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大混戦を勝ち抜き京都翔英が優勝を飾った秋季京都大会を総括!

2019.12.14

秋季京都府大会
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夏以降に力を付けた2校

大混戦を勝ち抜き京都翔英が優勝を飾った秋季京都大会を総括! | 高校野球ドットコム
京都翔英・大越颯汰

 今年の甲子園に出場した龍谷大平安福知山成美立命館宇治など、有力校が多く揃う京都府。今年の秋季大会も混戦が予想されたが、京都翔英が投打に力を発揮して優勝を飾った。

 京都翔英は夏からのレギュラーで残っていたのは捕手の森岡大輔(2年)のみ。経験値の低さが不安視されていたが、夏の間に力を付けてきた。特に投手陣は安谷涼(2年)植田碧流(2年)、大越颯太(2年)、三尾倖平(2年)、池島涼太(1年)と5人を揃え、継投策で勝ち上がった。近畿大会でも1勝を挙げており、春以降はライバル校からマークされる存在となるだろう。

 準優勝の東山は主将の田中陸(2年)や4番・捕手の吉田優輝(2年)を中心に打線が強力。福知山成美龍谷大平安を相手に11点ずつ奪って、立て続けに破るなど、快進撃を見せた。投手も複数揃えており、失点を計算できるようになれば、頂点が見えてくるはずだ。

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京都外大西・山下 航汰

 準決勝で東山に敗れて、惜しくも近畿大会を逃した京都外大西は注目のスラッガー・18152(2年)がこの秋も躍動した。

 準々決勝の京都国際戦では決勝打を放ち、3位決定戦の西城陽戦では本塁打を記録。捕手としても機敏な動きを見せており、来年も脚光を浴びるだろう。山下以外に突出した選手はいないが、チーム全体にまとまりがあり、夏には10年ぶりの甲子園出場も狙える位置にいる。

 この秋で4位と躍進を見せたのが西城陽だ。元横浜ベイスターズの投手で、昨年度まで乙訓の部長を務めていた染田賢作監督が4月に就任。2回戦では前任校の乙訓を逆転サヨナラで下すなど、早くも手腕を発揮している。これからの京都の勢力図を塗り替えていくのは間違いないだろう。

[page_break:巻き返しを図る実力校たち]

巻き返しを図る実力校たち

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京都国際・入海勇太

 8強で敗れたのは龍谷大平安京都国際鳥羽塔南の4校。龍谷大平安はセンバツでも活躍した奥村真大(2年)が4番としてチームを牽引する。一方で公式戦経験の豊富な投手がおらず、準々決勝の東山戦では前半から打ち込まれてしまった。春、夏と名門校らしさを取り戻したい。

 夏準優勝の京都国際は安定感のあるエース左腕の入海勇太(2年)、右横手投げの山口悠太(2年)が2枚看板として盤石の布陣。

 さらに早真之介(2年)、釣寿生(2年)とプロ注目の強打者を擁して戦力は充実していたが、準々決勝の京都外大西戦では9回表に5点差をひっくり返された。夏、秋と勝てる試合を落としてしまった印象はある。土壇場での勝負強さを身に付ければ、悲願の甲子園出場も見えてくるはずだ。

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乙訓。林翔大

 鳥羽塔南は試合巧者の実力校としてこの秋も力を発揮した。来年も公立の雄として、存在感を示してくるだろう。

 2年ぶりの近畿大会出場を目指した乙訓は2回戦で西城陽に逆転サヨナラ負けを喫したが、実力は間違いなく上位クラスだろう。エースの林翔大(2年)は府内屈指の本格派右腕として、今後も注目だ。

 昨秋王者の福知山成美と夏の甲子園代表校である立命館宇治はともに2回戦でコールド負け。両校とも絶対的エースが抜けて、その穴を埋められなかった印象だ。春までにどれだけ投手陣を整備してくるだろうか。京都成章京都共栄も投打が噛み合えば上位を狙える力は十分にある。

 新チームが結成されてから間もない時期ということもあり、この秋はチームの仕上がり状況によって明暗が分かれた印象がある。言い換えれば、経験値を積めば春以降に大きく飛躍するチームも出てくるはずだ。この世代の京都府は戦力的に拮抗しているが、春、夏と頂点に立つチームはどの高校になるだろうか。

 (文=馬場 遼)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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