第9回 慶應義塾大学野球部 大久保秀昭監督の捕手論「野球を知っているは知識ではない、勝ち方を知っていること」【Vol.2】2017年05月04日

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【目次】
[1]「野球を知る」=「勝ち方を知る」ために
[2]根拠を持つ/自己犠牲精神を持つ

慶應義塾大学野球部 大久保秀昭監督の捕手論「強さも上手さも『知る』ことから」【Vol.1】から読む

 第2回では、「野球を知っている」という言葉の真意を探っていきます。そして勝てる捕手になるために、ライバルに勝つためには何をすればいいのか?大久保監督から金言をいただきました。

「野球を知る」=「勝ち方を知る」ために

大久保秀昭・現慶應大野球部監督

 プレイヤーなら、誰でも「野球を知っている」と思うかもしれない。だが、大久保監督が言っているのは「知識」としてではなく、「勝ち方」を知っているかどうかだ。つまり、勝てば勝つほどキャッチャーとして「野球を知っている」ことになる。では、なかなか勝てないキャッチャーは、どこからとっかかりを得て「野球を知って」いけばいいのだろうか。

「どんな相手に何点取られても、まずは『失点を知る』ことがスタートになると思います。失点に対しての意識、そして勝率。もし複数人でレギュラーを争っているのであれば、自分が任されている時にどれぐらい勝てているか、どれぐらい抑えられたか、それを突き詰め、少しずつでも成功体験を積んでいくことです」

「勝つには理由がある」。
まずはその意識を当たり前に持つ。もし勝てないで苦しんでいるキャッチャーがいたら、まずは失点から振り返る。それがエラーだったのか、配球だったのか、1点1点吟味していく。次に、その失点の数々はどうしたら防げたか、を自分なりに考えてみる。そして次の試合で試す。そこで失点したらまた理由と対策を考える。その作業を繰り返し、一つずつでも成功体験を増やしていく。

「とにかく実戦で知っていくことが重要です。実戦でしかできないことがあるから、というのが理由の一つ。もう一つは、実戦の方がはるかに印象深く、覚えやすいからです」

「『野球を知る』能力は積み重ねによってできあがっていく」と大久保監督が言うように、野球を知る=勝ち方を知ることは一朝一夕ではできない。下から一段ずつ階段を登っていくしかないのだ。

最初の段階で、もし考えるべきことが多すぎて頭が混乱する場合は、テーマを絞ることが上達への近道だ。
「試合に臨む際、『ヒットはいいけど長打は打たせない』など、事前にバッテリーでテーマを決めると分かりやすいかもしれません」

 一つずつ、でも確実に突き詰めていく。そのことを念頭に置くと、重要点として次の2つに行き当たるはずだ。

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プロフィール

伊藤亮
伊藤 亮
  • 生年月日:1977年
  • ■ 東京都出身。都立三鷹高校野球部
  • ■ 2004年よりフリー編集兼ライターに。
    『ジーコ備忘録』『ピンポンさん』『セルジオ越後のフットサル入門』『直伝 澤穂希』『俊輔の言葉』など幅広くスポーツ関連書籍の取材・編集を行う傍ら、『新興衰退国ニッポン』(講談社)など、時事問題やカルチャーに関する書籍編集にも数多く携わっている。
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