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第90回センバツ逸材野手【西日本編】ガイドブック

2018.01.28

第90回センバツ逸材野手【西日本編】ガイドブック | 高校野球ドットコム
左から谷合悠斗(明徳義塾)、藤原恭大(大阪桐蔭)、森下浩弥(おかやま山陽)

 第90回記念選抜大会の出場36校が決まった。今年はどんな選手がいるのか?これまで、東日本野手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)を紹介してきたが、最終回では西日本野手編(近畿・中国・四国・九州)を紹介したい。

■西日本 注目野手リスト
藤原恭大大阪桐蔭
根尾昂大阪桐蔭
大阪桐蔭 山田健太大阪桐蔭
中川卓也大阪桐蔭
小泉航平大阪桐蔭
文元 洸成智辯和歌山
冨田 泰生智辯和歌山
林 晃汰智辯和歌山
北村 恵吾近江
中尾雄斗近江
家田 陸翔近江
宮田康弘乙訓
森下 浩弥おかやま山陽
井元 将也おかやま山陽
鶴田克樹下関国際
門叶直己瀬戸内
谷合 悠斗明徳義塾
渡部 颯太明徳義塾
峯圭汰創成館
杉原 健介創成館
小幡 竜平延岡学園

 優勝候補に挙がる大阪桐蔭だが、すでに、7人のドラフト候補がいると注目を集めている。投手では、西日本編でも紹介した柿木蓮横川凱。そして野手ではU-18代表入りした藤原恭大、ミレニアム世代を代表する二刀流・根尾昂、高校通算12本塁打の大型二塁手・大阪桐蔭 山田健太、主将・中川卓也、強肩捕手・小泉航平の5人だ。

 藤原は今年の高校生を代表する外野手。長打力、脚力、守備範囲の広さ、スローイングのすべてが一級品。課題は調子の波があること。安定して力を発揮できる術を身につければ、さらに高い評価を受ける選手となるだろう。根尾は、秋季大会で5本塁打をマーク。甘い球を見逃さない鋭さはすごみが増している。根尾が課題とするのは守備。足がうまく動かなかったと分析する根尾は、日々の練習から課題と向き合っている。投げても平均球速140キロ台のストレート、130キロを超えるカットボールで勝負する剛腕。選抜連覇へ向けて投打でフル回転する。

 山田は2年秋から二塁手に。大阪桐蔭OBの岩下 知永氏のグラブ捌きのコツを真似て、守備も上達。182センチながら俊敏性ある二塁手として活躍をみせた。中川は、キャプテンシーの高さで逸材揃いのチームをまとめているが、選手としては速球、変化球を巧みに弾き返す打撃技術と堅実な守備が光る選手だ。4年前にプロ入りした香月一也と似たタイプの強打者。小泉は、前主将の福井章吾からリードを学び、投手陣の持ち味を引き出し、近畿大会優勝に貢献。パンチ力ある打撃と矢のような送球を見せる強肩も評価が高く、この選抜で不動のドラフト候補と呼ばれる存在になりたい。

 近畿大会準優勝の智辯和歌山も戦力は充実だ。4番文元 洸成は1年生から主軸を務める右のスラッガー。2年秋から正捕手に転向し、OBの中谷 仁(元巨人)コーチの指導を受けながら成長を見せてきた。昨夏の甲子園でも本塁打を放った冨田 泰生も期待のスラッガー。昨秋は近畿大会・履正社戦で満塁本塁打を放つなど、フルスイングが脅威だ。

 さらに、強打者揃いの智辯和歌山において最も打撃センスが高いのが、1年生の黒川史陽。黒川は、上宮優勝時の主将だった黒川洋行さん(元セガサミーコーチ)の次男。法隆寺国際戦で豪快な本塁打。逆方向にも長打が打てて、天性の柔らかさを感じさせる打撃は、西川遥輝(北海道日本ハム)以来の逸材として評判だ。

 この布陣に、秋ではケガでベンチから外れていた高校通算29本塁打の林 晃汰が練習復帰。ドラフト候補として注目されていた林がこれまで以上の打撃を選抜で見せることができるか。


 ベスト4の乙訓は、秋の公式戦で3本塁打の宮田康弘に注目が集まる。常にフルスイングを心掛ける右のスラッガーで、強肩が光る外野守備も見逃せない。同じくベスト4の近江も甲子園経験者の4番・北村恵吾、俊敏な動きを見せるショート・中尾雄斗、バットコントロールがよく、軽快な二塁守備を見せる家田 陸翔もマークしたい。

 3年連続出場となった智辯学園は、トップバッターの左向 澪はパンチ力ある打撃、脚力の高さを感じさせるベースランニングが魅力の中堅手。ベスト8だが、野手の個々の能力の高さは全国クラスだ。

 続いて中国地区を紹介したい。初出場のおかやま山陽は前チームから活躍を見せた左の強打者・森下 浩弥、右の強打者・井元 将也の2人は、全国レベルの打力を持つ。初勝利へ向けて勝負強い打撃を見せていきたいところ。同じく初出場の下関国際はエースで4番の鶴田 克樹は、準優勝までの3試合で23イニングで1失点の好投、打っても準々決勝で先制2ランを打ち、投打で大活躍。二度目の甲子園では、初勝利へ向けて大暴れを誓う。瀬戸内は、中国大会の1回戦の米子松陰戦で4打席連続弾を放ったスラッガー・門叶直己がいる。今大会注目のスラッガーだ。甲子園でその長打力を発揮できるか。

 神宮大会優勝の明徳義塾は高校通算23本塁打の主砲・谷合 悠斗、4番渡部 颯太も長打力、守備力、脚力を兼ね備えた大型外野手。エース・市川悠太が注目されるが、2人の活躍が全国制覇への一歩となる。

 九州では、優勝した創成館の野手に注目。明治神宮大会の大阪桐蔭戦で3安打を記録した峯 圭汰は打撃技術の高さと、一歩目が速い中堅守備が持ち味のプレイヤー。また4番打者の杉原 健介も速球に強く、コンタクト技術が高い打撃と、球際に強い三塁守備が魅力だ。ベスト4の延岡学園は、九州屈指の大型ショートストップ・小幡 竜平が全国デビューとなる。広角に打ち分ける打撃で、九州大会では2試合連続マルチヒット。自慢の強肩で深い位置からでもアウトにできる遊撃守備でチームを引っ張る。

▼これまでのシリーズを見直す
東日本投手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)
西日本投手編(近畿・中国・四国・九州)

東日本野手編(北海道・東北・関東・東京・東海・北信越)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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