からの打撃不振はいまだ続いており、関東大会では初戦でスタメン落ち。夏には自慢の打撃が復活するのか、再び投手として登板する機会はあるのか。復活を果たし、そして去年からの進化を期待したい。

 今大会は18試合で37本塁打を記録し、打高投低という印象を抱くかもしれないが、高校野球ドットコムでは[stadium]千葉県野球場[/stadium]で開催された10試合で投手の球速を計測したところ、140キロ以上を計測したのは15名と投手の人材もレベルが高く、ハイレベルな戦いが繰り広げられていた。

 では、140キロ以上を計測した投手は?次回、活躍した選手とともに紹介したい。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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