役者たちが期待通りの活躍を見せた神宮大会!履正社は2014年選抜の雪辱を果たすことができるか?
■役者たちが期待通りの活躍を見せた神宮大会!履正社は2年前の雪辱を果たすことができるか?
履正社の初優勝で閉幕した第47回明治神宮野球大会。今シーズン最後の大舞台を高校野球ドットコムで取り上げた選手たちの特別インタビューに触れながら、この大会を振り返ってみたい。
■「東の清宮・西の安田」
今大会の注目は、高校通算75本塁打の清宮幸太郎(早稲田実業)、履正社で高校通算43本塁打の主砲・安田尚憲。2017年度の高校生を代表するスラッガー2人が神宮大会に登場し、早くも報道陣は「東の清宮・西の安田」と盛り上げた。開会式後の囲み取材に応じた清宮は安田について質問された時、「安田君に負けない活躍をしたい」と対抗心を燃やしていた。そんな清宮 幸太郎は同大会では7打数5安打7四死球と大活躍を見せた。しかし決勝戦・履正社との打撃戦の末、6対11で早稲田実業は敗れた。
安田は過去3試合で一発が出ずに苦しんでいたが、3回表に打った瞬間豪快な本塁打を放ち、観客を沸かせた。約20年以上前の1995年。現在、阪神タイガースで活躍する主砲・福留孝介(PL学園)、銚子商を選抜準優勝に導いた澤井良輔(銚子商)が甲子園で活躍を見せた時は、周囲は2人のスター性を見て、「西の福留・東の澤井」と呼んだが、清宮と安田の関係はまさにこれに近い。この2人が来年、高校野球を盛り上げるパフォーマンスを見せてくれるか大いに注目したいところだ。
都大会、神宮大会で猛打を見せた早稲田実業打線をゼロに抑えた、履正社のエース・竹田 祐は、今大会20.1回を投げてわずか1失点の好投。この投球により竹田は今世代を代表する投手と印象付けた。清宮はこのような投手と対戦できたことは、チームにとっても自分にとっても神宮大会の経験はすべて価値のあるものだったとコメントしている。
また、清宮・安田と同様に注目を集め、早稲田実業を神宮大会決勝に導いた1年生の野村 大樹は、夏の大会後に3つの取り組みと配球を読む能力を磨き、1年生離れした活躍を見せた。ここまで高校通算24本塁打は1年生の時の清宮を上回っており、来年も清宮とともに「KN砲」が甲子園の舞台で炸裂するか注目だ。
■野手豊作の今大会
清宮と安田の競演で沸いた今年の神宮野球大会であったが、その他の出場チームも全体的にレベルの高い野手・打者が揃っていた。
本塁打を放った古賀 悠斗(福岡大大濠)や、数々の美技を披露し、神宮をどよめかせた天才ショートストップ、宇部鴻城の嶋谷 将平もそのうちの一人だ。
投手では、東北地区ナンバーワンピッチャー・長谷川 拓帆(仙台育英)、クレバーな投球術で神宮4強入りを果たした、ミスター完封・三浦 銀二(福岡大大濠)などが、野手豊作と言われる中で一際目立つ活躍を見せてくれた。来シーズンでは、さらなる成長で盛り上げてくれることを期待したい。
■近年の明治神宮大会優勝チームの選抜での実績
明治神宮大会優勝チームを果たしたチームは選抜ではどんな実績を残しているのだろうか。過去5年のデータを見てみよう。
2011年:光星学院 準優勝
2012年:仙台育英 ベスト8
2013年:沖縄尚学 ベスト8
2014年:仙台育英 2回戦
2015年:高松商 準優勝
4チームがベスト8以上に進出している。そのうち2回が甲子園準優勝なのだから、秋の日本一チームは、選抜でも期待が持てるといえる。今年の履正社は相手を寄せ付けない力強い戦いぶりができており、選抜の躍進に期待がかかる。前回出場の2014年は甲子園準優勝に終わっただけに、なんとしてもそのリベンジを果たしたいところだ。今年、履正社の戦いを春から見続けてきたが、選手は結果を残しても全く驕りがなかった。そういう姿勢が二季連続の近畿制覇、国体優勝、神宮大会優勝につながったのだろう。それだけに履正社の戦いぶりは見逃せない。
そしてもう1つ見逃せないデータがある。2012年~2016年までの5年間、神宮大会出場チームが優勝したケースは(2013年、2014年、2015年)と3度ある。それだけに残りの9チームの選抜での戦いぶりにも注目していただきたい。
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