初戦から激戦必至!鹿児島県大会の注目カードを一挙紹介!
左から吉村 陸矩(鹿児島実)、中里 琉星(神村学園)
3月21日から開幕する第142回九州地区高校野球大会鹿児島県予選。連合3チームを含む76校67チームが出場するこの大会で注目すべき対戦カード、チームを紹介していきたい。
出場67チーム組み合わせ決まる
神村学園、鹿児島実、2強を軸に優勝争い?
第142回九州地区高校野球大会鹿児島県予選の組み合わせ抽選会が3月4日、鹿児島市の鶴丸高校文化館であり、連合3チームを含む76校67チームの対戦カードが決まった。
大会は21日に開幕し、4月4日まで(※準決勝前日は休養日)、鹿児島市の[stadium]鴨池市民球場[/stadium]、姶良市の[stadium]姶良総合運動公園野球場
[/stadium]の両球場で春の九州大会を目指した熱戦が繰り広げられる。開会式は実施しない。上位2チームが九州大会(4月21―26日・福岡)に出場する。
抽選会では、昨秋優勝の神村学園が第1、以下、鹿児島実、鹿児島情報、鹿屋中央、鶴丸、薩南工、樟南、鹿児島商、8強以上の成績を残した8校がシードされ、残りチームがフリー抽選で対戦カードが決まった。優勝争いは神村学園、鹿児島実の2強を軸に鹿児島情報、樟南、鹿屋中央の私学シード勢、薩南工、鶴丸、鹿児島商の公立シード勢が絡む展開になりそう。
昨夏準優勝の鹿児島と第8シード鹿児島商が初戦で対戦するなど、初戦の好カードも多く、シード校といえども序盤から気が抜けない。2年連続でセンバツ甲子園出場を逃した鹿児島勢の中で、来る第100回大会の夏を占う上でも大事な大会になりそうだ。
組み合わせを4つのパートに分けて展望を述べる。
【神村学園―鹿児島商】神村学園を追う学校は?
第1シード神村学園が実績、戦力で一歩抜けている。エースで主将の中里 琉星(2年)、小田大介監督が「2017年の救世主」と呼ぶ金城 伶於(2年)ら経験豊富な投手陣に加え、羽月 隆太郎(2年)、角 颯真(2年)、阿次富 雄大(2年)ら野手の能力も高い。1年生好左腕・上野 倖汰を擁する枕崎との初戦を注目したい。
昨秋、5年半ぶりに8強入りした鹿児島商は粘り強さが身上の左腕・横谷 蒼(2年)がカギを握る。松永 遥平(2年)―上之薗 大雅主将(2年)の昨夏準優勝バッテリーを擁する鹿児島との初戦は2回戦屈指の好カードだ。鹿屋工も投打の潜在力は高い。伊集院―出水中央、鹿児島玉龍―武岡台は好勝負が期待できそう。
【鶴丸―鹿屋中央】好チームがひしめく最大の激戦区に
好チームがひしめく最大の激戦区になりそう。第4シード鹿屋中央は打線に力がある。リードオフマンの篠田 大聖(2年)、1年生ながら4番に座る柊木野 太助ら打線の破壊力は県下トップクラス。それだけに投手陣の出来が上位に勝ち上がるカギになりそう。
第5シード鶴丸も4番・中野 尚仁(2年)を軸に打力は高い。鳴川 俊介(2年)、東畑 竣(2年)の好右腕2人を擁する川内商工との初戦は好勝負が期待できそう。加世田、れいめい、池田なども力がある。鹿児島工―川辺、奄美勢同士の対戦となる喜界―大島は2回戦の好カードだ。
【鹿児島情報―薩南工】元プロ佐々木監督が就任した鹿児島城西にも注目
鹿児島情報は鹿児島、枕崎、樟南と好チームに競り勝って4強入りしシード権をとった。リードオフマン本村 優貴主将(2年)をはじめ、積極的に足を使える選手が多く、攻撃野球が持ち味だが、昨秋は1年生左腕・沖田 龍之丞らを中心とした粘り強く守れる野球もできるようになった。
第6シード薩南工は好右腕・柳元 義貴主将(2年)を中心に安定感がある。昨秋は準々決勝で鹿児島実相手に延長11回の接戦を演じた。攻撃力の向上がすれば更なる上位も狙えそう。鹿児島中央との初戦は要注意。元プロ野球選手の佐々木誠新監督を迎えた鹿児島城西、国分中央なども注目したい存在。加治木―鹿屋、徳之島―加治木工を好カードに挙げておく。
【樟南―鹿児島実】鹿児島を代表する名門が同ブロック!
鹿児島実、樟南の両シード勢が実力的には抜けている。鹿児島実はエース吉村 陸矩(2年)、左腕・立本 颯(2年)の計算ができる左右2本柱がおり、4番・西 竜我(2年)を中心とする打線も破壊力があり、優勝候補に挙げられる。創部100周年の年に夏の代表を勝ち取るためにも、この春に弾みをつけたい。
樟南も実力的には神村学園、鹿児島実に遜色ない。県下屈指の好左腕・松本 晴主将(2年)は全国クラスの力がある。松本に続く2、3番手投手が台頭してくると夏に向けても楽しみ。リードオフマンの石澤 凛汰郎(2年)ら野手も力がある。
大隅の雄・尚志館、昨秋3回戦で奇跡の逆転勝利を挙げた鹿屋農、鹿児島南などがどこまで意地を見せられるか。
(文=政 純一郎)