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【準々決勝展望】ついに準々決勝!激戦が予想される4試合の見所を徹底解説!

2017.03.29

【準々決勝展望】ついに準々決勝!激戦が予想される4試合の見所を徹底解説! | 高校野球ドットコム
根尾昂(大阪桐蔭)

 3月19日に開幕した第89回選抜高校野球大会もついに準々決勝を迎えた。本日行われる準々決勝の見どころを紹介していきたい。前回に引き続き高校野球レポーター・芹 玲那さんから4試合の見どころについてもコメントをいただいております!

履正社(大阪)vs盛岡大付(岩手)

 履正社はここまで2試合、辛勝。まだ投打ともにピークに達していない状態だ。

 この試合のカギを握るのは3番安田尚憲、4番若林将平だ。2人が主軸にふさわしい活躍を見せた時、一気に打線は活気づくだろう。そしてエース竹田祐市立呉戦で見せたコーナーワークを意識したピッチングを発揮し、強力な盛岡大附打線を抑えて、最少失点に抑えていきたい。

 対する盛岡大附は、打線の状態がかなり仕上がっており、上位、下位ともに切れ目がなく、どこからでも長打が打てる怖い打線となっている。さらに代打起用、代走起用も当たっており、勝負所の選手起用にも注目だ。

 投手は、前年の選抜覇者・智辯学園で1失点完投勝利を挙げ、大きく自信をつけた三浦瑞樹、そして最速145キロ右腕・平松竜也もスタンバイ。万全の状態で、履正社打線に立ち向かう。

【準々決勝展望】ついに準々決勝!激戦が予想される4試合の見所を徹底解説! | 高校野球ドットコム
高校野球レポーター・芹 玲那さんの見どころ!
まず注目したいのが、竹田祐投手のピッチングです!
一回戦で強打の日大三打線から10奪三振。
二回戦(vs市呉)では2安打完封!
自己最速となる145キロを記録した昨秋の明治神宮大会決勝で感じたエースの貫禄。
このセンバツでさらに凄みが増しています!
マウンド上での立ち振る舞いにも是非注目して頂きたいです。
そして、打線も安田選手や若林選手を筆頭に強い選手ばかり。
球場で観戦していると、履正社はチームとして球場の雰囲気を変える力を持っているなと感じます。盛岡大附は、二回戦(vs智辯学園)で昨夏も甲子園を経験している背番号10・三浦選手が4安打1失点と好投!
さらにはエースナンバーを背負う平松投手もいます。
打線は選手たちのフルスイングがとても印象的!
ベンチの雰囲気も良く、盛岡大附の試合を観るのが楽しみになっています。
礼が深かったりと、高校球児として姿にも惹かれるチームです。
そんなところにも注目して見て頂きたい試合です!

報徳学園(兵庫)vs福岡大大濠(福岡)

 報徳学園はエース・西垣雅矢の投球がカギ。今大会、16回を投げて無失点の快投を見せており、この試合でも、少ない失点が期待できるだろう。また西垣をリードする篠原翔太も1.8秒台の強肩、西垣の持ち味を引き出す好リードが光る。打撃は1番小園海斗、2番永山裕真の俊足コンビ、3番片岡心、4番篠原と4人がキーマン。機動力を絡めて、先制攻撃を仕掛けていきたい。

 福岡大大濠は、エース三浦銀二が1人でここまで投げ抜いてきた。常に100の力を出すのではなく、普段は7割~8割。ここぞというときに、140キロ中盤の速球で相手打者をねじ伏せる投球。力の入れどころ、抜きどころがわかっている投手である。疲労はかなりのものだが、三浦らしい投球を見せれば、少ない失点が期待できる投手である。リードする古賀悠斗も、三浦の持ち味を引き出す好リードが光っており、自慢の強肩で俊足揃いの報徳学園野手陣にプレッシャーをかけていきたい。

【準々決勝展望】ついに準々決勝!激戦が予想される4試合の見所を徹底解説! | 高校野球ドットコム
高校野球レポーター・芹 玲那さんの見どころ!
今大会限りで勇退される永田監督に“笑顔を“と奮闘する「全員野球」の報徳学園
エース・三浦銀二選手の力投、投手を援護しようと奮起する野手陣の姿にチームの纏まりを感じる福岡大大濠。
“チーム力”はどちらも出場校の中でトップレベルだと感じます!
報徳学園のエース・西垣雅矢選手はここまで16イニング連続無失点と、甲子園でどんどん成長しているのではないでしょうか。
西垣・篠原バッテリーが福岡大大濠打線に対してどんなピッチングをするのか注目です!
打線も勢いがありますが、もう一つ注目して頂きたいポイントが岡本蒼主将。
スタメンではなかった前橋育英戦では、ベンチ前で選手たちに声をかけ、背中を叩いて力強くグラウンドへ送り出していたりと、チーム全体を見ている頼もしい主将です!
福岡大大濠は、三浦投手がここまでの三試合で475球。
疲労が心配ですが、昨日の再試合(vs滋賀学園)でも9回に140キロを越える気迫のピッチング!
「マウンドを誰にも譲りたくない」という正にエースタイプな三浦投手の投球からは目が離せません。
福岡大大濠はアルプスの応援もすごいので、こちらも観戦の大きな楽しみですね!


健大高崎(群馬)vs秀岳館(熊本)

 健大高崎は、ここまで3試合、28得点と強打の健大高崎として甲子園で大暴れを見せており、秀岳館投手陣を十分に打ち崩す可能性は持っている。そして3試合すべて継投策を行っており、試合状況に応じた継投策にも注目だ。

 秀岳館打線は、俊足の半情冬馬がチャンスメイクに徹し、長打力のある木本凌雅廣部就平が還すパターンをしっかりと確立させた。投げては、川端健斗田浦文丸の両左腕が健大高崎打線をどう抑えるのか。コーナーを突く制球力がカギとなりそうだ。

 お互い総合力が高く、試合終了まで手に汗握るゲームが期待できそうだ。

【準々決勝展望】ついに準々決勝!激戦が予想される4試合の見所を徹底解説! | 高校野球ドットコム
高校野球レポーター・芹 玲那さんの見どころ!
“次は何を仕掛けてくるんだろう”と観ている人を惹き込んでいく。
そんな両校が準々決勝で対決!
個人的には準々決勝で一番気になるカードです!
投手層が厚く、打撃も力のあるチーム同士の試合だからこそ、どこで試合の流れが変わるのか分からない。
終始見逃せません!
そして、私が注目して見たいのはベンチワーク。
秀岳館の選手たちは体格といい、落ち着きといい、高校生離れしています。
一方、健大高崎は、活気溢れるチーム!
両チームとも色は違うけれど、“強さの秘訣”はここにもあるはず。
能力の高い選手たちがどうチームとして纏まっているのか、注目ポイントです!

東海大福岡(福岡)vs大阪桐蔭(大阪)

 早稲田実業を破った東海大福岡は、打線の状態がかなり上がっており、140キロ台を投げ込む投手が多く揃っている大阪桐蔭投手陣を攻略する可能性は十分にある。そしてここまで2試合完投のエース・東海大福岡 安田大将は、自分のテンポでどんどん投げ込んで、狙い球を絞らせない投球を見せていきたい。

 対する大阪桐蔭静岡に逆転勝ちしたことで、勢いが付いた感がある。自慢はベンチ入り全員が140キロを投げられるハイレベルな投手陣。しかし静岡戦で8失点を喫し、不安要素はある。投手陣の力を発揮するためにも、得意の先制攻撃で、試合の主導権を握り、さらに守備でもしっかりと盛り立てていきたいところ。投手陣はこれまでの2試合の反省を生かして、最少失点で試合を作っていきたい。

【準々決勝展望】ついに準々決勝!激戦が予想される4試合の見所を徹底解説! | 高校野球ドットコム
高校野球レポーター・芹 玲那さんの見どころ!
九州大会では3試合連続逆転1点差で勝利し、甲子園では粘り強さだけでなく、打線の強さも発揮!
早稲田実業に勝利して勢いがある東海大福岡
毎試合、選手層の厚さを感じさせ、この学校も球場の雰囲気を変える力を持っているでしょう!大阪桐蔭
大阪桐蔭打線も脅威だと思いますが、東海大福岡のエース・安田選手が前試合、清宮幸太郎選手と対戦して得たものはすごく大きいと思います。
安田選手らしい、自分のピッチングをしてくれることに期待したいです!
また、東海大福岡はベンチもアルプスも元気いっぱいなので、選手ひとりひとりがチームのためにしていることを是非見つけてみて下さい!
大阪桐蔭は、アップの時から注目してみてほしいですね。
グラウンドへの挨拶からノック、そして試合中まで、礼儀や野球に対する意識の高さが感じられます。
根尾昴選手をはじめ、新2年生中心のチームですが、後輩が伸び伸びとプレー出来ているのは大阪桐蔭ならではのチーム作りもあると思います。
試合を観ていく中で、その秘密も探っていきたいです!

(文・河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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