済美高等学校

印刷する この記事をYahoo!ブックマークに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加   

第39回 済美高等学校(愛媛)2011年07月11日

【目次】
1.野球の概念に囚われない練習法
2.体が強い選手の礎を作る
3.プロも体験したエルゴメーターの効果
4.心身修養を超え、いざ勝負の夏へ

体が強い選手の礎を作る

【エルゴメーターを使ってのトレーニング】

 このように「野球外から野球につなげる」発信地となっている1塁側。一方でそれと対を成すように、3塁側ベンチ横には「強打済美」の象徴的存在ともいえる練習器具「エルゴメーター」が10台並べられている。

 ただ、本来エルゴメーターはボート種目において全身を鍛え、かつボート競技でのピッチ数を維持するために使用されるもの。では、エルゴメーターがなぜここに並べられるようになったのか?

 その発祥を知るには上甲監督が宇和島東を率いていた四半世紀前まで遡る必要がある。

 当時、「野球部は考え方含めて子どもなのに、ボート部の子は大人の考え方をもっている」と、全国屈指の強豪であったボート部と、甲子園への壁を打ち破れなかった野球部との「違い」を痛感していた上甲監督。その理由をあれこれ探っているうちに、「ボート部は監督のいない中でも海で1時間漕ぐし、鉄棒でも片手で30回懸垂ができるし、ソフトボールをやれば打ち方が下手でも打ち返す。ならば野球部の子もそのレベルに達すればいい」と、ボート部の体力作りを野球部に採り入れることを思いつき、実行に移したのがそのはじまりである。

 直後、1987年春には初出場初優勝の偉業を達成した宇和島東は、エルゴメーターを導入した1989年からは、さらに勢いを加速。上甲監督が済美へ転じる2002年4月までに、夏8度・春5度の甲子園出場を達成。そして上甲監督は済美でも春1度、夏3度の甲子園出場を果たしたのである。


「もちろんエルゴメーターの他にウェイトトレーニングもやっていましたし、何がよかったかはわかりません。ただ、エルゴメーターで体が強くなったことは事実です」(上甲監督)。宇和島東では岩村明憲(東北楽天)、宮出隆自(東京ヤクルト)、平井正史(中日)ら、済美でも鵜久森、福井など上甲監督の下で多くのプロ野球選手が生まれたのも、エルゴメーターの存在があったからこそなのだ。

このページのトップへ

【次のページ】 済美高等学校(愛媛)(3)

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
西条vs済美【愛媛県 2017年秋の大会 愛媛県秋季大会】
第601回 【愛顔つなぐえひめ国体・総括】坊っちゃんでの「愛顔(えがお)」を 四国次世代へ「つなぐ」ために【大会展望・総括コラム】
大阪桐蔭vs済美【2017年 第72回国民体育大会 愛顔つなぐえひめ国体2017】
第7回 済美高等学校(愛媛)【第72回国民体育大会 チーム紹介】
第71回 盛岡大附属(岩手)編「2017年に春夏甲子園ベスト8の快挙を果たした盛岡大附属のつながり!」【先輩・後輩・同級生!つながりトリビア】
済美vs宇和島東【愛媛県 2017年秋の大会 愛媛県秋季大会】
済美vs松山商【愛媛県 2017年秋の大会 愛媛県秋季大会中予地区予選】
済美vs東温【愛媛県 2017年秋の大会 愛媛県秋季大会中予地区予選】
第570回 春夏連覇を目指す大阪桐蔭危うし?激しい試合が予想される3回戦4試合の見どころをチェック!【大会展望・総括コラム】
第100回 済美の怪力男・亀岡京平(済美)。ラストサマーで大爆発!【ドラフト特集】
第286回 広島東洋カープ 福井 優也投手 「自分を成長させた済美高、そして大学での経験」 【2015年インタビュー】
第8回 第96回選手権地区大会は「波乱の大会」だったのか 【2014年選手権大会】
第122回 済美高等学校 安樂 智大 投手 【2013年インタビュー】
安樂智大(済美)
済美 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
野球部訪問トップに戻る サイトトップに戻る

コラム