第490回 東京学館船橋(西千葉) ホームラン目指す強打と豊かな投手陣で初甲子園へ2018年05月22日

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【目次】
[1]「全員がホームランを1本打つ」打撃方針
[2]個性豊かな投手陣を強化し、西千葉の王者へ


 大阪桐蔭(大阪)が連覇を遂げたセンバツも終わり、いよいよ高校野球は第100回記念大会の夏へ。千葉県では第80回・第90回に続き、東千葉・西千葉に1校ずつ、計2校が甲子園に出場することになる。

 その中で西千葉の実力校として注目されるのが船橋市豊富にある東京学館船橋。昨秋は千葉県大会2回戦では県大会優勝の拓大紅陵と11対12と競りあうなど、公式戦5試合で46得点の打撃力がストロングポイントだ。では彼らは西千葉の頂点を狙うべく、何をさらに伸ばし、何を補おうとしているのか?監督と主力選手たちから聴いた。

「全員がホームランを1本打つ」打撃方針



振り切るスイングでバッティング練習をする選手

 「打者の理想はホームラン。『卒業までには誰もがホームランを1本打とう』。それがウチのチーム方針です」
 高校球児のみならず、野球をするもの誰もが抱く「ホームラン」への憧れ。黒川 敏行監督はそんな夢を叶える案内人。それが強打・東京学館船橋の大きな柱である。

 よって練習でも黒川監督は選手の打撃フォームを極力いじらない。多少のオーバースイングになっても構わない。結果、取材日の打撃練習を見ても多くの選手がしっかりと振り切ったスイングをしている。

 試合でもバントは数えるほど。それも選手たちの個性を発揮するアプローチの1つだ。
「小技が少ないという声もありますし、強攻策が失敗すると、『なんでバントをしないんだ!』といわれます。でもうちはそれでもOK。とにかくうちは選手の個性を引き出して振っていくことが大事なんです」(黒川監督)当然、併殺打になっても叱ることはない。

 こういった東京学館船橋の環境下で才能を開花させたのが4番を務める右のスラッガー・川田 亮乃介(3年・一塁手・175センチ82キロ)である。もともと入学時は投手だった川田。高校2年夏まで本塁打は1本も、2年秋だけで6本を積み上げ。加えてその6本はいずれもインパクトを残す弾道となっている。

 黒川監督が「あいつのホームランは、打った瞬間、ホームランと分かる打球が打てる。さらに飛距離もすごくて、どこまで飛ばすんだという打球を打ってくれるんです」と証言すれば、川田自身も「フライになってもいいので、角度を付けて、打球を遠くへ飛ばすことを意識しています。監督からは思い切り空振り三振になってもいいといわれているので、自分の打撃スタイルに専念できます」と成果を話す。中でも関東大会ベスト8の健大高崎相手の本塁打は「健大高崎の青柳(博文)監督も、『川田君の長打力はすごいですね』と絶賛してくれたんですよ」と黒川監督が笑顔を見せるほどだった。

練習試合での自信は公式戦にもつながる。壮絶な打撃戦となった千葉県大会・拓大紅陵戦でも新チーム発足時から抱える足の痛みに耐えながら3安打7打点。

 1回表、二死二塁の場面で詰まりながら中前先制適時打を放つと、3回表、1対9とされた中での第2打席では、二死二、三塁から右中間を破る適時二塁打。さらに4回表には2点差に迫る満塁本塁打。この場面について川田は「ボールはよく見えていましたし、カウントはフルカウントでしたので、ストレートが来ると読んでいました。狙い通りストレートが来て、打ち損じすることなく打つことができました」と川田。試合には10対11で敗れたが4番打者は「打の東京学館船橋」のシンボルとして、千葉高校野球界へ大きなインパクトを与えた。

 現在は故障も癒え「長打力には自信があるので、打球をうまく運べる打ち方を完成させ、あとはその確率を高めることができれば、チームに貢献できると思います」と意気込む川田。昨秋の拓大紅陵戦で本塁打を放つなど打撃センスではチームトップクラスと評価される1番・本間 大祐(2年)らと共に、さらなる強打線形成への鍛錬が続く。

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河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
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  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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