Column

今大会で最も熱く、ハイレベルな4日目!4試合の見所を徹底解説!

2017.08.11

今大会で最も熱く、ハイレベルな4日目!4試合の見所を徹底解説! | 高校野球ドットコム
磯村峻(中京大中京)

 第99回全国高等学校野球選手権大会4日目。この日を待ち望んでいた高校野球ファンは数多いはず。ここで、4日目4試合の見どころを徹底解説していきたい。

広島広陵vs中京大中京
いきなり名門校同士の対決が実現する。広島広陵の注目はU-18の一次候補に選出された平元 銀次郎中村奨成のバッテリーは超強力。平元は左腕ながら常時140キロ台のストレートを低めに集める投球。

 ただ試合終盤になると、上体だけで投げる投球になり、切れのない140キロのストレートになった時は危険な兆候。決勝戦では好リリーフを披露した山本雅也は130キロ後半で、制球力も高い投手なだけに、登板は十分にあり得る。正捕手の中村はベストスイングすれば、スタンド上段にもっていくパワーは圧巻だ。

 中村の一打から広島広陵打線は乗っていくだけに、まず中村の一打席目の結果に注目が集まる。また守備はわずかに3失策と守備から失点することはほとんどなく、平元の投球が広陵の勝利のカギを握っている。

 対する中京大中京は高校通算56本塁打の鵜飼 航丞を軸とした打線は超強力。他では澤井蓮諸橋 駿谷村優太磯村峻平伊藤稜と140キロを超える左腕を揃え、打線に切れ目がなく、破壊力は今大会屈指。広島広陵は中村がどれだけ奮起するか、中京大中京は、平元の立ち上がりをどうとらえるのか。序盤から激しい攻防が期待できそうだ。

秀岳館vs横浜
このカードが決まった時、抽選会場がどっと沸いた。3季連続ベスト4の秀岳館は、試合運びが上手く、そして140キロ後半の速球を投げ込む田浦文丸川端健斗の両左腕を揃え、守備力も高く、簡単には失点を与えない。そして情報収集力も長けており、それを生かす戦術面も備わっている。優勝候補に相応しいチームだろう。この秀岳館を崩すのは容易ではない。

 横浜は何で対抗するかといえば、攻撃力しかない。打率6割、5本塁打の増田珠、3本塁打の長南有航を軸とした強力打線は脅威だ。ただ投手力、戦術を比較した場合、横浜はだいぶ不利。横浜が守り勝つゲームプランは想像しにくい。秀岳館投手陣を攻略できる強打を発揮することができるか?

 どちらがこの試合の主導権を握るのか?1回の攻防から見逃せない。

興南vs智弁和歌山
興南vs智辯和歌山の一戦について、2010年の選抜を思い出す方も多いのではないだろうか。興南は守り勝つ野球で勝ち上がってきたように、143キロ左腕・宮城大弥(1年)の投球がカギ。沖縄大会では、22.1回を投げ、34奪三振と高い奪三振率を誇る。また打線は決勝で15得点を奪ったように爆発した時の打線の破壊力は脅威。そして12盗塁を記録しているように機動力も高い。

 智辯和歌山は2年生スラッガー・林晃汰の打棒に期待がかかる。守備では正捕手・蔵野真隆が自慢の強肩と元プロの中谷仁コーチに教わったインサイドワークで、4人の投手たちの持ち味を引き出していきたい。

 接戦が予想されるが、両チームとも、試合の流れを掴むと一気に点差をつけて突き放す爆発力を持っており、どこで試合が動いていくのか、序盤から見逃せない。

大阪桐蔭vs米子松蔭
 大阪桐蔭は、140キロ超えの投手が4人いる。起用法に注目が集まるが、まずは初戦、エース・徳山壮磨が登板して、チームに勢いを生んでいきたい。そして打線では、1番藤原恭大、2番福井章吾のコンビがどれだけチャンスメイクに徹し、上位打線につなげられるかでその後の得点効率が変わってくるだけに、1,2番の打撃にぜひ注目。

 対する米子松蔭は春の中国王者・鳥取城北を破って、その勢いのまま勝ち上がった攻撃力が魅力。打線は、上位打線に3割打者が並ぶが、8番山口陸摩が打率.438を記録。大阪桐蔭の投手陣は直球とスライダーのコンビネーションで勝負する投手がほとんどで、どの球種を絞って打ちに行くのか。打者の配球を読むセンスが問われる。

 投げては2年生左腕・辰己 晴野がゲームメイク。左腕から130キロほど、多彩な変化球を武器にする投手と、大阪桐蔭にとってはやや苦手なタイプで、序盤で自分のリズムで抑えることができると、大阪桐蔭に十分に対抗できる試合ができるのではないだろうか。この試合のゲームバランスは辰巳を含めた米子松蔭投手陣がカギを握っている。

(文・構成:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.16

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.03.16

【準硬式関東大会】前回王者・帝京大はコールド勝利 高崎健康福祉大、慶大、明大は2桁得点で快勝

2024.03.16

【東京】堀越は終盤の逆転勝ちで初戦突破、17日は帝京が登場<春季都大会1次予選>

2024.03.17

大会屈指の強打者・モイセエフ・ニキータ独占インタビュー 「目標は世代No.1野手&高校日本代表、そしてプロ入り!」

2024.03.17

目白研心がコールド発進!チームの一体感大事に勝利を積み重ねる!【春季東京都高校野球大会1次予選】

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.16

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.03.12

都市対抗16回・東邦ガスが積極補強! 前ヤクルト・吉田と甲子園優勝経験者2人が加入!

2024.03.12

【準硬式関東大会】慶應義塾大、両軍合わせて27安打の乱打戦を制す 東洋大は1点差の投手戦を勝ち切る

2024.03.13

副業で高校野球の仕事に携わりたい人、大募集!営業、企画管理、編集など、あなたの“できる”を高校野球メディアで生かしてみませんか?

2024.02.25

取材歴13年「私の出会った個性派キャプテン」たち…叱咤激励型、調整型、高校・大学・社会人ですべて日本一の「殿堂入りキャプテン」も!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカン』vol.8】

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.02.24

【大学野球卒業生進路一覧】 2023年の大学野球を盛り上げた4年生たちの進路は?

2024.02.26

ポニーリーグの球春告げる関東大会が開幕! HARTY氏の大熱唱で協会創立50周年が華々しくスタート! 「まさにプロ野球さながら」

2024.02.16

【関西地区高校・大学監督人事】天理の名将・中村良二氏が大阪学院大に、後任は天理大6連覇指揮官! 近大、関大、立命大なども監督交代!