【福岡展望】本命・福岡大大濠を軸に、熾烈な代表争い！

三浦 銀二（福岡大大濠）

　福岡大大濠は、エース三浦銀二の安定感が際立つ。140キロ超の直球とスライダーをコーナーいっぱいに決め、ピンチにも冷静でスタミナも十分。センバツ後の公式戦でもまずまずの投球を見せており、死角が見当たらない。打線は一発のある古賀悠斗、東怜央を中心に切れ目がなく、内外野の守りも堅実。頭一つ抜けており、優勝候補の筆頭だ。

　東海大福岡は、右サイドハンドの13791を中心とした堅い守りで競り合いに強い。安田は直球の球速こそ120キロ台だが、スライダーを絡めながら両サイドをいっぱいに使った絶妙の投球を見せる。打線はつなぐ意識が強く、粘り強い。ただ、センバツ後の九州大会、招待野球で安田が打ち込まれているのが気掛かり。安田の出来が春夏連続出場のカギを握る。

　九産大九州は、左の吉田龍ノ介、右の村上幸人と完投能力のある2人を中心にした堅い守りで春の福岡大会を制した。吉田は直球と変化球の緩急をつけた投球術、村上は切れある直球とスライダーが持ち味。打線も権藤彩斗を中心に長打力もある。派手さはないが、堅実な試合運びを見せる。

　西日本短大付は、横尾忠孝、橋本真生、渡邊大海と大型打者が並ぶ中軸に破壊力があり、機動力を使った攻撃も見せる。投手陣は藤松亮輔、西大輔の2本柱。藤松はスライダー、西は縦に落ちる変化球を低めに集めて打たせて取る。

　夏4連覇を狙う九州国際大付は、エース前田隆誠がひと冬越して大きく成長し、左腕・森田勇翔らが控える投手陣の層は厚い。打線は山脇彰太、鳥井蓮ら昨夏の甲子園メンバーを中心に足を使った攻めを見せる。春の九州大会では初戦で大敗したが、例年夏にかけて大きくチーム力を伸ばしてくるだけに、今年も目が離せない。

　昨夏4強の真颯館は前チームの1～4番が残る。俊足強打の和知巧大、小技の利く櫻田晃生、長打力のある橋本龍二、高木渉と続く上位打線は県内屈指。左腕・末松剛は鋭いスライダーを低めに集め、大崩れしない。春は4強、4月の北九州市内大会は優勝するなど勝負強さも出てきた。一発逆転を狙う。

古川 修（筑陽学園）

　秋4強の筑陽学園は、登板を回避していた左腕エースの古川修が復活し、春も8強入り。4月の福岡地区大会でも優勝した。秋の躍進を支えた左腕・米井武瑠も控える投手陣を、勝負強い4番藤原悠太郎を中心とした打線が支える。

　昨夏準優勝の福岡工大城東は春8強、福岡地区大会も準優勝と調子を上げてきた。直球に力のある右腕・赤木優人、右サイドハンドの鶴澤裕也など複数の投手を抱え、守りからリズムを作っていく。打線は伊藤大祐、小園琉世ら俊足巧打の選手が多く、足を絡めた攻撃でしぶとく得点を重ねる。

　秋4強の小倉工は、4番・江口優斗を中心とした打棒が売り。北九州市内大会では4試合で39得点を叩き出した。秋は準決勝で東海大福岡・安田と投手戦を演じたエース橋本直樹は、伸びのある直球とスライダーを低めに集め、ピンチでも粘り強く投げる。

　春8強の東筑も左の強打者・水上尚を中心に長打力がある。投手陣では2年生の石田旭昇が急成長を見せており、招待野球では日大三を完封。右サイドハンドから、内外角に伸びのある直球を投げ込む。

　昨夏16強の福岡福島は秋も8強。春は初戦で敗れたが4月の筑後地区大会を制し、改めて力のあるところを示した。宮崎勇斗、後藤凌河らを軸に強打で畳みかける攻撃野球が特徴だ。内野手の後藤は抑えの切り札としてもマウンドに上がる。

　秋8強のチームでは、安定した制球力を誇る右サイドハンドの遠藤駿太を擁する久留米商が上位をうかがう。福岡八幡は、秋は堅守で勝ち進んだが、今年に入って打線も力をつけてきた。自由ケ丘は、春は初戦で、北九州市内大会も2回戦で敗れるなど、今年に入って公式戦で結果を残せていない。夏までにどこまで立て直してくるか。

　飯塚は4月の福岡中央地区大会優勝でシードを確保。選手層の厚さを生かして5年ぶりの頂点を狙う。昨夏8強の祐誠は秋春とも早々に敗れたが筑後地区大会で準優勝、5年連続の県大会（16強）を視野に入れる。春8強の古賀竟成館は機動力を生かした攻撃と堅守で、粘り強い。