第445回 福岡大大濠(福岡)「好投手の道は基礎技術・基本技術の積み上げしかない」2017年07月12日

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[1]好投手の条件はリズムとテンポが良いこと
[2]投手の素質はキャッチボールで見極める
[3]先輩から受け継がれたものを大事にする

 福岡を代表する名門校として注目される福岡大大濠。この春はエース・三浦 銀二投手を擁し、選抜ベスト8を決めた。福岡大大濠といえば、好投手育成のチーム。過去には、大石 達也(現・埼玉西武)、川原 弘之(現・福岡ソフトバンク)、そして昨年はエース・濱地 真澄(現・阪神)をプロの世界へ送り込んだ。今年は三浦を全国トップクラスの投手を育て上げた。いったいどんな育成で毎年好投手を送り出すことができるのか?

好投手の条件はリズムとテンポが良いこと

三浦 銀二(福岡大大濠)

 先述した3人のプロ入り投手の育成に携わったのが八木 啓伸監督である。投手育成の極意を伺うと、

「基礎・基本技術の習得。これに尽きます。これができない選手は新たな技術の上積みはできません。これだけは断言できます」

 基礎・基本と聞くと耳にタコができる話かもしれない。だが、八木監督の方針、選手たちの取り組みを聞くと、基礎・基本を大事にしなければならないことが分かるはずだ。まず八木監督が投手に求めているのはテンポとリズムが良い投球ができることだ。

「投手はテンポとリズム。これこそが一番大事だと思います。なぜかというと、僕は現役時代、野手をやっていたのでわかるのですが、リズムが良い投手は得てして制球力が良い。そしてリズムが悪い投手は制球力が悪い傾向にあり、守りにくさを感じていたんです。うちは代々、守りのチームですので、投手にはそこは大事だよと教えています」

 リズム=コントロールを強く実感したのは、エースの三浦 銀二なのである。センバツでは、正確無比にコントロールされた140キロ台中盤の速球を投げ込む三浦だったが、入学当時は力で抑える考えだった。しかし早くも高校のレベルの高さを目の当たりにして、制球力の大事さを痛感。そこからはコントロール、ストレートの質を高める努力をしてきたが、2年秋の県大会まで「リズムも、コントロールも悪く、結構不安定だった」と語る八木監督。三浦の県大会での最多四死球は準決勝の筑陽学園の4四死球で、それ以外は1~2四死球でとどまっているが、三浦本人も「安定感は今一つだった」と振り返るように、満足いく出来ではなかった。

 そこで三浦と指揮官の2人が話し合って浮かび上がったのが、フォーム変更だ。今までセットポジションで投げていたのをワインドアップへ変更することだった。三浦は県大会の時からずっと変えようと思っていたが、県大会を終えてから九州大会の開幕まで時間があり、変えるには一番良いタイミングだった。

 ワインドアップで始めて投げた明徳義塾との練習試合で、三浦は3失点完投勝利。

「ワインドアップでフォームの流れが良くなったことで、コントロール、テンポが非常に良くなりました」と本人が手応えを実感したように、九州大会で初戦から準決勝までの3試合を連続完封勝利。九州大会優勝、選抜出場の原動力となった。またフォーム変更だけではなく、1学年上の先輩・濱地からプレートの使い方を教わった。

「プレートの長さは60センチ。その中で、どううまく使うのかを学びました。基本的に僕は右打者の外角、左打者の内角へしっかりとしたストレートを投げたいので、三塁側に立ちますが、状況によって変えることもあります」

 深いピッチングの探求心が快投を生み、一冬の間は砂浜での走り込みなど、走り込みで体を作り、心身ともに成長した三浦は選抜でもベスト8まで導き、大会トップクラス右腕へ名乗りを上げた。

 その三浦が大事にしているのが「キャッチボール」である。

【次のページ】 投手の素質はキャッチボールで見極める

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河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
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  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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