第443回 高崎健康福祉大学高崎高等学校(群馬)「機動破壊の到達点はまだ見えない」【Vol.4】2017年07月08日

印刷する この記事をYahoo!ブックマークに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】(ページ下部のフォトギャラリーもチェック!)
[1]徹底・共有・対応
[2]相手に合わせることは練習試合から常に意識させる

 最終回では、今年の健大高崎の目指す場所、夏で勝ち上がるために課題にしていることを聞きました。

健大高崎(群馬)「対応は柔軟、プレッシャーは一貫」【Vol.1】
健大高崎(群馬)「機動破壊は打つチームほど完成に近づく」【Vol.2】
健大高崎(群馬)「選手、スタッフのコンビネーションで生まれたホームスチール」【Vol.3】

徹底・共有・対応

練習の様子(健大高崎)

 相手にプレッシャーを与えるために機動力を活用する。そこから逆算して打力も伸ばす。この「逆算の論理」はまだまだ続く。

「選手たちには『ディフェンスができないチームに機動力はいらない』といっています。何点取られるかわからないチームが1点を取るために、機動力を細かく使っても大勢に影響ないじゃないですか。走塁はクロスゲームにならないと効果を発揮しません。センバツの準々決勝の秀岳館戦(2対9で敗戦)がそうであったように、点差が開いてしまっては5盗塁しても効果は薄い。逆に4点差ビハインドまでなら、1個の盗塁で試合の雰囲気が変え追いつける印象はあります。特に甲子園はそういう雰囲気にさせてくれる場所。なので、守備面では“5点差を作らせないディフェンス”をテーマに取り組んでいます」

 毅コーチのこの感覚が普遍的なものだとすれば、対戦相手は健大高崎相手に5点リードを奪うまでプレッシャーを感じ続けることになる。そして、確率を求める健大高崎は年々精度を高めてきている。対戦相手にのしかかるプレッシャーの重さは、今後さらに大きくなっていくことが予想される。

 健大高崎のような、相手にプレッシャーをかけられるチームになるためにはどうしたらいいのか。今回の取材で見えてきたポイントが3つある。

 1つ目は「徹底すること」。バッター1人1人では効果が感じられないことでも、チームで束になってやり続けることでプレッシャーは大きくなる。

 2つ目は「共有すること」。今回の取材で指導陣、選手に話を聞いて驚かされたのは、ある一つの場面で何をすべきか、全員が同じ考えを持っていたということだ。同じ考えを共有することでチームのベクトルが固まる。そのベクトルが固まるほど対戦相手に与えるプレッシャーは重く、鋭利になる。

 3つ目は「対応すること」。野球は机上のゲームではない。試合が始まれば予想外のことの方が多いくらいだ。その変化や流れに応じてそのつど最適の選択肢を選んでいく。それまでの自分の走攻守を振り返りながら、自分が相手の立場だったらどうされるのが一番困るか、を考え続けることでベストな選択肢を選べるようになるはずだ。

【次のページ】 相手に合わせることは練習試合から常に意識させる

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第103回 田浦文丸(秀岳館)のピッチングは高いステージで活躍する左投手のお手本だ【ドラフト特集】
第10回 U-18ワールドカップ!人気記事ベスト5!【レポート編】【高校野球ドットコム 人気記事ランキング】
第571回 田浦文丸(秀岳館)「必然の活躍を生むチェンジアップと冷静なマウンド捌き」 【2017年インタビュー】
第567回 川端健斗(秀岳館) 「15奪三振の快投を生んだ緻密なコンビネーションと強靭なメンタル」 【2017年インタビュー】
第582回 2016年U-18代表の現在地 高いレベルでも実力を発揮する投手陣 レベルアップを期待する野手陣【大会展望・総括コラム】
第572回 U-18代表20名を徹底考察!起用法・オーダーも考案!【大会展望・総括コラム】
第569回 高校野球ドットコムが選ぶU-18代表 精鋭20人を発表!【大会展望・総括コラム】
広陵vs秀岳館【第99回全国高等学校野球選手権大会】
秀岳館vs横浜【第99回全国高等学校野球選手権大会】
第557回 田浦 文丸(秀岳館)「投手があるから打撃も生きる!」 【2017年インタビュー】
東海大相模vs健大高崎【2017年春の大会 第69回春季関東大会】
健大高崎vs山梨学院【2017年春の大会 第69回春季関東大会】
第539回 小野大夏(健大高崎)「先発でも力で押せる投手になりたい」 【2017年インタビュー】
健大高崎vs石岡一【2017年春の大会 第69回春季関東大会】
第511回 熊本工業高等学校 山口 翔選手「フォームと速球のこだわりは誰にも負けない」 【2017年インタビュー】
健大高崎 【高校別データ】
秀岳館 【高校別データ】
福井工大福井 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

伊藤亮
伊藤 亮
  • 生年月日:1977年
  • ■ 東京都出身。都立三鷹高校野球部
  • ■ 2004年よりフリー編集兼ライターに。
    『ジーコ備忘録』『ピンポンさん』『セルジオ越後のフットサル入門』『直伝 澤穂希』『俊輔の言葉』など幅広くスポーツ関連書籍の取材・編集を行う傍ら、『新興衰退国ニッポン』(講談社)など、時事問題やカルチャーに関する書籍編集にも数多く携わっている。
野球部訪問トップに戻る サイトトップに戻る

コラム