【準々決勝展望】秀岳館vs常総学院など準々決勝4試合はすべて見応え満載!
第98回高等学校野球選手権大会もベスト8が出揃った。今年は関東3、北海道1、東北1、四国2、九州1という内訳になった。関東勢の強さが際立つが、10年ぶりに北海道勢がベスト8に進出したのは喜ばしいことである。そんな準々決勝の見所を紹介していきたい。
左:鈴木昭汰(常総学院)、右:九鬼隆平(秀岳館)
第1試合 常総学院(茨城)vs秀岳館(熊本)
強打、バント、機動力と攻めが多彩な常総学院。そして破壊力ある打撃が自慢の秀岳館。常総学院で気になるのはエース・鈴木昭汰の疲労状態。ここまでエースが先発せず、序盤に5点を取られて負けてしまうチームがあるだけにエースの起用は当然あるだろう。ただ秀岳館は、走れるのが強みで、鈴木にとっては足も警戒しなければならない状況となっている。状況に応じた投手起用も鍵を分けそうだ。
秀岳館は投手陣の駒数が豊富。ただここまで好投手相手でも打ち崩しているチーム。直球に強い打線でもあるので、最初はうまく交わせる投手が先発になりそうだ。チームに勢いを持たせる意味で、エース・有村大誠の今大会初先発も考えられ、鍛治舎監督の投手起用も1つの注目ポイントといえるだろう。
第2試合 鳴門(徳島)vs明徳義塾(高知)
四国勢同士の対決となった。ちなみに両校は春の四国大会で対戦が実現しており、3対2で明徳義塾が制している。つまり手の内を知っているだけに細かい駆け引きが行われそうだ。
鳴門は勝ち進むごとに打線の破壊力が増してきており、上位、下位からでも点が取れるようになってきており、エース・河野竜生も粘り強い投球ができるようになった。狙い球を逃さず、積極打法で攻略をしていきたい。
明徳義塾は攻撃パターンが多く、さらに上位打線を中心に打線がつながってきているのは好材料だ。投手陣については、突出した能力を持った投手がいないため、継投策も十分に考えられる。ここは正捕手・古賀優大のインサイドワークがカギを握っているといえるだろう。
第3試合 北海(南北海道)vs聖光学院(福島)
聖光学院は相手に合わせて選手起用が変えられるように、選手層の厚さが魅力。強打が自慢の北海に対してどんな選手起用を見せるのか。投手陣はエースの鈴木拓人がどれだけ試合を作れるかにかかっているが、展開に応じて投手陣を総動員することが十分に考えられるだろう。
北海はエース北海 大西健斗が粘り強い投球を見せてきたが、疲労の状態も気がかり、守備は上手く持ちこたえ、さらに後半に畳みかける打撃力をこの試合で見られるのか。
関東同士の決戦となり、さらにプロ注目のエースがいる。そう点が取れない試合でロースコアの試合になることが予想される。作新学院はエース今井達也が2試合連続完投。140キロ台の速球を投げる入江 大生の先発も十分にあり得るが、ただエースを中継ぎ待機して、序盤に点を取られることが多いので、今井が試合を作って、後半以降、入江が投げるというリレーも十分に考えられる。
木更津総合はエース・早川隆久が2試合連続完封と安定感抜群の投球を見せており、守備も堅い。甲子園で初めて全国レベルの打力が誇るチームと対戦することになるが、その作新学院相手にも、実力を発揮できるか。
(文・河嶋宗一)
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