第498回 近大附(大阪)【前編】「エース頼みのチーム脱却へ 自ら動いた選手たち」2018年06月17日

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【目次】
[1]「エース・大石のチーム」からみんなで叱咤激励しあう戦闘集団に
[2]大阪桐蔭に連敗 二度の敗戦で感じたこと
[3]「大石はいないと思え!」 自立を促した投手作り

 今年は第100回大会を迎え、大阪府は南北に分かれて大会が行われる。前回の南大阪大会で出場を決めたのが東大阪市にある近大附である。当時、甲子園出場へと導いた藤本 博国監督が現在も指揮を執る。昨秋は大阪3位で近畿大会に出場。ベスト8まで勝ち進み、選抜まであと一歩だった。今年の藤本監督と選手たちはどんなチーム作りをしてきたのだろうか。

「エース・大石のチーム」からみんなで叱咤激励しあう戦闘集団に



近大附野球部

 チーム作りでまず最初に考えること。それはどの選手を中心にするかだ。エース、4番、攻守の要、正捕手etc。それはチームによってさまざまだが、近大附の場合、1年夏から背番号「1」を背負う大石 晨慈だった。羽曳野ボーイズ時代はジャイアンツカップ優勝を経験し、経験豊富な大石にかかる期待は大きかった。

 大石は勝てる投手になるべく、投球フォーム、投球術のリニューアルを行ってきたが、うまくいかず苦しい日々を送る。そんなエースの姿勢を厳しく叱咤激励したのが、強打の一塁手・髙倉 龍侑だった。高倉にその意図を聞こう。

「僕も大石と同じく1年生から試合に出させていただきました。その立場として厳しいことをいわなあかんと指摘しました」

 高倉が指摘するとチームメイトがどんどん続く。主将の花田 大晟は「今年のチームのスタートを振り返ると、どこか人に(モノを)言えない甘い雰囲気がありました。でも高倉が言ってくれたことはとてもありがたかったですし、僕だけではたぶん続かなかったと思う」と、いつしか選手同士で言い合えるチームとなっていた。大石も「今までは投げさせてもらっていて、上級生に甘えてしまう自分がいました。でもエースという立場で投げさせてもらっているので、チームメイトの意見はしっかりと受け止めないといけなかった」と、味方の叱咤激励を受け止めた。そして大石自身も副主将としてチームメイトに厳しく指摘している。

 藤本監督はそんな選手たちの姿を見て、「このチームは面白いと思いましたね。大石もナインからの指摘を受け続けてきたことで、だんだん火がついてきて、ピッチングが良くなってきました」と、戦える手応えを実感した。

 課題としていた打線も、真夏でも振り込み、打線を徹底強化。大会が始まると大差をつけて勝ち上がることも多かった。そしてこのチームにとってもターニングポイントとなったのが、昨秋4回戦の大体大浪商戦である。

 大石が相手エース・立石 健との投げ合いを制し、2対1で勝利。藤本監督は「立石君のような好投手と当たるとどうしても点が取れなくなってしまう。ロースコアで勝つことがこのチームにとって大事でしたが、非常に大きな勝利となりました」

勝ち続けた近大附は準決勝で宿敵・大阪桐蔭と対戦したのである。

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河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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