第384回 【沖縄大会総括】 波乱といわれた沖縄の夏を制したのは嘉手納!2016年07月29日

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【目次】
[1]一年生中央大会の優勝校は、最後の夏で苦戦する
[2]大会を盛り上げた美里工、那覇西、小禄の頑張り

 第98回全国高校野球選手権沖縄大会嘉手納高校の初優勝で幕を閉じた。私学2強の興南沖縄尚学共に3回戦で敗れるなど、全国では波乱と言われた沖縄の夏を総評してみる。

一年生中央大会の優勝校は、最後の夏で苦戦する

嘉手納の選手たち

 沖縄県高校野球一年生中央大会が誕生したのは1976年。それから10年余りもの間、優勝校となったナインたちが3年生になる最後の夏で優勝することは叶わず、いつしか一年生中央大会の優勝校は最後の夏に勝てなくなると言われるようになっていく。その呪縛を解き放ったのが大野 倫氏たち。そう、1991年の全国高校野球選手権大会で準優勝した沖縄水産だった。あの負けず嫌いな栽監督をして「勝たなくても良いからなと言ってたのになんで勝っちゃったんだよ」と思わずもらしてしまうほどだったといわれる。

 それから後は、1997年の全国高校野球選手権大会でベスト4に入った浦添商や、大嶺 祐太らを擁し2006年連続甲子園出場を果たした八重山商工など一年生中央大会を制したチームが、最後も制することが見られるようになってきたのだった。

夢の舞台、憧れの場所を掴んだ嘉手納

 一年生中央大会を制した嘉手納は、秋の県大会では準決勝で敗退し九州大会の切符を逃す。春の県大会でも準々決勝で敗れてしまい夏のシード権をも逃してしまった。それでも彼らの持つ能力を見てきた関係者の評価は高かった。1、2回戦は中盤やや苦しんだものの勝利を収める。そして3回戦。誰もが予想した興南との再戦。「ここだけの話、ボクは嘉手納が勝つと思うよ」と言う関係者もいたほどだった。結果、興南比屋根 雅也から9回に2点を奪い見事逆転勝ちを収める。しかし、まだまだ難関は続いた。

「ここを突破したら甲子園が見えてくる」(仲地 玖礼八重山商工との準々決勝。秋の県大会でも延長10回で辛勝した相手。さらに今回は闘将伊志嶺 吉盛監督が勇退するということで、向こうに追い風が吹いていると思う節も見えていた。さらに平良 海馬の急成長。仲地はいつも以上に丁寧に試合を組み立てていった。

 8回に嘉手納が1点を奪うもその裏同点とされ延長へ。最後は相手のミスが生じて得た一死三塁からの内野安打タイムリーで勝利。興南八重山商工と薄氷の上を歩くような試合をモノにした嘉手納。「中々言うことを聞かないやんちゃな子たちだった」(大蔵監督)ナインは、最後の夏に集中力を持続させ続けることが出来る精神力を備えていたことを証明した。

 準決勝那覇西戦では好投手赤嶺 由生郎から序盤で3点を奪い、仲地が完封。決勝戦でも美里工との打撃戦を制し見事初優勝を果たしたのだった。

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當山 雅通
當山 雅通
  • 生年月日:1972/01/04
  • 出身地:沖縄県金武町生まれ。現在は沖縄市在住。
  • ■ 野球はもちろんだが、一番好きなのは球児たち。純粋で真っ直ぐな野球小僧を見ると自分のことのように嬉しくなる。
  • ■ 学生時代は、野球、サッカー、バドミントン、駅伝など多くのスポーツを経験。現在は、合計4チームの学童軟式野球チーム(主に4年生以下の低学年専属)を見てきており、やっぱり自分は野球が好きなんだなと実感。現在はオファーがなくコーチ業も休業中(笑)。だが10月に3歳になる三男坊が野球を始めたら、また復活する野望を隠し持っている(笑)夢は三男坊が甲子園へ連れて行ってくれることだが、まずは野球へ興味を持つようにしむけるようにと、現在悪戦苦闘中である(笑)
  • ■ 2012年より、高校野球ドットコムにて沖縄中心に情報配信
  • ■ 沖縄県の野球と題したブログCBスタジアムを運営
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