第439回 香川県藤井高等学校(香川)「固定概念を排除する、剛なる不撓不屈」2017年06月29日

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【目次】(ページ下部のフォトギャラリーもチェック!)
[1]最初の練習は「朝食」
[2]「剛柔両面」の中に見える「固定概念排除」
[3]秋の躍進、春の屈辱超え、「不撓不屈」で夏の総決算へ

 昨秋の香川県大会で1973年の創部以来初となる県大会ベスト4に躍進した藤井。3位決定戦で敗れ初の四国大会出場こそならなかったが、大会選手登録18人でも後に四国大会ベスト4に進出した英明を瀬戸際まで追い込んだ戦いは、他の少人数校にも夢と希望を与えた。

 では、藤井はいかにして躍進への階段を昇っていったのか?香川県丸亀市にある学校を訪ねてみると、そこには試合で見える「剛」のイメージとは対極にある、固定概念の排除と繊細さが潜んでいた。

最初の練習は「朝食」

練習前に食事を取る選手たち

 休日の朝8時過ぎ。「うどん県骨付鳥市」の別名を持つ香川県丸亀市の玄関口・JR丸亀駅近くにある藤井高等学校グラウンドに選手たちが集まってくる。

 さあ、これからアップか?それとも自主練習か?いや、違う。選手たちはそれぞれのタッパーに白飯を入れ始めた。そしてある者は数種類ある中から、ふりかけを選び、ある者はレトルトカレーを、かけ、食べる。そう、藤井最初の練習は主将の丸尾 亮太(3年・右翼手・168センチ68キロ・右投右打・琴平町立琴平中出身)いわく「チームとして身長-100=体重で取り組んでいる」一環として取り組んでいる「朝食」である。「モリモリ食べて体力を蓄えて夏に動けるようにしたいです」。藤井の司令塔・宮下 嘉偉(2年・捕手・183センチ72キロ・右投右打・坂出市立白峰中出身)は破顔一笑、抱負を述べる。

「以前は朝食を食べない選手もいて、夏の練習でやせて、力がなくなり、ガリガリの状態で秋の県大会で戦う。こういう傾向が続いていたんです。そこで今年は三好(智也)部長や、伊藤(誠)コーチとも話合って、この形にしました。マネジャーの山地(美貴子・3年)が誰よりも早く来てご飯を炊いてくれたおかげで、夏に体重も減らず、動きもよくなった。心技体の『体』の部分でこの朝食は選手たちを助けてくれました」

 藤井野球部OB・現役時代は主将。四国学院大時代から学生コーチとして野球部にかかわり、高松市立古高松小非常勤講師、母校の非常勤講師・部長職を経て2014年4月から監督に就任している青山 剛監督も昨秋、躍進の一因にこの「朝食」があったことを語ってくれた。

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藤井 【高校別データ】

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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