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【決勝展望】史上初の大阪勢対決が実現!!勝負のポイントは?

2017.03.30

【決勝展望】史上初の大阪勢対決が実現!!勝負のポイントは? | 高校野球ドットコム
根尾昂(大阪桐蔭)、安田尚憲(履正社)

 19日から開幕した第89回選抜高校野球大会もいよいよ決勝戦を残すのみとなった。決勝戦は大阪桐蔭vs履正社と、史上初の大阪対決となった。

 新チームになってから、両校は公式戦で一度だけ対戦がある。それは近畿大会出場をかけた秋季大会準決勝だ。試合は履正社が主砲・安田尚憲の3ランなどもあり、7対4で勝利し、近畿大会出場を決めている。

 ここで両校の選抜での戦いぶりを振り返っていきたい。

 履正社は、初戦で日大三を破り、2回戦では市立呉に辛勝。準々決勝では、前年の選抜覇者・智辯学園に勝利して勢いに乗っていた盛岡大附と対戦するも、6対1で破った。さらに、準決勝では報徳学園に逆転勝利と、一戦勝ち進むごとに粘り強さが出ている。

 打撃のキーマン・安田 尚憲が準々決勝と準決勝の2試合で、5安打と当たっている。また、準決勝では高校通算50号本塁打を放った。4番若林 将平も勝ち越し適時打を放つなど、調子を上げてきている。エース・竹田 祐は変化球のコントロールが安定し、大崩れしない投球ができるのが強み。課題だった守備も、球際に強い守備をみせるなど、少ない失点が期待できる。

 一方、大阪桐蔭は、初戦の宇部鴻城を11対0で破り、2回戦では静岡に逆転勝利。準々決勝の東海大福岡戦では、相手エース・東海大福岡 安田大将の投球に苦しみながらも、4対2で接戦を制し、準決勝進出を決めた。続く、準決勝の秀岳館には、2対1で競り勝ちながらも、決勝戦までコマを進めた。

 エース・徳山 壮磨が、準々決勝から2試合連続で完投勝利するなど、エースとして一本立ち。決勝戦でも徳山の先発が予想されるが、試合展開次第では、2回戦の静岡戦で好リリーフを見せた根尾 昂の登板も十分に考えられる。

 打線では山本 ダンテ武蔵宇部鴻城戦で本塁打を放った大阪桐蔭 山田健太が好調。準々決勝以降、大阪桐蔭らしい豪打はないが、決勝戦では履正社の投手陣相手にどう立ち向かっていくのか注目したい。

 最後にセンバツ大会前の取材で聞いた両校の選手たちの意気込みを振り返っていきたい。

 まず大阪桐蔭の主将・福井章吾。今年は福井を中心にチームをまとめてきた。どんな大会にしたいのか?という問いに、
僕は甲子園で優勝して閉会式で優勝旗をもらって、それを持って、場内行進をしていることをイメージしています。主将をやっていると、つらい部分も多いですけど、それを乗り越えて『しんどいことばかりだったけど、やりがいがあったな』という思い出ができる大会にしたいですね

 次に履正社の主将・若林将平。若林は全国制覇を果たすために、より高いレベルでの野球に取り組んできたことを振り返ってくれた。若林は木製バットを使っての打撃練習で「最短・内回りでスイングする」を目標に、実戦練習を積み重ねてきた。その成果が、決勝の舞台で発揮できるのか、注目していきたい。

 そして、同じ大阪の強豪勢として、これまでしのぎを削ってきたPL学園。その野球部出身のなきぼくろ先生が描いている『バトルスタディーズ』(週刊モーニング連載中)では、現在、「強い者にはワケがある」企画で、全国の強豪チームを訪問し、その強さの秘密を探っているが、そんな中、先ほど、なきぼくろ先生からも大阪ダービーに向けて、コメントをいただきました!

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なきぼくろ先生のコメント
おー!明日の選抜高校野球決勝は大阪対決!
行かれへんけど。
大阪が誇る強豪ヘビー級マッチ!
行かれへんけど。
明日の試合に負けないぐらいの試合をマンガで描きたいとおもいます。
嗚呼DL!

 なきぼくろ先生が描いている「バトルスタディーズ」は、週刊モーニングで好評連載中!


 そして、今回も高校野球レポーター・芹 玲那さんから決勝戦の見どころについてコメントをいただいております!

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高校野球レポーター・芹 玲那さんの見どころ!
史上初の大阪対決となりました!
まさか甲子園でこの対決が実現するとは…!
この2校が前回対決したのは昨秋の近畿地区大会。
その時は履正社 7対4 大阪桐蔭で、履正社が勝利していますが、実力差はほとんどないと思います。
そして、センバツ現地レポートでも書きましたが、センバツは厳しい冬の練習を乗り越えてきた選手たちが成果を発揮する場所。
昨秋からの成長。そして、甲子園という舞台での再戦…どんな闘いを見せてくれるのか本当に楽しみです!
地元校同士の対決だからこそ、甲子園の雰囲気や応援がどうなるのかも注目ポイントですね!
試合の鍵となるのは、やはり投手でしょうか。
ここまで両エースが素晴らしいピッチングをしています!
今大会のここまでの成績は、
竹田祐選手(履正社)
防御率 2.18
登板数4回 投球回33回
被安打23 奪三振20 四死球7
徳山壮磨選手(大阪桐蔭)
防御率 1.16
登板数4回 投球回31回
被安打17 奪三振25 四死球10
“エース”として成長を続ける両投手が、相手打線をどこまで抑えられるのか。
そして、これまで甲子園を観戦する中で“強さのワケ”を探してきましたが、履正社大阪桐蔭の選手の姿からは“勝利”への意識の高さを感じたのです。
最後に残ったこの2校の闘いから、この答えも見つけ出せたらと思っています!

 さあ、第89回選抜高等学校野球大会決勝戦は、いよいよ明日3月31日(金)12:30から!春の王者に輝くのは、大阪桐蔭か、履正社か?

■選抜大会の情報をくまなくチェック!!
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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