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清宮、安田がいなくても今年の高校生野手はハイレベル!甲子園を盛り上げる逸材を一挙紹介!

2017.08.05

清宮、安田がいなくても今年の高校生野手はハイレベル!甲子園を盛り上げる逸材を一挙紹介! | 高校野球ドットコム
増田珠(横浜)は大会の主役に相応しい活躍を見せることができるのか?

 今年の高校生野手は、清宮幸太郎早稲田実業)、増田珠([team]横浜[/team])、安田尚憲履正社)の3人が目玉だ。しかし清宮、安田が敗れてしまったとはいえ、今年は全体的に野手のレベルの高さが例年以上。野手豊作ドラフトとなった2015年よりもハイレベルといえる。そんな今年の野手の逸材たちを紹介していきたい。

清宮、安田がいなくてもスラッガーがズラリ

 高校生ナンバーワン野手は増田珠横浜)だろう。神奈川大会では個人タイ記録となる5本塁打、打率6割、11打点と圧巻の打撃成績。増田は欠点がなく、好投手相手にも粘りながら自分の狙い球を逃さず安打、本塁打にしてしまう技術は素晴らしいものを持っている。守備力を見ても、一歩目の反応、次のプレーに対しての準備など意識も高く、今年の高校生ナンバーワン野手として、秀岳館の川端健斗田浦文丸相手にどんなバッティングを見せることができるのか?

 昨夏甲子園でも活躍を見せた西川愛也花咲徳栄)は、高校生を代表する左の強打者。昨年はアベレージヒッターの色彩が強かったが、だいぶ長打力がついてきた。埼玉大会では打率.500、4本塁打、18打点と圧巻の成績を残した。高いミート力、技術力の高さで、本塁打量産と、プロスカウト好みの逸材だ。そしてプロのスカウトから評価が高いのは、広島広陵の中村奨成。広島大会では2本塁打。スイング軌道を見ると、後ろ小さく、前に大きいスイング軌道ができる選手で、その打撃フォームはまさに、スラッガーそのもの。そして1.8秒台の強肩を誇る大型捕手だ。対戦相手は好投手揃いの中京大中京となった。

 中村に負けない魅力を持ったのが猪田和希神戸国際大附)。兵庫大会では0打数9安打、4本塁打14打点、打率.450、出塁率.458と圧倒的な打撃成績を残した。右中間へ本塁打を打つ技術の高さ、パワー、スローイングタイム1.8秒台を計測する強肩とすべてにおいてレベルの高いパワー型捕手だ。今回の甲子園でさらに評価を高めていきたい。また高校通算60本塁打の植田拓は、4本塁打、打率.364、9打点と好成績をキープ。甲子園では、高い打撃技術、ヘッドスピードの速さを生かしたパンチ力溢れるバッティングを初戦の作新学院戦から発揮したい。高校通算56本塁打の鵜飼 航丞中京大中京)は、復調気味。初戦は広島広陵。U-18入りへ向けて勝負の試合となりそうだ。

 高校通算47本塁打のスラッガー・永井敦士二松学舎大附)はこの夏、打率.333と伸び悩んだ。長打力だけではなく、50メートル5秒8と素材は鈴木誠也に匹敵するといわれる選手で、素材は間違いなく本物。ただ東東京大会の打撃を見る限り、自分の打撃を見失っている感はある。それを見直すことができれば、本戦での活躍は期待できそうだ。

[page_break:U-18代表入りへ向けてアピールしたい逸材たち]

U-18代表入りへ向けてアピールしたい逸材たち

U-18代表一次候補の走攻守三拍子そろった大型外野手・鈴木萌斗(作新学院)は栃木大会で8盗塁。栃木大会準決勝の青藍泰斗石川翔から走者一掃の適時三塁打を打つなど、好投手相手にも強い。甲子園での活躍が、U-18代表入りへ大きく前進するだけに、走攻守すべてにおいてアピールしていきたい。同じく一次候補の西浦颯大明徳義塾)は打率1割台と苦しいとなった。甲子園では激変した打撃を見せることができるのか?

 1年春から公式戦を経験している峯村貴希木更津総合)は、3度目の甲子園を迎えた。一歩目が速く、様々なゴロに対しても難なく合わせてしまうグラブ捌き、スローイングの強さ、確実性は、今年の高校生ショートではナンバーワン。あとは打撃。足も速い選手だけに、甲子園では走攻守で躍動することができれば、U-18代表入りへ向けて大きなアピールとなる選手ではないだろうか。また甲子園で活躍して、U-18代表入りを狙っている小玉佳吾東海大菅生)は、癖のない打撃フォームから広角に鋭い打球を連発し、軽快な二塁守備、ベースランニングの速さが魅力。今年の高校生二塁手の中で、総合力の高さは、トップクラス。

 1年夏の甲子園を経験した神野太樹天理)は、すべてにおいてパワーアップして甲子園に戻ってきた。逆方向にも鋭い打球が打てて、足も速く、外野からのスローイング技術も高い選手で、バランスが取れている。甲子園ではどんな活躍を見せるのだろうか。

 神村学園の強打の捕手・田中 怜央那、智弁和歌山・蔵野真隆も、捕手として高い打撃力を誇る。この春から同校のOBで、元プロの中谷仁コーチから配球のイロハを教わり、レベルアップを果たしている。

 今年は清宮、安田と今年の高校生野手を代表する2人が甲子園を前に敗れてしまったが、それでも甲子園に乗り込む人材のレベルの高さはピカイチといえる。まだ見ぬ逸材は多い。今年の甲子園でどれだけの逸材が脚光を浴びるのか。楽しみでならない。

(文・構成:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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