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【新潟展望】頭ひとつ抜ける日本文理!中越、新潟明訓、関根学園など私学を中心にその背中を追う強豪校の戦い!

2017.06.20

 AKB48 49thシングル選抜総選挙で、新潟を拠点とするNGT48のメンバーが大躍進。中間発表で1位に輝いた荻野由佳が最終発表で5位に輝き、上位80人の中に10人もランクインするなど大活躍だった6月18日、今夏の新潟を熱くする第99回全国高等学校野球選手権新潟大会の抽選会が新潟テルサで行われた。ここでは、ベスト4までの道のりを4つのブロックに分けて、見どころ、注目校を紹介していこう。

■トーナメント表はこちらから

秋春Vの日本文理が中心のAブロック(トーナメント左上)

稲垣 豪人(日本文理)

 第1シードは、昨秋、今春ともに新潟県大会を制し、北信越大会ベスト4に進出した日本文理。主に中盤〜終盤に登場し安定感のある投球で試合を締める140km/h右腕・稲垣豪人(3年)、先発として試合を作る左腕・新谷晴(2年)の2人を中心に、ケガで戦列を離れ今春北信越大会から復帰した西村勇輝(3年)、今春はケガで登板のなかったが潜在能力の高い鈴木裕太(2年)ら投手陣の層は厚い。打者陣も、下級生のころから主軸を任されてきた川村啓真(3年)を中心に勝負強い松木一真(3年)、長打力が魅力の永田翔也(3年)らタレントがそろう。

 今春の新発田農戦のように一時6点のリードを許すなど、エンジンが掛かるのに少し時間が掛かるケースもあるが、1度つながり出すと1イニングに大量得点をあげるビックイニングを作るのもこのチームの大きな特長と言えるだろう。大井監督がこの夏を最後に勇退ということを発表しているだけに、選手たちの士気も高まっているようだ。

 この日本文理に対抗するのは、上越村上桜ヶ丘長岡大手か。上越はエース・高波力也(3年)を中心に秋ベスト4(準優勝の村上桜ヶ丘にサヨナラで惜敗)、今春は4回戦で新潟明訓に惜敗した実力校。終盤の失点を抑えれば上位進出が見えてくる。秋準優勝の村上桜ヶ丘は、核弾頭の増田慶太(3年)、中軸の久志田裕太(3年)ら経験豊富な選手が打線を引っ張る。遠藤壮真(3年)ら投手陣がどこまで粘れるかが鍵になりそう。

 長岡大手は、番場広野(3年)、堀健太(3年)、竹津颯斗(3年)らで形成される強力投手陣が魅力。前チームからレギュラーで投手陣を引っ張る浅野柊平(3年)のリードにも期待したい。

 1年生から4番に座り、現在エースで4番の森田豪(3年)擁する県内屈指の進学校・新潟も注目だ。

Bブロック(トーナメント左下)は関根学園と加茂暁星が中心に

西本 航紀(関根学園)

 Bブロックは今春ベスト4で北信越大会にも出場した関根学園と昨夏、下級生中心のチームながらベスト4と旋風を巻き起こした加茂暁星が中心。関根学園は、西本航紀(2年)、平野喜寛(2年)という両2年生右腕を中心とした投手陣が自慢。特にこの2人による継投は、2014年夏甲子園ベスト4の日本文理を最後の最後まで追い詰め準優勝に輝いた中村光希(当時2年)から樋口甲星(当時3年)への継投を彷彿とさせる。190cmと大柄ながら器用なバッティングを見せる荒井颯太(3年)を中心とした打線が、この投手陣をどこまで援護できるかがポイントと言えるだろう。

 加茂暁星は、昨夏獅子奮迅の働きでチームを4強に導いたエース・宮島拓斗(3年)が今春登板なし。だがその間に左腕の前野芳伎(3年)が台頭。今春4回戦の新潟高田商戦で完封、準々決勝の関根学園戦では2失点完投も打線の援護なくベスト8で姿を消した。エースの完全復活で前野と二枚看板を形成できれば今春以上の上位進出も見えてくる。主砲・遠藤莞生(3年)の打棒にも期待したい。

 他にも、右横手からキレのいい球を投げ込む渡邉一樹(3年)と強肩の捕手・皆川泰成(3年)のバッテリーに注目したい北越、昨春ベスト8左腕・中村佑斗(3年)擁する新津、今春ベスト16に入った新潟高田、長岡商にも注目だ。

[page_break:Cブロック、Dブロックの有力校は?]

新潟明訓が中心のCブロック(トーナメント右上)、プロ注目投手や強力打線が揃う

菊地 大稀(佐渡)

 このブロックは、第3シードの新潟明訓が中心。主将の部田隼平(3年)をはじめ伊藤新(3年)、伊藤皓紀(3年)という前チームからレギュラーだったメンバーを中心にそつのない攻撃を魅力。180cmを越える大型右腕・大薮和馬(3年)、荘司康誠(2年)の2人と技巧派左腕・田邉隼也(2年)ら投手陣も充実している。

 その新潟明訓の対抗になるのは、佐渡開志学園か。佐渡は、プロ注目の右腕・菊地大稀(3年)の存在が大きい。今春の大会ではプロスカウトの見守る中で自己最速を更新しMAX143km/h。まだまだ荒削りながらもハマったときの快投は強豪校を一泡吹かせる力を持っている。開志学園は、伝統の強力打線が自慢。昨年から登板機会に恵まれている信田悠太朗(3年)を中心とした投手陣がどれだけ失点を抑えられるかが鍵になりそうだ。ほか、2011年夏にベスト4に進出するなど勢いに乗ると、手が付けられなくなる白根も有力校。

3年連続甲子園を狙う中越など、実力校ひしめくDブロック(トーナメント右下)

澤中 京太郎(中越)

 第2シードの中越は、強力打線と投手陣の層の厚さが魅力。背番号1を付ける澤中京太郎(3年)は、須藤有哉星佳孝ら、上背がないもの(165〜170cm前後)の投球を低めに集める中越のエースの伝統とも言える力投型右腕。制球を乱すことがあり、須藤、星のように安定した投球を見せたいところ。この澤中をリリーフする山田叶夢(2年)は球の出所が見にくい変則左腕。今春の準決勝でも好ロングリリーフを見せただけに、右腕・村田侑大(3年)も含め、継投のタイミングが鍵になりそうだ。

 打線は長打力のあるバッターが多い。兄弟でクリーンアップを打つ坂井琢真(3年)・坂井翔太(2年)をはじめ、正捕手の小鷹葵(2年)も今春準決勝で試合を決めるツーランを放つなど勝負強い。投打共にバランスが良く、3年連続甲子園を目指せるチーム作りに余念がない。

 この中越に対するのは、エースで4番・成田仁(3年)を擁する五泉。成田をはじめ、川﨑諒(3年)ら下級生のころから試合に出ている選手が多く、その経験値を最後の夏に生かせるか。ほか、糸魚川白嶺はプロ注目の遊撃手・綱島龍生(3年)が打線を引っ張る。今春、日本文理相手に0対1で完投するも敗れたエース・穂苅海斗(3年)の重いストレートにも注目だ。

 また今春、2回戦で新潟明訓に1対2(サヨナラ)で敗れ、ノーシードとなってしまった新潟江南のエース・平野司(3年)は、身長185cmの大型左腕。130km/h台後半のキレのいいストレートでジャイアントキリングを巻き起こしたい。ほか、シード校の新潟高田、県内で安定した強さを誇る新潟県央工など実力校がそろった。

 秋、春連覇の日本文理を中心に、今年も群雄割拠の熱戦がよそうされる新潟大会。今年の熱戦は7月7日(金)、開会式での新潟県央工鈴木雄真主将の選手宣誓によって開幕し、23日(日)まで県内7球場で行われる。最後まで勝ち残り、甲子園へと勝ち進むのは一体どのチームなのか、早くも待ち遠しい。

(文・町井 敬史


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今年も全国各校の熱い想いを紹介!「僕らの熱い夏2017」

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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