稲葉二世・上林誠知、U-18での悔しさを糧に、トップチームで躍動!
24歳以下、そして入団3年目の選手が集まって戦うアジアチャンピオンシップ。その侍ジャパンの5番を打つのが22歳の上林 誠知だ。仙台育英から福岡ソフトバンクホークスにドラフト4位で入団し、今年は初の規定打席に到達、初の二桁本塁打(13本)を記録しブレイクした。そんな上林を高校時代から振り返っていく。
U-18では控えだった上林
U-18当時の上林誠知
上林は2年から注目を浴びていた。2年夏に甲子園に出場すると、秋からは主将に就任。秋の神宮大会にも出場し、準決勝、vs北照戦では本塁打を放つなどの活躍を見せ、チームは神宮大会を制した。3年春の選抜大会、vs創成館戦ではワンバウンドのボール球を安打にし話題にもなった上林だったが、3年夏の甲子園では調子が上がりきらず、1回戦のvs浦和学院戦では3三振。チームは2回戦で常総学院に敗れ、上林の最後の夏が終わった。
その後U-18日本代表に選出された上林だが、当時のU-18では控え外野手となる。当時のメンバーは今回侍ジャパンに選出されている、田口 麗斗(広島新庄―読売巨人)、若月 健矢(花咲徳栄―オリックスバッファローズ)、さらに森 友哉(大阪桐蔭―西武ライオンズ)、松井 裕樹(桐光学園―楽天イーグルス)、山岡 泰輔(瀬戸内―東京ガスーオリックスバッファローズ)ら豪華メンバーが集結した。その中で上林の先発出場は少なく、仙台育英では4番で主将だったが、チームメイトだった熊谷 敬宥(仙台育英-立教大―17ドラフト阪神タイガース3位)が本職ではない外野を代わって守ることもあるなど、悔しさを味わった。
その悔しさを糧に、上林はプロの世界で着々と力を付けている。13年ドラフト4位で福岡ソフトバンクホークスに入団すると2015年にはプロ4試合目での初本塁打が逆転満塁本塁打というインパクトを残した。昨年は出場が14試合、本塁打0と結果を残せなかったが、今年一気にブレイク。134試合に出場し、108安打、本塁打13、盗塁12、打率.260、出塁率は.302という結果を出す。
シーズン後半は不振に苦しんだが今年の結果から、11月16日から開幕したアジアプロ野球チャンピオンシップの侍ジャパンのメンバーに選出された。今大会から侍ジャパンの指揮を執る稲葉 篤紀監督と打ち方が似ているということから「稲葉2世」とも呼ばれる上林。今大会は20年の東京五輪も見据え、クリーンナップでの起用を明言された。
そしてその期待に応える。16日に行われた韓国戦。延長10回に同点となる3点本塁打を放ち、チームの勝利に貢献。この試合の1回に守備のミスをしていたが、そのミスを帳消しにした。
U-18では悔しさを味わった上林はその悔しさを、トップチームの舞台で晴らして見せた上林。稲葉二世と評される男は稲葉監督が見守る中、アジア制覇を導く一打を魅せる。
(文・編集部)
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