第502回 星城(愛知)【後編】「愛知私学4強との対決を制し、下克上実現へ」2018年06月30日

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【目次】
[1]春の大会で課題となったバントと守備を克服し、尾東大会優勝
[2]最善の準備で頂点を目指す

 前編では、豊田西の元監督で就任4年目の平林宏監督が、星城の選手たちをどのように育成したのか。そのプロセスや背景、さらには実際に選手たちに平林監督の指導で自身のプレーにどのような変化があったのか、お話を伺った。後編では今春の尾東大会で得た自信と夏への意気込みに迫りました。

春の大会で課題となったバントと守備を克服し、尾東大会優勝



左から藤田、木村、小笠原のクリーンアップ

 夏の大会前に星城に立て直しの機会が訪れた。それは、毎年5月に開催される尾東大会である。愛知県は各地でローカル大会が開催されるが、星城は尾東大会へ向けてもう一度、チーム像を見直した。平林監督は春季大会の敗戦について、
 「焦りから守備の破綻が出る野球でしたからね。逆風のなかフライを打ち上げてっていうね状況を読めずにというか普通の風ならスタンドに行ってるんでしょうけど。風強いから打ち上げるなとベンチでは言ってたんですけど、なかなか修正しきれずに敗戦したんです」。

 そのため星城がもう一度大事にしたのは守備とバントである。平林監督は選手たちに競り勝つために守備を重視することを伝えた。

 「今年のチームは、大差で勝つ、負けるときは競って負けているんですよ。それはどういうことかっていうと、チャンスで打てなかったりすると競るわけですよ。そういう点が弱い。なので選手たちたちには春の県大会以降、うちは攻撃野球じゃないぞ、ディフェンス野球なんだっていうことで競ったら負けないということを春の県大会以降テーマにしてやってるんですよ。したがって細かい攻撃ではバントをきちっと行う。そして守備もしっかりと守ることが大事になります」

 主将の小笠原は、「春の県大会は、雰囲気にのまれるなど反省点が多かった大会でした」と振り返り、尾東大会では「攻撃は水物。まずキャッチボールを中心とした守備から一球一球丁寧にやって、守備でリズムを作って攻撃に繋げるということを意識しました。バントについては打球を殺したりとかじゃなくて、しっかりボールを見て芯に当てることを意識しました」とテーマを設けた。日々の練習メニューは大きく変わらないが、例えばバント練習でも「一個一個の集中力とか、一球一球をしっかり試合を想定して成功率を上げていくことを意識しています」と、確実性を求めて練習を行った。

 すると尾東大会ではしっかりと成果が出た。
準々決勝 9対4 高蔵寺
準決勝   7対4 春日丘
決勝     7対4 中部大一

 平均7点以上を取って二季連続の優勝を決めた。4番・木村翔にも犠打の指示が出る徹底ぶりだった。

 平林監督は「尾東大会は有力校も出場します。そういう大会で優勝できたのは子供たちの自信になっていると思います」と選手たちの戦いぶりを振り返った。小笠原主将は
 「バントもしっかり決まりましたし、1イニングで何点も取ったというよりは、1イニング1イニングで取れるところでしっかりと着実に点を重ねていって、結果的に大きな得点になってよかったと思います」と笑顔。

 また、守備についても成果が出た。送球ミスが多かった三塁の藤田は「捕球姿勢」を意識して守備練習に取り組んだ。結果的に送球フォームも良くなってミスがなくなり、ライトを守る木村翔も送球を改善させた。

 二塁・谷村、遊撃・小林の二遊間は連携プレーを見直し、ミスを減らした。攻撃力に過信しすぎず、1つのアウトをしっかりと取る。大事なところで走者を進める堅実な野球で、星城はしっかりとチーム力アップを果たした。

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河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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