噛む力をつけてパワーと集中力を高めよう
6月になりました。夏の大会まであと1カ月程度という地区も多いのではないでしょうか。
さて、問題です。6月4日は何の日でしょう?
答えは「むし歯予防デー」。ちなみに、6月4日から10日までの1週間は「歯と口の衛生週間」です。
「なぜ栄養のコラムでそんな話をするの?」と思った人もいるでしょう。実はスポーツ選手と歯や噛む力には深い関係があるのです。
噛む力の重要性
▲食事の時、よく噛んでいますか??
食事の時、よく噛んでいますか??小さい頃「よく噛んで食べるように」と言われてはいましたが、最近のみなさんの食事ではどうでしょうか?
しっかりと「噛む」ということにはいくつか理由があります。
一般的に言われるのが「消化吸収の促進」です。よく噛まず大きなまま胃に届くと消化に時間がかかってしまいます。しっかり噛むことで、食物は小さくなりますから胃や腸での消化を手助けします。噛むことによって唾液の分泌も促進され、こちらも消化の手助けになります。
また、その他の理由として2つ紹介します。
1.食いしばる力が強くなる⇒パワーが増強する
2.脳に刺激が与えられる⇒頭の回転が良くなる。集中力が高まる
どちらも、野球をする上で重要ですね。
また、同時に大切なのが「噛み合わせ」です。噛み合わせは、頭の位置を固定したり腰の位置を安定させたりといった体のバランスに大きく関わります。あわせて意識したいですね。
「噛む力」をつけるには
▲噛みごたえのある食材
噛む力をつけるにはどうしたらよいのでしょうか。
まず、普段の食事を思い出してみましょう。「噛む食事」ができているでしょうか。比較的やわらかいメニューに偏っているという人はいませんか?
ここでのポイントは「食材」と「調理法」です。
食材は、当然ですが噛む必要がある食材を選びましょう。例えば、毎食おかゆや麺類だとしたら、噛む力がつくでしょうか。答えはもちろんNOですよね。
オススメの食材としては、れんこん、ごぼうなどの食物繊維の豊富な食材、えび、たこ、こんにゃくなど。また、肉であればミンチよりかたまり肉の方がオススメです。どれも、よく噛む必要がある食材ですね。
調理する際は、材料を大きく切るようにしましょう。大きくすることでよく噛む必要が出てきます。また、メニューによりけりではありますが、煮物などは少し煮る時間を短くすることで(固めに仕上げることで)噛みごたえが残り「噛む必要がある」メニューになります。
とは言っても、全ての皿が噛む必要があるメニューとなると疲れてしまいますので、一度の食事に1つ2つチャレンジしてみましょう。
強い歯をつくろう
みなさん自身、プレーの瞬間瞬間、思った以上に歯を食いしばりプレーをしていると思います。プロの一流選手は「奥歯がボロボロになってしまった」というエピソードもよく聞きますね。(最近では、噛み合わせのため、またクッションとしてマウスピースを使う選手も増えてきました)
もともとの歯がもろいと、ボロボロになってしまう可能性も高くなってしまいますから、固い歯が作れるようにしっかりカルシウムを摂取したいですし、砂糖の入った飲み物の飲みすぎにも気をつけましょう。
もちろん、食後の歯磨きや歯科での手入れも忘れずに。
いかがでしたでしょうか。
身近なところから「噛む力」がつくように心がけていきましょうね。
■ 7月の栄養学一口コラムもお楽しみに!