第447回 至学館高等学校(愛知)この夏、至学館の“思考破壊”で攻める「アメーバ野球」が面白い2017年07月15日

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【目次】(ページ下部のフォトギャラリーもチェック!)
[1]ミラクル至学館は秋の県大会1回戦から始まった
[2]思考破壊+強打で東海大会優勝
[3]挑戦者として姿勢は変わらず

 昨秋から、今春にかけて、東海地区で一気に躍進して、スポットを浴びている存在になったのが、至学館である。今春のセンバツにも出場したのだが、その出場を勝ち取った、秋季大会から、その戦いぶりは特筆ものだった。

ミラクル至学館は秋の県大会1回戦から始まった

麻王 義之監督(至学館)

 昨年の秋季県大会、1回戦で愛工大名電に2対4から8回に追いついて延長戦の末、10回サヨナラ勝ち。これが、ミラクル至学館の始まりとなった。準々決勝の相手は夏の代表校で、夏休みに行われた二次予選の名古屋市内大会でも1位となっている東邦だった。初回に4点を奪ってリードしていたが、9回に6点を奪われて4対7と逆転されて迎えたその裏、4点を奪い返して再逆転のサヨナラ勝ち。

 準決勝は、桜丘に完封負けを喫したが、東海地区大会進出を賭けた3位決定戦では伝統の享栄に先行されつつもじわじわと返して同点で迎えた9回に1点を奪ってサヨナラ勝ち。これで、いわゆる私学4強のうちの3校を下したこととなった。この段階でもすでに神懸っていた。

 夏に甲子園出場を果たした2011年以来の出場となった秋季東海地区大会では、1回戦で三重県2位ながら実力校の菰野に対して、初回に7点を奪う猛攻で9対0と快勝。翌日の2回戦では岐阜県1位の多治見に対して、今度は打って変わってロースコアの接戦となったが何とか競り勝った。そして迎えた準決勝、愛知県私学4強の残る一つで、全国一の名門校と言っても過言ではない中京大中京

 「力は、明らかに相手が上。普通に考えたら、10回やって1回勝てるかどうかという相手」と、麻王義之監督は言っていた。ところが「この子たちは、どんな時でもあきらめないで一生懸命にやっていく」という姿勢が功を奏した。9回2点差で、走者なしという場面からのサヨナラ勝ちとなった。

 ただ、初出場を果たしたセンバツの日の檜舞台では開幕試合になって延長戦を戦ったものの、市立呉に敗れた。わずか4安打で5点を奪った戦いは、至学館らしいといえばらしい戦いだった。とはいえ、課題として打撃力強化ということが際立った。それが、センバツ以降の取り組みだった。

 麻王監督は「ハッキリ言って、練習環境としては県立高校よりも悪いですよ。だけど、そんな中で、いつもは選手たちが空いているところを見つけてはジャンプして足腰を鍛えたり、小さな鳥かご(バッティングゲージ)で、交互に振り込んだりという中で、それでもあきらめないでやってきています」という環境は変わらない。

 そんな中で、個々がより振り込みを強化していって、「どんな相手にでも柔軟性を持って戦える対応型のチーム」を「アメーバ野球」とも称していた。そんな戦い方から、さらに進化して打撃力による力強さを身につけていくということがテーマとなった。

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