第577回 本塁打記録更新、140キロ台投手連発、ランニングスロー連発!高レベル化した現代の高校野球2017年08月24日

印刷する この記事をYahoo!ブックマークに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加   

優勝した花咲徳栄!※写真提供:共同通信社

 第99回全国高等学校野球選手権花咲徳栄の優勝で幕が閉じた。今年の甲子園は時代の流れ目に入ったと思わせる出来事が多かった。そのことに触れながら今大会を総括する。

 甲子園は改めていろいろなことを気付かされる場所だ。甲子園を見て、現在の高校野球はかなりの速度で進化を遂げている。まず話題となるのは、本塁打増加だろう。今大会は大会記録となる68本塁打を記録した。中村 奨成広陵)、植田 拓盛岡大附)といった大会話題のスラッガーだけではなく、下位打線を打つ選手が高めに抜けた変化球をスタンド遠くへ打ち込む姿は見慣れた光景となってしまった。

 数年前の高校野球では考えられなかったことだ。今大会、投手が不作といわれるが、決してそんなことはなく、今大会、140キロ超えした投手は43人。さらに複数投手を敷くチームが2人以上、140キロ越えしたり、140キロとまではいかなくても、130キロ後半の速球を投げられる上に、変化球もコントロールできる投手が揃っている。そういう投手を攻略してしまうトップレベルの高校野球。

 そして打撃、投手の球速だけではない。守備面でも成長を見せた。特に内野守備。今年の甲子園に出場した内野手を見ると、ランニングスロー、ジャンピングスロー、逆シングルからのスナップスローなど、かつて、高校生では難しい複雑な守備動作を軽々とこなしてしまう時代となった。それを実現できるための身体能力と体の使い方を身に付け、それを教えられる学校が出てきたのだ。

 甲子園の中継を見ていたある指導者は技術の凄さだけではなく、体つきの変化を感じ取っていた。
「時代が変わったよね...。今年は間違いなく変わった。今のトップレベルの高校野球は到底追いつけないのでは?と思うぐらい高いレベルとなった。昔は高校生とは思えない凄い体つきをしたのが、数人だったのが今ではレギュラーほぼ全員になっている」

 ハイレベル化している今年の甲子園で優勝した花咲徳栄は技術、メンタル、戦術、パワー、スピードとすべてにおいて突き詰めた学校だった。岩井隆監督のもと、全国制覇するために逆算をしながら計画的にチーム作りを行った手法は見事であった。150キロ右腕・清水達也、制球力抜群の綱脇 慧、プロ注目のスラッガー・西川 愛也野村 佑希といった注目選手なだけではなく、主将・千丸 剛、緻密なリード、パンチ力ある打撃で2人の投手を引っ張った須永 光など技術的に優れた選手が多かった。

 ぜひ高校球児は今年の甲子園を何らかの形で視聴してほしい。終わってしまったが、高いレベルの野球を見て、そこに追いつくには、高いレベルを知ることが絶対に必要。残り1年間。計画的な練習の積み重ねで、自分でも想像がつかないほどの成長を実現してほしい。

(文・構成:河嶋 宗一

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第611回 ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017日本代表選手の中でU-18経験者は?【大会展望・総括コラム】
第124回 3年生座談会 星野高等学校(埼玉)「創部史上初のベスト8 星野ナインの成長の軌跡」【後編】【僕らの熱い夏2017】
第120回 3年生座談会 星野高等学校(埼玉)「創部史上初のベスト8 星野ナインの成長の軌跡」【前編】【僕らの熱い夏2017】
第135回 2017年のドラフトの指名選手の出身校で最も多いのはあの3チーム!【ドラフト特集】
第133回 園部、宮路、菊地...指名漏れとなった逸材たち【ドラフト特集】
中央学院vs花咲徳栄【2017年秋の大会 第70回(平成29年度)秋季関東地区高等学校野球大会】
大阪桐蔭vs花咲徳栄【2017年 第72回国民体育大会 愛顔つなぐえひめ国体2017】
花咲徳栄vs仙台育英【2017年 第72回国民体育大会 愛顔つなぐえひめ国体2017】
花咲徳栄vs市立川越【埼玉県 2017年秋の大会 埼玉県大会】
花咲徳栄vs山村学園【埼玉県 2017年秋の大会 埼玉県大会】
第573回 清水達也(花咲徳栄) 「寒空を切り裂く剛速球!甲子園優勝投手が戻って来た!」 【2017年インタビュー】
第520回 国吉 大陸さん(興南出身)「一戦必勝の末に掴んだ紫紺の優勝旗」 【2017年インタビュー】
第519回 国吉 大陸さん(興南出身)「春夏連覇を達成した甲子園を今、振り返る」 【2017年インタビュー】
第428回 花咲徳栄高等学校 高橋昂也選手 「ついに復調!速球とフォークのコンビネーションは大学生にも圧倒」  【2016年インタビュー】
第327回 花咲徳栄高等学校 大瀧 愛斗選手【後編】 「スランプから脱却させた岩井隆監督の魔法の一言」 【2015年インタビュー】
花咲徳栄 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム