第401回 東京実業高等学校(東京)「『走塁改革』で生まれた『代走スペシャリスト』」【後編】2016年12月11日

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【目次】(ページ下部のフォトギャラリーもチェック!)
[1]「走塁改革」に結び付く「正しいトレーニング」
[2]「代走スペシャリスト」渡部 拓海による走り方講座
[3]「走塁改革」から「機動力野球」に進化し、東京頂点へ

 後編では「走塁改革」へ必要なトレーニングと「走塁改革」によって生まれた「代走スペシャリスト」に話を聞く。そして東京実が考える正しい走り方も映像で解説します!

「走塁改革」に結び付く「正しいトレーニング」

高橋 智浩選手(東京実業高等学校)

 前編でその一端が明かされた東京実の「走塁改革」。ただし、東京実の選手で入学時から俊足だった選手は片手にも満たない。入学時から50メートル走を5秒台で走っていたリードオフマン・高橋 智浩(2年・二塁手)は例外中の例外。主将・捕手の平良 大介(2年)は8秒台。秋の都大会3回戦・都立日野戦で二盗塁の7番・坂井 将紀(2年・中堅手)は6秒5。2番の藁谷 大海(2年・遊撃手)は6秒7。3番の松田 虎哲(2年・三塁手)も6秒7~8。決してはじめから速かったわけではない。

東京実に入学する子は足が遅い子、走り方を知らない子というのが圧倒的に多い。そこから強豪校に対抗できるスピードを身に付けるには、量をこなす中で質であったり、フォームに目を向けていかなければなりません」(高見 直樹コーチ)

 だからこそ東京実では、そこを支える正しい姿勢に目を向ける。具体的にはデッドリフト、スクワットで正しいフォームをできる筋力を鍛えて、走力・中短距離タイムを上げていく。高野コーチの解説も加えよう。

「正しいフォームになっていると、地面をけり上げる時の力も強くなりますし、お尻をぐっと力を入れる感覚で持ち上げているので、かなり強い力が入っています。蹴り上げの力とお尻にぐっと力を入れることができると、スピードを身に付けることができます。ただ間違ってほしくないのは、スクワット100キロ以上持ち上げられるからといって、足が速くなるわけではありません。正しくないフォームで重いものを持ち上げてもけがにつながりますし、野球に結びつくわけではありません。うちはオフ期間になると週3回のウエイトトレーニングを行いますが、選手たちに伝えているのは『野球のパフォーマンスに結び付くトレーニング』を行うということです」

 高野コーチは「設備的にデッドリフトができないチーム、またチームの方針状、ウエイトをやらないチームもあると思いますので、そういう場合は正しい姿勢で走ることを意識したランニングメニューをこなしてください」と、学校環境に配慮したアドバイスも加えてくれた。

 現在の50メートル走は平良7秒1。坂井6秒0。藁谷は6秒3。そして松田が6秒3。多くの選手がスピードアップを実感している。また、体のラインを真っすぐにして走る意識は、他の野球動作にも活きている。181センチ75キロの長身右腕エース・栗田 航暉(2年)は「走塁改革」の波及効果をこう話す。
「体のラインが真っすぐになったことで、左足を上げたとき、軸足にしっかりと体重が乗った感覚になりますし、スムーズに体重移動ができます。あとはバント処理のときにも体が前のめりにならないので、速く打球処理に入ることができますね」 

 能力が高い選手がさほどいなくても、正しい知識、練習法で追いつき、追い越す。秋季都大会1回戦成立学園の「2対1」、2回戦修徳戦の「10対9」で勝った1点は、この積み上げなくしてありえなかった。

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副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
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  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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