春夏連覇を目指す大阪桐蔭危うし?激しい試合が予想される3回戦4試合の見どころをチェック!
苦しい戦いが強いられている大阪桐蔭。やはり頼みは福井章吾主将になるのか??
第99回全国高等学校野球選手権大会11日目。今日でベスト8が出揃う。今日も激戦の4試合が期待できるカードとなっている。4試合の見どころを紹介したい。
済美vs盛岡大附
ここまで一大会3本塁打を打っている亀岡京平を中心に破壊力抜群の済美打線はこの試合でも自慢の長打力を発揮できるのか?対する盛岡大附投手陣は平松竜也、三浦瑞樹のダブルエースの実力は全国クラスだが、済美打線の破壊力を考えるとある程度の失点は覚悟した方がよさそうだ。一方、打線は後半戦で松商学園投手陣を終盤に攻略したように上り調子。この調子を維持したたまま3回戦に臨むことができるか。済美はエース・八塚凌二が2回戦快投要因となったスライダーが盛岡大附打線にどこまで通用するか。試合展開次第では投手総動員ということになりそうだ。
前橋育英vs花咲徳栄
ともに投手力が高く、打線も活発な両チームの対決はハイレベルな試合が期待できそうだ。花咲徳栄はこれまで通り、綱脇慧が先発して、清水達也で逃げ切るパターンとなりそうだ。前橋育英は皆川 喬涼が先発して、他の投手につないで、最後はクローザー的な役割をこなす丸山和郁に回すパターンにもっていくことができるか。打線のカギを握るのは、クリーンナップの働き具合といっても過言ではないが、前橋育英は4番飯島大夢が手負いの状況。コンディションの差からいうと、花咲徳栄がリードしているといえるだろう。両チームとも、投手の能力が高いだけではなく、配球面も高度なので、簡単には失点を与えないことを考えるとロースコアの熱戦が期待できそうだ。
聖光学院vs広島広陵
聖光学院は好投手と対しても、粘り打ちで相手を崩すことができるチーム。広島広陵のエース・平元銀次郎の角度ある速球、曲がりが鋭い変化球にどこまで対応することができるのか。聖光学院投手陣はこれまでの試合状況を考えてエース・斎藤郁也に頼らざるを得ない展開となりそうだ。継投策も十分にあり得るだろう。
一方、広島広陵はここまで3本塁打の中村奨成が打撃好調。中村が打つと、そのほかの打者も勢いづくだけに中村をどう抑えるのか、中村との勝負を避けていきたいところ。そうすると中村の前後を打つ打者がどれだけ機能するかで得点効率はかわってくるのではないだろうか。
大阪桐蔭vs仙台育英
春夏連覇を目指す大阪桐蔭にとってこの3回戦は最も苦戦する相手になることは間違いない。
仙台育英のエースの長谷川拓帆は強力打線の日本文理打線を完封勝利。連投で調子を上げるタイプ。大阪桐蔭は伝統的に左投手を苦手にするが、今年はそれが顕著に表れたチームで、大阪大会から通じて左投手はあまり打てていない。この傾向は簡単に変わるものではなく、長谷川は大阪桐蔭が対戦してきた左投手の中では最もハイレベルなだけにかなり苦労することになりそうだ。そして、守備、打撃もハイレベル。仙台育英でカギを握っているのは右打者。特に3番山田 利輝はスライダー打ちが最も長けた打者で、大阪桐蔭のエース・徳山壮磨を捉える能力は十分に持っている。
大阪桐蔭が追い込まれてからの強さを発揮するのか?それとも仙台育英が投打にソツのない試合運びを見せるのか?もしここで大阪桐蔭の連覇が止まっても番狂わせでもない。それだけ今年の仙台育英は強い。ハイレベルな熱戦が期待できそうだ。
(文・構成:河嶋 宗一)