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第99回甲子園で注目したいドラフト候補生たち(投手編)!

2017.08.03

第99回甲子園で注目したいドラフト候補生たち(投手編)! | 高校野球ドットコム
田浦文丸(秀岳館)

  8月7日、全国高等学校選手権が開幕する。今年も、注目投手が多く揃った大会となった。ドラフト候補に挙がる投手を紹介していきたい。

一気に評価を高めたい速球派左腕カルテット

 今井達也作新学院)、藤平尚真横浜)、寺島成輝履正社)などドラフト上位候補がズラリと揃った大会となったが、今大会は甲子園でアピールをして、ドラフト上位指名、ドラフト指名にこぎつけたいという選手が多い。まず今大会を代表する投手は山下輝木更津総合)だろう。186センチの長身から投げ込む直球は、常時140キロ中盤。大会前の練習試合では149キロも出したことも。終盤まで140キロ中盤を計測する馬力は本物。120キロ中盤のスライダー、130キロ中盤のフォーク、125キロ前後のツーシームと変化球の精度は高い。何より激戦区・千葉を勝ち抜いた精神力の強さも魅力。この大会のアピール次第では一気に上位24人以内に入っていてもおかしくない。

 秀岳館田浦文丸川端健斗の140キロ後半コンビも高卒プロを狙える実力に達している。センバツでは川端が140キロ後半の速球を連発。川端の方がいち早く指名候補としてアピールをしていたが、田浦も成長。もともと投打にセンスあふれる野手としての評価が高かったが、田浦は熊本大会で最速148キロを計測し、2人とも高卒指名の可能性が強くなった。優勝候補にも挙げられる秀岳館だが、そのキーマンとして両投手ともに初戦から快投を見せていきたい。

広島広陵の平元 銀次郎は手足が長く、好調時は低めに145キロ前後の速球がズバリと決まる。スライダーの切れも良く、さすがU-18一次候補選手と思わせるピッチングを見せてくれる。広島大会決勝ではやや脆さが見えたが、甲子園で立て直し、終始、安定したピッチングを期待したい。

[page_break:清水達、皆川など140キロ後半まで速くなった右投手もアピールしたい]

清水達、皆川など140キロ後半まで速くなった右投手もアピールしたい

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皆川 喬涼(前橋育英)

 一方、右投手では140キロ後半の速球を連発する清水達也花咲徳栄)が面白い。浦和学院との決勝戦では好リリーフ。3イニングで5奪三振の快投を披露。甲子園のアピールでどこまで自分の価値を高めることができるのか。

 皆川 喬涼前橋育英)は、春以降から急成長を見せて、群馬大会で最速149キロまで伸ばした。100キロ台のカーブ、ベース横で鋭く曲がるスライダーをコンビネーションを投球を組み立てる右の本格派で、この夏でどれだけドラフト上位指名と思わせるピッチングを見せることができるか。

 北山亘基京都成章)も、140キロ前半の伸びある直球、カーブを武器にするが、何より良いのは投球フォーム。連動性と再現性が高いフォームを高く評価する球団もあるだろう。しっかりと体を作れば大化けする可能性を秘めた投手だ。京都大会では49回を投げて60奪三振と多くの三振を奪った投球は必見だ。

 小松 章浩おかやま山陽)。181センチの長身から最速146キロのストレートを投げ込む。その潜在能力がドラフト指名クラスなのか、甲子園のピッチングでチェックを受けることになるだろう。ぜひ自分の名を高める大会にすることを期待したい。センバツ直前に肩を痛め、1試合登板に終わった平松竜也盛岡大附)は恵まれた体格から最速145キロの速球は威力十分。岩手大会でも活躍を示し、21イニングを投げて僅か1失点と好投を見せている。

 最後にこの大会でドラフト指名候補に名乗りを上げたい投手を紹介していきたい。191センチの剛腕・根岸 崇裕(前橋育英)、徳山 壮磨(大阪桐蔭)、最速143キロながら、球速表示以上の勢いを感じさせるストレートと、切れのあるスライダーで奪三振を量産する丸山和郁(前橋育英)、春からまるで別人のような成長を見せた市川睦二松学舎大附)は、手足の長さを生かした角度のあるフォームから繰り出す直球は140キロ前後を計測。スライダーの切れも良く、ハイクオリティなピッチングを見せた。マウンドの表情も自信に満ちており、東東京大会準決勝では強打がズラリと揃った関東一打線に対しても臆せず完投勝利を挙げた度胸の強さが素晴らしい。甲子園の投球次第ではドラフト候補入りする可能性も秘めている。

 第2回はブレイクに期待がかかる3年生投手や来年、再来年のドラフト候補生の投手編を紹介していきたい。

 

(文・構成:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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