【2回戦展望】ベスト8に勝ち進むのはどこだ?ハイレベルな試合が続く2回戦8試合の観戦ポイントは?
三浦銀二投手(福岡大大濠)
3月19日に開幕した第89回選抜高校野球大会もいよいよ2回戦に突入!準々決勝進出をかけて、本日25日から27日まで、2回戦8試合が行わる。その見所を紹介したい。高校野球レポーター・芹 玲那さんから気になった試合の見どころについてもコメントをいただいております!
履正社、智辯学園の近畿勢や一気に優勝候補に躍り出た福岡大大濠に注目!
市立呉vs履正社
延長戦の末、初勝利を飾った市立呉と、日大三相手に打力で圧倒した履正社との対戦。市立呉は、初戦同様、粘り強い試合運びで履正社を追い詰めていきたい。エース・池田吏輝が、打たせて取る投球で、流れを引き寄せられるか。
履正社は、強打の1番・石田龍史が好調。石田には、チャンスメイクだけではなく、ポイントゲッターとしての役割をこなすことを期待したい。
1回戦で1安打に終わった3番・安田尚憲が復調すると、初戦以上の爆発力を見せるだろう。
投手陣は市立呉のしぶとい攻撃をしのぐ投球を見せることができるか。また、ミスで市立呉に流れを渡さないように、安定した守備で盛り立てていきたいところだ。
高校野球レポーター・芹 玲那さんの見どころ!
履正社は秋の勢いもありますし、初戦で優勝候補・日大三を破ってさらに勢いに乗っていると思います。市立呉は持ち味である粘り強い野球でどこまでくらいつくのか楽しみですね!
智辯学園vs盛岡大附
1回戦では最速149キロ右腕・山口翔を攻略し、勝ち上がった智弁学園。機動力を絡めたり、狙い球をしっかりと絞って打ち返すなど、相手投手を攻略するためには何をするべきなのかが徹底されている。主力打者・福元悠真、太田英毅の活躍にも注目していきたい。エース・智辯学園 松本竜也は、ストレートとフォークのコンビネーションをしっかりと絡めて勝負できるか。
一方、盛岡大附は、10得点を奪ったように強打が自慢。植田拓、比嘉 賢伸、松田 夏生など一発を打てる打者が揃う。速球にめっぽう強く、変化球に対しても、しっかりと対応できる技術が備わった選手が多い。
投手陣では平松竜也、三浦 瑞樹は制球に不安を残す出来となった。初戦と同じ内容だと乱打戦になる可能性がある。
高校野球レポーター・芹 玲那さんの見どころ!
去年のエース・村上君からエースナンバーを受け継いだ松本君が凄いと思いました。村上君は去年も投げて打っての活躍でしたけど、その松本君はタイムリー安打を打ったところを見て、そういうところまで受け継いでいるのかなと思っています。
今年の智辯学園はチーム力の高さもそうですけど、連覇するモチベーションの高さ、熱量の高さが感じられました。
盛岡大附はリードされても、逆転してやるんだ!という絶対に諦めず、粘り強い野球をするチームと印象を受けました。お互い初戦とは違う試合展開になると思っていてとても楽しみなカードになると思っています。
報徳学園vs前橋育英
1回戦で21得点を奪った報徳学園は投打ともに状態が上がっており、さらに初戦で5安打を打った永山裕真はチーム一の俊足で、盗塁も仕掛けられる。エース・西垣雅矢は昨秋よりも力強い速球、切れのある変化球を投げ込んでおり、さらに打ちにくい投手へ成長した。
前橋育英は、左腕の丸山和郁、右腕の皆川喬涼、根岸崇裕の3本柱は強力。さらに内外野ともに守備は堅く、エラーでの失点は少ない。打線は1番を打つ丸山や、4番を打つ飯島大夢と勝負強い打者が揃っている。このチームの強みは終盤での強さ。関東大会では2試合続けて逆転勝利を果たしている。
終盤までロースコアの勝負が予想されるゲームになるが、どちらがチャンスをものにするのか?試合終盤まで見逃せない一戦になるだろう。
福岡大大濠vs滋賀学園
福岡大大濠のエース・三浦銀二は1回戦では最速146キロを計測。スタミナも十分で、この試合も、完投が期待できる。打っては、創志学園戦で、二打席連続本塁打を放っている樺嶋竜太郎など下位打線を中心に当たっている。あとは、無安打に終わった3番古賀悠斗(3年・捕手)、4番東怜央が真価を発揮すれば、さらに怖い打線となる。
滋賀学園は東海大市原望洋戦で先発して、延長14回を完投した棚原孝太は、フルで投げさせるのは難しいことが考えられ、エース・神村月光の完全復活が勝利のカギとなる。
下級生時代から好投手として注目されてきた2人の投げ合いを実現し、最後までロースコアの勝負を展開することを期待したい。
高校野球レポーター・芹 玲那さんの見どころ!
福岡大大濠は、グラウンドに立った雰囲気からして貫禄があると思いました。
初戦を振り返ると、8番樺嶋君の二打席連続本塁打には驚かされました。この試合は3番の古賀君、4番東君に注目していたのですが、いきなり樺嶋君にホームランが出たと思ったら、創志学園のエース・難波投手から打ったと思って、さすがだなと思います。ますます見逃せません!
[page_break:秀岳館vs作新学院、福岡大大濠vs滋賀学園など好カードが目白押し!]
秀岳館vs作新学院、福岡大大濠vs滋賀学園など好カードが目白押し!
最速146キロを計測した川端健斗(秀岳館)
秀岳館vs作新学院、福岡大大濠vs滋賀学園など好カードが目白押し!
健大高崎vs福井工大福井
健大高崎は機動力を仕掛けなくても、相手が自滅するほどのインパクトをこの数年で与えてきた。この試合でも要所でかき回したり、強攻策を仕掛けたりと、硬軟織り交ぜた攻撃が展開できるだろう。
またエースの伊藤 敦紀は、右横手投げでも、シンカーをうまく使い、左打者相手にも強さを発揮しており、強打の福井工大福井相手にも好投が期待できるだろう。終盤にも最速144キロの速球を投げ込む小野大夏が控えており、しっかりとゲームプランニングができるチームで、福井工大福井は健大高崎のペースにさせないために自慢の強打を見せていきたい。
仙台育英に逆転勝利したことで、チームとして勢いにのった感がある。強打の1番・北川智也、本塁打を放った山岸旭などの強打者を中心に点を重ねることができるか。初戦で好投を見せた左腕の摺石達哉が、引き続きキーマンとなるだろう。
福井工大福井は、ある程度の失点は覚悟してあるはず。「取られたら、取り返せ!」の方針で健大高崎に挑んでいきたい。
高校野球レポーター・芹 玲那さんの見どころ!
今年の健大高崎は今までと印象が違って、打線もすごいので、どういう試合展開になるのか楽しみです。福井工大福井も仙台育英に逆転勝利した打力が凄いですし、とても楽しみな一戦です。
秀岳館vs作新学院
昨夏の甲子園ベスト4・秀岳館と昨夏の甲子園優勝チーム・作新学院の対決。今年も総合力の高いチームを作り上げ、ハイレベルな戦いが期待できる。
秀岳館は投打ともに強力なチーム。1回戦では最速146キロ左腕・川端健斗が好投を見せたが、作新学院戦ではエース・田浦文丸の登板が予想される。140キロ中盤の速球、切れ味鋭い変化球がどこまでに作新学院打線に通用するのか。
打者は1番半情冬馬、3番木本凌雅、4番廣部就平、奈良高田商戦で満塁本塁打を放った幸地竜弥と好打者が実に多い。
作新学院は上位下位まで切れ目のない打線が特徴。俊足巧打の核弾頭・鈴木萌斗、1回戦では本塁打を打てばサイクル安打だった中島 淳がキーマンとなるだろう。左腕・大関 秀太郎は昨秋よりも球威・球速が増し、投手としてワンランクレベルアップ。対応力が高い秀岳館打線でも苦しむことが予想される。
東海大福岡vs早稲田実業
東海大福岡はエースの東海大福岡 安田大将は初戦に続き、狙い球を絞らせない投球を見せることができるか。また内外野の守備も重要で、ミスで余計な進塁を許し、流れを与えるような試合展開は避けていきたい。そして打線は少ないチャンスをモノに勝負強さを見せることができるか。
早稲田実業は試合巧者・明徳義塾との初戦を制したことで、チームとしてレベルアップ。怪物・清宮幸太郎、野村大樹の両スラッガーは、初戦と比べると、リラックスした状況で打席に臨めることが考えられ、持ち味である豪快な打撃ができるだろう。そして3安打を放った橘内俊治、4打点を記録した野田優治と下位打線に巧打者がいるのがこのチームの強み。
東海大福岡は早稲田実業のペースにさせないよう、早めに先制点を奪って接戦に持ち込んでいきたいところだ。
静岡vs大阪桐蔭
静岡はエース・池谷蒼大は7回無失点の好投を見せたように、安定感抜群。打線も、上位下位切れ目のない打線となり、チームとして隙がなくなりつつある。試合のカギは初戦を経験したエースの池谷がどこまで調子を上げていけるかだろう。
巨大戦力・大阪桐蔭が前評判通りの力を発揮して、11対0で圧勝。特に素晴らしいのは、投手力。登板した3投手とも140キロ台を計測し、全国トップクラスの投手陣であることを示した。打線は一発を打てる打者が揃っているが、振り回し気味な打撃になっている選手がいるのが気になるところ。これまで大阪桐蔭は好左腕に苦しむ試合になることが多いだけに、しっかりとひきしめて行きたい。
ここまで高いレベルでひしめきあった大会となっており、どこが優勝をしていてもおかしくない大会となっている。ぜひ2回戦では1回戦以上にハイレベルな戦いを見せてくれることを期待したい。
(文・河嶋 宗一)
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