第406回 県立美来工科高等学校(沖縄)「関東遠征など豊富な試合経験を糧にして」【後編】2017年01月05日

印刷する この記事をYahoo!ブックマークに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】(ページ下部のフォトギャラリーもチェック!)
[1]全てが変わった関東遠征!そして秋優勝
[2]熊本工高校との戦い。僕らは未完成ゆえに伸びしろがまだある
[3]常に「上には上がいる」ことを忘れずに

 昨秋、初めて新人中央大会を制し、県大会へ向けて手ごたえを掴んだ美来工科前編では新人中央大会までを振り返っていただいた。そして、さらなるレベルアップを遂げるため美来工科は関東遠征を行う。そこで彼らは何を得たのだろうか。

全てが変わった関東遠征!そして秋優勝

主将・神山 諒介選手(県立美来工科高等学校)

 新人中央大会を制した美来工科は、そこで立ち止まろうとしなかった。次なる手は関東の強豪校の胸を借りることだった。

眞玉橋 元博監督:関東遠征が大きかったです。もしもあのとき関東遠征へ行かず、ここでやっていたらおそらく痛い目に遭わず、秋へ入っていたのかなと。多分、沖縄尚学興南とも秋の大会前には組まなかった(どちらも強いので、秋で当たる可能性が強い)だろうし。かといって他校とやって、何となく抑えちゃったら選手は勘違いしちゃってただろうし。

 遠征で対戦したのは日大三関東一都立日野といった都内上位のチームばかりだった。日大三の印象について「甲子園で何度も勝っているチーム。名前に構えちゃいました」と振り返れば、山内 慧は「どこに投げても打たれそうな雰囲気しかなくて体格も良いし、打球の速さが違う」と圧倒されたという。しかしマスクをかぶっていた神山 諒介主将は「打たれましたけど、このコースに投げれば打たれないんだなということをマスクを通して感じることが出来た」と、山内の球でもコースを突けば通用することを知る。

 眞玉橋監督はこの遠征中、それまでカットボールとSFFのみだった山内にもう一つ、球種を増やそうと声を掛けた。指揮官は山内が緩急のあるピッチングを身に着ければ、秋も十分戦えると踏んでいた。その結果、山内は緩いカーブを使い、秋を勝ち抜いていく。遠征の糧は山内だけではない。打線も日大三関東一都立日野などレベルの高いピッチャーと対戦したことで、低めの球を見極めないと勝てないことを痛感。また好球必打でいかないと、見逃してしまった甘い球はもう来ないということを体感した。これこそが、新人大会を制しても自信がわいてこなかった指揮官の思いであり、選手たちにとって必要だった課題が見つかった瞬間だった。

 秋の開幕まで二週間ほどの時間しかなかったが、美来工科には追い風が吹いてもいた。第一シードは参加全61校中一番最後の登場となる2回戦から。開幕戦のチームに比べると一週間の猶予が与えられていた。2回戦をコールドで快勝すると3回戦の名護とのゲームでは再びサヨナラ勝利。試合の中でもカーブを要求していた神山 諒介は、準決勝那覇戦で「確実に使える」と確信。決勝戦はもうひとつの雄、興南との決戦であったが6回二死無走者から四球二つを挟みながら4連打を集めて逆転に成功。山内も興南打線を牛耳り見事新人・秋季の2冠を達成したのだった。

【次のページ】 熊本工高校との戦い。僕らは未完成ゆえに伸びしろがまだある

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
仙台育英vs美来工科【2017年 練習試合(交流試合)・春】
第455回 今年の沖縄も実力派揃い!春から激戦が予想される県大会の見所を徹底紹介!【2017年沖縄春季県大会展望】【大会展望・総括コラム】
第28回 県立名護高等学校(沖縄)【冬が僕らを強くする2017】
第12回 県立宮古総合実業高等学校(沖縄)【冬が僕らを強くする2017】
第405回 県立美来工科高等学校(沖縄)「終盤に強い美来工科を出せた新人中央大会」【前編】【野球部訪問】
八重山農林vs美来工科【沖縄県 2016年 第41回沖縄県高等学校野球1年生中央大会】
美来工科vs興南【沖縄県 2016年秋の大会 第66回沖縄県高等学校野球秋季大会】
美来工科vs那覇【沖縄県 2016年秋の大会 第66回沖縄県高等学校野球秋季大会】
美来工科vs南部工【沖縄県 2016年秋の大会 第66回沖縄県高等学校野球秋季大会】
第423回 【沖縄展望】秋の沖縄をリードする学校は?群雄割拠の沖縄 いよいよ幕開け!【大会展望・総括コラム】
神山 諒介(美来工科) 【選手名鑑】
古謝 僚人(美来工科) 【選手名鑑】
山内 慧(美来工科) 【選手名鑑】
美来工科 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

當山 雅通
當山 雅通
  • 生年月日:1972/01/04
  • 出身地:沖縄県金武町生まれ。現在は沖縄市在住。
  • ■ 野球はもちろんだが、一番好きなのは球児たち。純粋で真っ直ぐな野球小僧を見ると自分のことのように嬉しくなる。
  • ■ 学生時代は、野球、サッカー、バドミントン、駅伝など多くのスポーツを経験。現在は、合計4チームの学童軟式野球チーム(主に4年生以下の低学年専属)を見てきており、やっぱり自分は野球が好きなんだなと実感。現在はオファーがなくコーチ業も休業中(笑)。だが10月に3歳になる三男坊が野球を始めたら、また復活する野望を隠し持っている(笑)夢は三男坊が甲子園へ連れて行ってくれることだが、まずは野球へ興味を持つようにしむけるようにと、現在悪戦苦闘中である(笑)
  • ■ 2012年より、高校野球ドットコムにて沖縄中心に情報配信
  • ■ 沖縄県の野球と題したブログCBスタジアムを運営
野球部訪問トップに戻る サイトトップに戻る

コラム