20日開幕の鹿児島大会展望!上位進出のカギは「投手力」!!
第140回九州地区高校野球大会鹿児島県予選の組み合わせ抽選会が3月5日、鹿児島市の鶴丸高校文化館であり、連合3チームを含む76校67チームの対戦カードが決まった。
大会は20日に開幕し、4月3日まで(※準決勝前日の4月1日は休養日)、鹿児島市の[stadium]県立鴨池[/stadium]、[stadium]鴨池市民[/stadium]、姶良市の総合運動公園野球場の3球場で春の九州大会を目指した熱戦が繰り広げられる。開会式の選手宣誓は鶴丸の平田 駿人主将(2年)が務める。今大会の優勝、準優勝校が九州大会(4月22日―27日・沖縄)に出場する。
抽選会では、昨秋優勝のれいめいが第1、以下鹿児島実、武岡台、神村学園、鹿児島工、鹿児島城西、出水、鹿屋中央、8強以上の成績を残した8校がシードされ、残りチームがフリー抽選で対戦カードが決まった。優勝争いはtれいめい、鹿児島実、神村学園、鹿児島城西、鹿屋中央の強豪私学に武岡台、出水、鹿児島工の県立勢がどう絡んでくるかの展開になりそう。昨秋はどのチームも絶対的な力を持ったエースが不在で、上位チームも継投で勝ち上がった印象が強かった中、投手力がどれだけ上がったか。パートによってはノーシードからでも十分に勝ち上がるチャンスはある。組み合わせを4つのパートに分けて、大会の展望を予想してみた。
れいめい-鹿屋中央パート
中 鼓鉄(れいめい)
昨秋の覇者・れいめいは中 鼓鉄(2年)―山名 浩伸主将(2年)の奄美大島出身バッテリーに、4番・尾堂 吉郎(2年)を中心とする強力打線を擁して九州大会8強と、センバツに選ばれてもおかしくない実績を残した。守備が安定すれば夏に向けて更に足場が固まる。秋の大隅地区覇者・鹿屋工との初戦は要注意。
鹿屋中央は左腕・鈴木 勇斗(2年)ら完投能力のある投手が複数いる。リードオフマン・篠田 大聖(1年)から始まる打線も上位にそん色ない力がある。こちらも同じ大隅地区の強豪・尚志館との初戦が組まれており、気が抜けない。鹿児島商―鹿屋農、鹿児島国分―鹿児島川内、鹿児島甲南―鹿児島池田、伊集院―加世田と好カードが多い。昨秋ベスト16で神村学園と延長戦で競り合った鹿児島大島、鹿児島南、加治木など潜在力のあるチームが数多く名を連ねている。
鹿児島工-神村学園パート
俵森 大輔(神村学園)
第4シード神村学園の実力が頭一つ抜ける印象。1年生左腕・俵森 大輔を筆頭に実力のある投手を豊富に擁し、田中 怜央那(2年)、島中 大輔(2年)、羽月 隆太郎(1年)ら昨夏を経験したメンバーも多い。「野球を楽しむ」という新たな境地を開拓した小田 大介監督のもと、王座奪還を虎視眈々と狙う。
第5シード鹿児島工は夏秋連続で8強入りし、往年の勝負強さを取り戻しつつある。近年数多く対決して好勝負を繰り広げている鹿児島情報との初戦をものにして更なる上位を目指す。渕上 陽人(2年)、太田 俊亮(2年)の好右腕2人を擁する出水中央、昨秋ベスト16の鹿児島はノーシードながら気になる存在。曽於、加治木工、鶴丸、種子島などの県立勢がどれほど地力をつけたかも注意したいところだ。
武岡台-鹿児島城西パート
宮田 悠希(武岡台)
昨秋27年ぶりに県大会4強入りを果たした武岡台は、4番で主将の永井 千尋(2年)を中心に高打率で打ち勝ったイメージが強いが、本来は投手を中心に守り勝つ野球がスタイル。安定感のある1年生右腕・宮田 悠希だけでなく、2年生投手陣がレベルアップすることや、走塁など細かい野球を徹底できるかなどをテーマに冬場のトレーニングに励んだ成果が試される。
第6シード鹿児島城西は、昨秋準優勝・鹿児島実に1点差で惜敗しており、潜在力は上位チームにそん色ない。一皮むけるきっかけをこの春に作りたいところだ。折尾 昂靖主将(2年)、宮下 賢(2年)ら夏の甲子園を経験したメンバーを擁しながらも、昨秋は3回戦でまさかの敗退を喫した樟南はバッテリーの整備が急務。薩南工、枕崎、鹿屋などの地方県立校が番狂わせを演じられるか。
出水-鹿児島実パート
瀬川 慶(鹿児島実)
往年の輝きを取り戻しつつある第2シード鹿児島実は、昨秋の九州大会で優勝した福岡大大濠と準々決勝で接戦を演じ、センバツの補欠校にも選ばれた。昨夏と大幅にメンバーは入れ替わったが、個々の実力は高い。打線は相手に応じていくつものパターンを組むことができ、得点力もある。課題は柱になるエースが出てくること。左腕・瀨川 慶(2年)、吉村 陸矩(1年)、立本 颯(1年)ら豊富にいる投手陣の成長がカギになりそう。
第7シード出水は好左腕・濵島 優真(2年)を中心に粘り強さが身上。地方県立校の意地を見せたい。昨秋はまさかの初戦敗退だった国分中央も、実力的には上位にそん色ないことをこの春に示したい。昨夏ベスト4経験者を残す志布志や、昨秋ベスト16の徳之島、沖永良部の奄美勢にも注目したい。
(文・政 純一郎)
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