ミレニアム世代のスラッガーが集結!甲子園を熱狂させるバッターは誰だ!?
藤原恭大(大阪桐蔭)はこの大会で一気に知名度を高めそうだ
来年の世代はミレニアム世代といわれるが、投手だけではなく、野手のレベルも非常に高い世代となっている。甲子園を熱狂させるバッターは…。
スケールの大きさでは3年生以上の打者がたくさん!
史上初となる2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭。その中に楽しみな選手がいる。それが藤原恭大だ。選抜甲子園では決勝戦2本塁打。この夏は1番打者として大活躍。1番打者ながら、3本塁打、11打点、打率.455と圧巻の打撃成績。打撃はコンタクト能力の高さ、ツボに入ったら、確実にスタンドインさせる長打力、そして相手投手のスタミナを消耗させる粘り打ちと、豪快さ、巧さ、嫌らしさの三拍子の打撃ができる選手で、さらに6盗塁と足でもかき回してチャンスメイクに徹する。そして守備でも魅せた。準決勝の履正社戦ではスラッガー・安田尚憲が放ったセンターへの打球をフェンス際でジャンピングキャッチ。決勝戦の大冠戦で、勝ち越しの本塁打を打つなど、まさにスターに相応しい活躍を見せてきた。大阪大会のパフォーマンスをしっかりと発揮すれば、甲子園の歴史に残るような活躍を見せるかもしれない。また大阪桐蔭は2年生に逸材が揃う。大阪桐蔭 山田健太は準々決勝の興国戦で逆転満塁本塁打を放ち、チームトップの13打点を記録した。この世代では数少ない右のスラッガー候補だけに、攻守で躍動したい。
スケールという点では横浜の長南有航と万波中正の2年生スラッガーに注目が集まる。長南は万波と同じく1年春からデビュー。ポテンシャルの高さは誰もが認めるほど。しかしそれをなかなか発揮することができず、控えに甘んじることがあったが、この夏、3本塁打を放ちようやく覚醒の兆しは見せた。走攻守のポテンシャルの高さは、藤原に負けないものを持っている。打撃フォームを見るとアクションが大きい動作でレベルの高い投手相手に発揮できるか不安点はあるが、ぜひこの大会でブレイクを果たしたい。万波はパワー、飛距離は規格外だが、コンタクト能力が課題となる。コンタクト能力は簡単に身につくものではない。だが秀岳館投手陣を攻略するために、何ができるのか?考えを凝らして、試合に向かってほしい。
花咲徳栄の野村 佑希は春の県大会で3本塁打を放ち、一躍注目のスラッガーとなった。好調時はインコースも、低めの変化球を裁く技術の高さを持っており、右中間へ鋭い打球を打てる技術も備わっている。埼玉大会では本塁打がなかったが、甲子園では自慢の長打力を見せることができるか。木更津総合の野尻幸輝は1年春から騒がれてきたスラッガー。野尻も1年春以降、伸び悩みが続いたが、この夏、本塁打を打つなど、打率.368をマークし、調子を上げてきた。この夏は初の甲子園優勝へ向けて、初戦から勝利に貢献する一打を見せていきたい。同じ関東地区では右中間、左中間と広角に打ち分ける平間陸斗(二松学舎大附)も面白い存在だ。
智辯和歌山の2年生スラッガー・林晃汰は、1本塁打に終わったが、放物線を描く本塁打はやはり天性のホームランアーチストと実感させる。投手力が高い興南相手に自慢の長打力を見せることができるのか?明徳義塾の谷合悠斗は打撃技術の高さと勝負強さを兼ね備えた右のスラッガー。センバツに続き、二季連続の甲子園での本塁打を目指す。
今年、甲子園に登場する2年生スラッガーは能力値が高く、さらに奥行きもあるタイプで、甲子園の経験で一気に伸びる可能性を持った選手たちばかり。ぜひ思い切りプレーをして、ファンを熱狂させる活躍を見せることを期待したい。
(文・構成:河嶋 宗一)