今年はU-18投手陣は史上最強の投手陣!過去5年の投手陣と徹底比較!
今年のU-18は、史上最強の投手陣になるかもしれない!恐らく今回メンバー入りした8名は将来プロ入りするのではないかと思うほど、すごいメンバーが揃った。今回は、過去の代表メンバーと比較し、当時の選手たちの力量と今年、選ばれたメンバーについて考察してみたい。
潜在能力は非常に高い投手が多かった2011年、大谷、藤浪と特Aクラスがいた2012年
吉永 健太朗(日大三)
■2011年
・吉永 健太朗(日大三-早稲田大-JR東日本)
・原 樹理(東洋大姫路-東洋大-東京ヤクルト)
・釜田 佳直(石川金沢-東北楽天)
・歳内 宏明(聖光学院-阪神)※関連記事
・松本 竜也(英明-元巨人)
・北方 悠誠(唐津商-横浜DeNA・福岡ソフトバンク・群馬ダイヤモンドペガサス・愛媛マンダリンパイレーツ)
・野田 昇吾(鹿児島実-西濃運輸-埼玉西武ライオンズ)
7人中4人が高卒プロ入り。また大学・社会人経由で原と野田がプロ入りしている。能力的には素晴らしくドラフト時の評判も高かったが、プロ入り後は苦しんでいる投手が多く、実績を残しているのは一軍で通算57試合登板の歳内や通算15勝を挙げている釜田だろう。高卒プロ入り志望すれば、間違いなく上位指名されていたであろう吉永の今後の活躍にも期待したい。
大谷 翔平(花巻東)
■2012年
・大谷 翔平(花巻東-北海道日本ハム)※関連記事
・岡野 祐一郎(聖光学院-青山学院大)
・浦和学院佐藤 拓也(浦和学院-立教大)
・神原 友(東海大甲府-東海大)
・濱田 達郎(愛工大名電-中日)
・藤浪 晋太郎(大阪桐蔭-阪神)
・大塚 尚仁(九州学院-東北楽天)
この代で高卒プロ入りした選手は4名いる。大谷は二刀流として球界に革命を起こしている。そして藤浪は阪神のローテーション投手として活躍。また濱田は一軍で通算5勝14敗となっており、一軍定着を目指している。また大塚は現在までで通算5試合登板にとどまっているが、濱田と大塚、この2人がどれだけ活躍できるか。また佐藤は野手としてプロ入りがかかっており、岡野、神原も大学球界で一定の活躍を見せている。
まさに精鋭ぞろいの2013年、奮起を期待したい2014年
松井 裕樹(桐光学園)
■2013年
・飯田 晴海(常総学院-東洋大)
・松井 裕樹(桐光学園-東北楽天)※関連記事
・山岡 泰輔(瀬戸内-東京ガス)
・田口 麗斗(広島新庄-巨人)
・高橋 由弥(岩国商-駒沢大)
・髙橋 光成(前橋育英-埼玉西武)※関連記事
・安樂 智大(済美-東北楽天)※関連記事
この世代はまさに精鋭ぞろいだ。東北楽天のクローザーに君臨している松井、巨人のローテーション投手で今年9勝を挙げている田口、高卒2年目ながら埼玉西武のローテーション投手の座についている髙橋光。そして東北楽天の若きエース候補の安樂と、楽しみな投手がいる。髙橋光、松井、安樂はドラフト1位指名。さらに東京ガスに進んだ山岡も今秋のドラフトでは1位候補に挙がっており、まさに精鋭ぞろいのメンバーといえるだろう。
髙橋 光成(前橋育英)
■2014年
・岸 潤一郎(明徳義塾-拓殖大)※関連記事
・森田 駿哉(富山商-法政大)
・山城 大智(沖縄尚学-亜細亜大)※関連記事
・飯塚 悟史(日本文理-横浜DeNA)※関連記事
・高橋 光成(前橋育英-埼玉西武)
・小島 和哉(浦和学院-早稲田大)※関連記事
プロ入りしたのは先述した髙橋光と飯塚のみ。飯塚は2年目でファームのローテーション投手として投げており、3年目には一軍定着も期待できそう。ただ東京六大学リーグで先発として活躍している小島や、期待の本格派左腕・森田がいるが、これまでのメンバーと比べると物足りなさを感じるのは否めない。山城、岸、森田、小島もぜひこれからの2年間で飛躍することに期待したい。
左右のナンバーワンがいる2015年、そして2016年!
小笠原 慎之介(東海大相模)
■2015年
・佐藤 世那(仙台育英-オリックス)※関連記事
・成田 翔(秋田商-千葉ロッテ)※関連記事
・高橋 樹也(花巻東-広島)
・小笠原 慎之介(東海大相模-中日)※関連記事
・上野 翔太郎(中京大中京-駒沢大)※関連記事
・髙橋 純平(県立岐阜商-福岡ソフトバンク)※関連記事
・森下 暢仁(大分商-明治大)※関連記事
・勝俣 翔貴(東海大菅生-国際武道大)※関連記事
プロ入りした中には右のナンバーワン投手・高橋純、左のナンバーワン投手・小笠原がおり、他にもドラフト3位の成田、高橋樹の左腕コンビやフォークがウリの佐藤世がいて、個性的で実力のあるメンツだった。小笠原は10試合を投げて0勝5敗だが、40イニングを投げていることは評価できるだろう。高橋純は6試合を投げて2勝1敗、防御率2.70。最速も154キロまで伸ばしていることを考えると将来のエース候補として期待がかかるだろう。佐藤世はファームで先発として4勝を上げており、先発投手としてしっかりと実力を磨いている。成田は4試合を投げて、防御率5.68と苦しんでいる様子。高橋樹も5試合で1勝1敗、防御率4.43だった。プロの壁に味わいながらも順調にステップアップしていることが伺える。また大学に進んだ選手にはこの大会で最優秀防御率を獲得した上野や、投手登録ながら野手に専念し、二冠王となった勝俣もいて面白いメンツであった。人材のレベルでは2011年、2013年に匹敵するメンバーであった。
藤平 尚真(横浜)
そして2016年。
・今井達也(作新学院)
・藤平尚真(横浜) ※関連記事
・島孝明(東海大市原望洋) ※関連記事
・寺島成輝(履正社) ※関連記事
・高橋昂也(花咲徳栄)
・早川隆久(木更津総合) ※関連記事
・堀瑞輝(広島新庄)
・藤嶋健人(東邦) ※関連記事
この中でドラフト1位候補に挙がっているのは今井、藤平、寺島の3人。上位候補は島、高橋、また野手として評価が高い藤嶋、そして進学志望だが、もしプロ志望届を出せば上位指名は間違いないといわれる早川。最速152キロのストレートとキレ味抜群のカットボールを投げるだけではなく、終盤でも球速が衰えない今井、最速152キロのストレートと落差抜群のフォークを投げる藤平、最速153キロのストレートとキレ味鋭いスライダーを投げ込む島と150キロ超えの3投手がいて、さらに140キロ前半のストレートと多彩な変化球で勝負する早川、左スリークォーターから140キロ後半の速球と独特の曲りをするスライダーを投げ込む堀、最速148キロのストレートとカットボール、フォークで勝負する寺島、150キロ近い速球とフォークで三振を量産する高橋昂。例年ならばエース候補に挙がる実力を持った投手がごろごろいるわけである。
また藤嶋は好調時ならば145キロ前後の速球とカットボールで勝負する実戦派右腕。野手としての人気も高い選手だ。今まで見てきてこれほど能力が高い投手陣が揃った年もそうはいない。
今回、代表に選ばれてもおかしくない最速154キロ右腕・髙田萌生(創志学園<関連記事>)が漏れたことからも、今年は投手豊作年であることがわかる。そういった中から選りすぐりの8人を選んだのだから、レベルが高くて当然である。あとは前評判通りの実力を台湾の舞台で示すだけだ。
(文・河嶋 宗一)