第57回 県立松陽高等学校(鹿児島)2012年02月09日
【目次】
[1]二度の大逆転劇で創部初のベスト4
[2]2つの「きょうどうせい」への拘(こだわ)り
[3]1時間の平日練習でも勝てる理由

二度の大逆転劇で創部初のベスト4
"松陽高校(鹿児島)校舎外観"
鹿児島県の松陽(しょうよう)高校といえば、県大会1、2位の実績を誇るサッカー部の強豪校という印象が強かった。また、普通科だけでなく、音楽科と美術科が併設されていることから、芸術色の濃い学校という印象を抱く人もいる。
そんな中、硬式野球部が、2011年秋の鹿児島県大会で、創部初となる県4強入りを果たした。
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1回戦 伊集院 11-7 ○
2回戦 れいめい 7-6 ○
3回戦 喜界 10-9 ○
4回戦 有明 3-0 ○
準々決勝 大口 7-4 ○
準決勝 神村学園 2-16 ●
松陽はこの大会で、二度の逆転劇で勝利を収めてきた。初戦の伊集院戦に11対7で打ち勝ち流れを掴むと、2回戦のれいめい戦で、0対6の6点ビハインドから7点を挙げて逆転勝ち。3回戦の喜界戦でも、5点先取されてから乱打戦に持ち込み、10対9で勝利した。
キャプテンの蒲地和希は、こう振り返る。
「初戦の伊集院も、れいめい戦も、たくさん点は取られましたが、試合をしていて点を取られた感じがなかったんです。気付いたら逆転してました」
また、7番ファーストの栫(かこい)祐太朗も、あの逆転劇をこう語った。
「負ける気はしなかったですね。試合をしていて楽しかったです。序盤に点を取られていても、まだ8イニングは残ってるから、そこで逆転できるっていう自信をみんな持っていました」
"畠中捕手(左)とエース森岡(右)"
2年生メンバーの多くが、夏の鹿児島大会ではベンチ入りを経験していた。実際にレギュラーで出場していたのは、エースの森岡修一と遊撃手の鮫島雄志の二人だけだったが、夏の大会をベンチから経験できたことは2年生たちにとっては大きかった。
松陽は、昨夏の鹿児島大会3回戦の屋久島戦で、12安打放つも18残塁を記録し、2対3で敗れた。あと1点が取れない、ランナーをホームへ還すことが出来ない。この試合での悔しさが、彼らをさらに強くしたのだ。
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「点が取れそうで取れない、歯がゆい試合でした。みんなが勝つということに必死になりすぎてしまったのかもしれません。だけど、あの屋久島戦を経験できたことで、新チームになってからは周りを見るという余裕が、みんなが持てるようになりました。相手のことも、自分たちのことも見られるようになったことが、試合を作る上で大きかったですね」
そうキャプテンの蒲地が振り返るように、新チームがスタートしてからの松陽の試合での勝率は高かった。
8月のお盆前に行われた鹿児島市地区公立普通高校野球大会で優勝を果たし、さらに練習試合でも白星を重ね続けていた。誰が言い出したのか、いつからか「神宮大会出場」がチームの合言葉になっていた。

- 安田 未由(やすだ みゅう)
- ■ ベースボールドットコム の編集長として企画・編集を取りまとめる。
- ■ 主な出版物
・甲子園だけが高校野球ではない(監修・岩崎夏海/廣済堂あかつき出版社)
・ただ栄冠のためでなく(共著/日刊スポーツ出版社)
・「高校野球は空の色」「高校野球が教えてくれたこと」など(大学時代に3冊自費出版) - ■ 長野県出身。大学時代は東洋大野球部のフリーペーパー「サイズアップ」の記者として4年間活動。卒業後は広告会社で3年半の企画営業職を経る。
- ■ 公式ブログ「僕らのボール回し」
- ■ 講演依頼


















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