福井工大福井、敦賀気比の二強が有力 啓新、福井商も対抗できるか?【福井抽選会後 展望】
30チームしか出場しないとはいえ、なかなか粒ぞろいなのが福井県の特徴だ。そんな福井大会の見所を紹介していきたい。
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【第98回福井大会組み合わせ表】
強打の福井工大福井、総合力の敦賀気比、バッテリーに安定感がある啓新が中心か
山﨑 颯一郎(敦賀気比)
春優勝の福井工大福井は、右の強打者・4番北村 進太郎が軸。前後に好打者が揃い、福井県大会でも圧倒的な打力で優勝を決めた。エース田中 嵐士がさらに状態を高め、2012年以来となる夏の甲子園出場を決めたいところだ。同ブロックで有力校に挙がりそうなのが福井商だろう。長身から角度があり、威力あるストレートを投げる吉田 充輝や、走攻守三拍子揃った大型外野手・関 龍摩、俊足巧打の外野手・中村 天星が中心だ。
北信越大会出場の美方は、左腕・鳥山 晃汰、チーム一の俊足を誇る畑中 陸来がキーマン。ウリである「手堅い攻撃・粘り強い守備・団結力」の3つを夏の大会でも発揮し、甲子園出場を目指す。同ブロックには、投打にセンスのある下山 哲人(福井大野)、春ベスト8の三国、団結力の高さがウリの丹生といった公立校の戦いぶりに注目していきたい。
北信越大会出場の啓新は右の好投手・荒木 開成、抜群の強肩を見せる中井 恭雅のバッテリーに注目。2年生右腕・牧 丈一郎も、荒木に匹敵する速球を投げる速球派右腕で、牧が成長すればぐっと投手陣に厚みが増すだろう。同ブロックでは、昨年12月に行われた台湾遠征に福井県選抜で選ばれ、さらに打力ある台湾の高校相手に好投を見せた上下 雄大擁する敦賀工と140キロ右腕・土合 貫太擁する鯖江の初戦がいきなり実現し、こちらも見応えあるカードになりそうだ。
そして選抜出場の敦賀気比は、エース・山﨑 颯一郎がどこまで安定感を高められるか。140キロ台のストレート、落差あるカーブ、カットボールのコンビネーションが嵌ったときは簡単に打ち崩せない迫力があるが、まだ調子に波がある。福井大会制覇・そして全国でも頂点を目指すには山﨑のピッチングが不可欠だ。野手陣は勝負強い打撃、スピード感ある守備がウリの林中 勇輝(関連記事)を軸に好野手が揃い、総合力は全国クラス。1年生に大型捕手・杉森 圭輔や好内野手・黒田 響生が入ったことで野手陣の競争が増した。あとは山﨑に次ぐ投手力の強化がカギとなりそうだ。
敦賀気比、福井工大福井の2強が今年の中心という構図になっているが、このままではいくとは限らないだろう。新鋭校・啓新、福井商なども追う展開となっている。
(文・河嶋 宗一)
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