昨夏覇者・作新学院など関東勢が4チーム登場!2日目4試合の見どころを徹底解説!
皆川 喬涼(前橋育英)
第99回全国高等学校野球選手権大会2日目。この試合は前年覇者の作新学院が登場する。実力校同士の対決が多く、開幕日のように激戦が期待できそうだ
盛岡大附vs作新学院
昨夏覇者・作新学院、選抜ベスト8の盛岡大附がいきなり激突。岩手大会5本塁打の植田拓を軸とした強力打線の盛岡大附打線に対し、作新学院バッテリーがどう止めるかが焦点となる。
作新学院はエース・大関秀太郎が安定したピッチングを見せるか。また新チームから急成長し、正捕手・加藤翼も絶大な信頼を置く2番手・篠原聖弥は球速こそ130キロ台なものの、加藤とのコンビネーションでどう勝負するのか。
一方、盛岡大附は、左の好打者が多いだけに左腕・三浦瑞樹の先発が予想される。三浦が終盤まで試合を作り、平松竜也に回す展開が理想的だが、試合状況によって早めの継投が予想される。
いつも先手を取って守り切る作新学院からすれば早めの試合主導権を握りたいところ。盛岡大附は先制するか、またロースコアで接戦に持ち込んで、終盤に突き放す展開にもっていきたい。
土浦日大vs松商学園
31年ぶり出場となった土浦日大は茨城大会で延長15回を経験している粘りが最大の持ち味。まずは2年生エース・冨田卓がどう試合を作るか。打線はチーム打率.363と高打率を残しているように、上位下位打線の切れ目がなく、どこからでも点を取ることができる。
打線のキーマンは4番・井上 莞嗣。打率.533、1本塁打、11打点と勝負強さと確実性を兼ね備え、今大会注目の2年生スラッガーだ。これまで得意としている後半勝負で接戦をものしていきたい。
松商学園は青柳 真珠、直江 大輔のダブルエースの出来、メンタルの強さによって、試合状況は大きく変化しそうだ。松商学園の攻撃のカギを握るのは長野大会で、9盗塁、11得点をマークした井領大輔。守備に課題を抱える土浦日大にどこまでプレッシャーをかけられるのか?1,2番がチャンスを作り、クリーンナップで還すという王道のパターンでチャンスを作っていきたい。
決勝戦で延戦15回を制している土浦日大の驚異的な粘りがあるだけに最後まで見離せない試合展開となりそうだ。
前橋育英vs山梨学院
関東地区を代表する強豪同士の対決が実現。前橋育英の注目はなんといっても吉澤 悠、皆川 喬涼、丸山 和郁、根岸 崇裕は140キロ超えカルテットだ。特に皆川は最速149キロまで伸ばし、今年のドラフト候補として非常に期待がかかる。また仮に皆川が打ち込まれても、左腕・丸山がクローザーとしてスタンバイしており、心強い。
打線は4番飯島大夢がどれだけ勝負強い打撃ができるか?それにかかっているといっても過言ではないだろう。
対する山梨学院は左腕エース・吉松塁はストレートのキレ、変化球の切れも良く、簡単に打ち崩すのは難しいだろう。打線はチーム打率.353を誇るが、前橋育英投手陣から大量点を望むのは難しいだろう。
前評判通り、ロースコアの接戦となるのか。両チームの打撃陣が実力を発揮し、シーソーゲームの展開となるのか?序盤の攻防に注目だ。
日大山形vs明徳義塾
5試合で41得点を奪った破壊力ある打線で勝負する日大山形と試合運びの巧さで勝負する明徳義塾との一戦は、どちらが自分の土俵に立って試合運びするかで勝負は大きく変わってきそうだ。
日大山形は主将で、4番を打つ舟生大地に要注意。打率.391、3本塁打、11打点と打線をけん引し、ライト方向へも本塁打を打つ技術を持っている。また1年秋から注目を浴びた鈴木琉生など強打者が揃う。投手陣では4投手をうまく使い分け、少ない失点にとどめたい。
一方、明徳義塾は日大山形の打撃陣が機能することを想定し、多少の失点は織り込み済みだろう。この試合では日大山形投手陣をどう攻略するかに注力を注ぐことになるだろう。そのためには3番西浦颯大、4番谷合悠斗の3,4番がどれだけ機能するか。また攻守の要・今井涼介、秋の大会から好調を維持している久後健太の打撃にも注目だ。
試合のカギを握るであろう両チームの主力打者たちの打席内容は特に目離せない。
(文・構成:河嶋 宗一)