【三重展望】近大高専、宇治山田商など南部の有力校・逸材を徹底解説!
6月27日、第99回三重大会の抽選会が開催される。北部の有力校を紹介した前回に引き続き、南部の有力校と逸材を紹介していく。
春優勝の近大高専、”奪還”を期す三重、夏に強い松阪商
■【近大高専】
昨秋の県大会4位の悔しさを跳ね返し、今春の県大会では見事優勝を成し遂げた近大高専。昨年の新チーム結成時から目立っていた打線は、俊足の上西貫太や亀井鉄平の1・2番が塁に出て、長打力のある田中淳士など中軸から主将で双子の兄・廣瀬泰斗、県大会の決勝では代打サヨナラ本塁打を放った弟の廣瀬泰貴など下位から控えまで点が取れる選手を揃える。
投手陣は多彩な変化球を操る左のエース中西元亜と183㎝の長身から投げ下ろす右の森本匠の二人が急成長を遂げる。
伊勢谷 譲二(三重)
■【三重】
2014年の準優勝から甲子園に遠ざかり、”奪還”を心掛ける三重は、145キロの2年生右腕・定本拓真がこの春からエースナンバーを背負う。昨秋は3年生左腕の森本大翔と秋はエースだった2年生右腕の山本大雅の3人の投手での継投だったが、春は山本大雅がベンチから外れ戦線離脱。それでも異なる多彩な投手陣を擁して層が厚い。
この投手陣をリードする強肩捕手の岡田啓助や守備範囲が広いキャプテンの伊勢谷譲二が守備の中心。打線は俊足の梶田蓮や長打力のある大川陽大、走攻守にポテンシャル高い岡田皓輝など好選手を揃える。控え捕手の東亮汰は強肩強打でその打撃力を買われて外野の守備に付き、スタメン出場があるなど控え選手にも強打者が多い。
■【松阪商】
最も不気味で注目したいのが松阪商。打撃力は県内1・2を争うほどの破壊力を持つ。高校通算40本超えの大原光陽が1番を打ち、高校通算5割超えの4番武田龍遥、高校通算30本超えの山西里空や藤崎智也など長距離打者を揃える。
不安視されてた投手陣ではあるが、エース露野勝太は最速135キロで球威もある。左の渡辺敢太は制球力が高い。秋春ともに県大会初戦敗退ではあったが、春の地区予選では三重を破り、ここ最近の夏の大会ではその存在感を発揮するほど夏には仕上げてくる。
機動力の松阪、プロ注目選手を擁する宇治山田商、今春8強の伊勢工
宮原 大樹(宇治山田商)
■【松阪】
同地区ながら三重が投手、松阪商が打線なら、松阪は機動力のチームと言える。上位から下位まで俊足の選手を揃え、走塁技術の高い遊撃手の双子の高口翔斗は攻撃では糸口を広げ守備範囲も広く、捕手の高口廉矢と中心選手。長打力のある脇田陽平、辻涼太、中村優斗のクリーンナップも勝負強くなってきた。投手陣は左腕の南平彩人、力のある直球を持つ西田巧などタイプの異なる4投手を揃える。
■【宇治山田商】
187センチで最速143キロとキレのあるスライダーでプロ注目の大型右腕の宮原大樹の状態が気になるところ。ここ最近では投手としてではなく、外野を守ることが多い。それでも右の岡野晃空、左の2年生・小川隼生など好投手が成長。守備ではプロ注目の遊撃手・中川拓紀を中心にセンターラインは固く安定している。打撃は出塁率の高い金川栄介、長打力のある中川拓紀や宮原大樹を中軸に置く。
優勝候補に挙げられるも秋春と初戦敗退に、村田治樹監督の指導の下、選手一人一人に自主性が出て来てチーム全体の調子も上昇している。
■【伊勢工】
期待したいのが伊勢工。目立った選手はいないが、チームの中心はエースで4番の南大河。制球力が高くテンポも良く、常に冷静で昨夏と今春のベスト8の立役者となった。打撃面でも勝負強く得点率が高いため、南の前にランナーを出したいのが重要。2011年以来の6年ぶりの甲子園を狙う。
その他の注目校は?
他にエースで4番を打ちキャプテンとしてチームの大黒柱である藤田夏輝、俊足の星有真などで春ベスト8入りした高田、2年生の奥村俊馬、最速138キロの鈴木貫太郎の投手陣で昨秋ベスト8の皇學館、直球に馬力があり春の県大会では昨夏代表のいなべ総合を相手に好投した山本雄登の三重明野など好投手を擁するチームが目立つ。
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