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2017年の高校野球の1年は?全主要大会の結果を振り返る!

2017.12.04

 2017年度は史上初の大阪対決、清宮幸太郎早稲田実業)のラストシーズンと大きく盛り上がりを見せた1年となった。今回は2017年の公式戦の結果を改めて振り返る。

決勝は史上初の大阪対決となった選抜大会 大阪桐蔭が投打に圧倒し優勝


優勝した大阪桐蔭

【2017年選抜】投打ともに他校を圧倒!大阪桐蔭が5年ぶり優勝!

 2017年選抜は、清宮幸太郎早稲田実)、安田尚憲履正社)といったスター選手たちを擁する学校に注目が集まったが、優勝を成し遂げたのは大阪桐蔭であった。大阪桐蔭は決勝までの5試合で圧巻の36得点。準決勝では4季連続でベスト4入りしている強豪・秀岳館を1点差で制し、決勝は史上初となる履正社との大阪対決となった。大阪桐蔭はエース・徳山壮磨の巧みなピッチングと2年生・藤原恭大の2本塁打の活躍などで圧倒し、2012年以来2度目の選抜優勝を果たした。

2017年春季大会 地方大会優勝校

北海道駒大苫小牧

東北
仙台育英(宮城)

関東
浦和学院(埼玉)

北信越
星稜(石川)

東海
至学館(愛知)

近畿
大阪桐蔭(大阪)

中国
鳥取城北(鳥取)

四国
明徳義塾(高知)

九州
神村学園(鹿児島)

 各地でハイレベルな戦いが繰り広げられた春季地方大会の優勝校に輝いた9校は以下の通り。この中で夏の甲子園に戻ってきたのは、明徳義塾仙台育英大阪桐蔭神村学園の4校しかない。春の大会を優勝しても油断することはできない高校野球の難しさが分かる。

[page_break本塁打記録に沸いた夏!高校野球のレベルは確実に高まっている]

本塁打記録に沸いた夏!高校野球のレベルは確実に高まっている


夏を制した花咲徳栄 ※写真=共同通信社

【2017年夏の甲子園】甲子園記録となる68本塁打!花咲徳栄が埼玉県勢初優勝!

 2017年夏の甲子園は、甲子園記録となる68本の本塁打が飛び出した。その中でも、広島広陵・中村奨成が6本塁打を放ち、甲子園記録5本塁打を塗り替えた。さらに、43塁打17打点で、塁打、打点でも記録を更新。2017年の夏を語るうえで欠かせない選手になった。

 打撃戦が多かった今年の甲子園大会であるが、特に印象的だったのは3回戦盛岡大附済美の試合では、史上初の1試合2満塁本塁打が飛び出すなど記録づくめの打撃戦となった。延長10回まで及ぶ打撃戦は全国の野球ファンの心を躍らせた。

 今年の夏の延長戦で最も熱い試合と言えば、同じく3回戦明豊vs神村学園の試合だ。神村学園は9回に3点差を追いつき、延長戦へ。12回表に神村学園が3点を取り、勝利が見えたように思われたが、その裏、明豊が怒涛の粘りの攻撃でサヨナラ勝利。3時間の熱闘を制し、準々決勝進出を決めた。

 この激戦が続く甲子園で、見事甲子園優勝を決めたのは花咲徳栄だ。投手陣では先発・綱脇慧、中継ぎ・清水達也の勝利の方程式で1回戦から戦い、前橋育英盛岡大附東海大菅生、広島広陵という強豪たちを退けてきた。打っては西川愛也野村佑希らが活躍し、投打ともにバランスよく、個々のレベルの高さが際立ち、埼玉県勢初の夏の甲子園優勝を決めた。

【第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ】高校野手ビッグ4が勢ぞろい!清宮は高校通算111本塁打を放つ!

 カナダ・サンダーベイで行われたU-18ベースボールワールドカップは代表に清宮幸太郎早稲田実)、安田尚憲履正社)、中村奨成(広島広陵)、増田珠横浜)の高校野手ビッグ4がそろった。野手だけで言えば今年のU-18は過去最強という前評判だった。しかし慣れない国際試合、木製バットへの適応、外国人投手の投球術など、思うような打撃ができなかった。そんな中でも清宮は2本塁打を放ち、存在感を見せた。さらに、藤原恭大大阪桐蔭)と小園海斗報徳学園)の2年生コンビが奮起した。2人共に打率3割を越える結果を残し、来年のアジア選手権では活躍が期待できる。

 投手陣は田浦文丸秀岳館)は素晴らしいピッチングを見せてくれた。甲子園での鬱憤を晴らすような投球で海外の強打者たちから三振の山を築いた。さらに、3位決定戦での三浦銀二福岡大大濠)の投球は圧巻で、ぜひとも今後の国際試合での投球術のお手本と思わせるピッチングだった。

 日本は3位に終わったが、今大会から学んだことはたくさんある。日本の高校生は、世界一に手が届くところまで来ている。今大会の個人賞は以下の通り。

最優秀勝率投手 徳山壮磨大阪桐蔭
ベストナイン(リリーフ投手) 田浦文丸秀岳館) 

[page_break明徳義塾が36年ぶりの優勝!]

明徳義塾が36年ぶりの優勝!

【第72回国民体育大会】広陵が初優勝!

 愛媛・松山で開催された第72回国民体育大会は、3日間で観客動員「27,479人」が会場の[stadium]松山坊っちゃんスタジアム[/stadium]に訪れ、大盛況となった。

 精鋭12校が集結した国体を制したのは選手権準優勝の広島広陵だった。特に打線は3試合中2試合を2桁得点と、打線が活発。決勝大阪桐蔭と対戦。主砲・中村奨成が夏からリード面で成長を見せ、強打の大阪桐蔭打線を4失点にとどめ、打線もエース徳山を攻略。見事、7対4で大阪桐蔭を破り、初の頂点に立った。

【2017年秋季大会 地方大会優勝校】今年も緊張感のある秋季大会に!

北海道駒大苫小牧(北海道)

東北
聖光学院(福島)

関東
中央学院(千葉)

東京
日大三(東京)

東海
静岡(静岡)

北信越
日本航空石川(石川)

近畿
大阪桐蔭(大阪)

中国
おかやま山陽(岡山)

四国
明徳義塾(高知)

九州
創成館(長崎)

 10校中、初優勝したのは聖光学院日本航空石川おかやま山陽創成館中央学院の5校とフレッシュな顔ぶれとなった。

【明治神宮大会】明徳義塾が36年ぶりの優勝!


神宮大会で優勝した明徳義塾

 1年間で高校野球最後の公式戦となる明治神宮大会。今年は明徳義塾が36年ぶりの優勝を果たした。決勝の相手は、準決勝大阪桐蔭を破った創成館(長崎)。先制点を取った明徳義塾が最後まで主導権を握り、先発の市川悠太が被安打4の完封と完璧な内容のピッチングだった。明徳義塾・馬淵監督は夏の甲子園、国体の優勝経験を持ち、そして今回神宮のタイトルも獲得した。残すは春の選抜。期待が高まるばかりだ。

 2017年を振り返ると、ビッグ4など野手の活躍が光った。夏の甲子園では数々の記録が塗り替えられ、99回の甲子園の歴史に残るものとなった。来年は記念すべき100回大会。ミレニアム世代と呼ばれる球児たちには今年以上に高校野球を盛り上げてもらいたい。

(文=編集部


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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