第400回 東京実業高等学校(東京)「スピードを誇り続けるための『走塁改革』」【前編】2016年12月10日

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[1]「長距離中心」から「中距離・短距離メイン」への理由
[2]パフォーマンスアップへの「タイム設定」
[3]「一生懸命=前のめり」姿勢は「速く走る」の敵

 1922年創立、2017年には創立95年を迎える伝統校・東京実業高等学校。野球部も近年は2013年夏に東東京大会ベスト4、2015年夏にも東東京大会ベスト8など上位進出の常連校。2016年秋の都大会でも成立学園修徳を撃破して3回戦に駒を進めた。

 そんな東京実が長らく持ち味としているものが「スピード」。では、彼らはどのようにしてこの伝統を育んでいるのか?今回はその取り組みとスピードを誇り続けるための「走塁改革」に迫った。前編では「走塁改革」に至った理由と、そのキーマンから私たちにも役立つ「走り方」の考えを聞いた。

「長距離中心」から「中距離・短距離メイン」への理由

山下 秀徳監督(東京実業高等学校)

 東急電鉄多摩川線・鵜の木駅から500メートルほど歩いた多摩川河川敷。ここがお笑いコンビ「品川庄司」の庄司 智春もかつて汗を流した場所。今秋、都大会ベスト16入りし、来春都大会シードを獲得した東京実業高等学校野球部グラウンドである。

 そんなグラウンドの隅々まで知るのが「若い時の指導した教え子が父母会長になったり、教え子の子供が東京実に来る時代になってきました」と笑う山下 秀徳監督。東京実での指導歴も35年を超え、全国でも屈指のベテラン監督の指導方針は、一点のブレもない。
「メンタル、打撃、守備、足の中で、スランプがないのは守備、走塁。本当は心も安定していてほしいのですが、高校生は心が一番スランプになる(笑)。だから ウチの場合、走塁と守備を重点的に鍛えますね」

 特にランニングは重要視。ただし練習メニューは時代とともに変化をしてきた。
「今も昔も走る重要性は変わりありませんが、変わったのは走る質です。昔は長距離を延々と走ったりしていました。ただ、いろいろと知識が入ってくるうちに『長距離メニューはそれほど効果がない』と気づくようになったんですよね」

 恵まれた環境を利用し、昔は河川敷の周りをぐるっと回ったり、グラウンドから二子玉川までを往復するなど、1日15キロ以上も走ることがあった。しかし現在では「足首に負担をかける」見地から長距離の量は劇的に減っている。代わりに増えたのは……。

「今は瞬発力を身に付けるために中距離走、短距離走をすることが多くなりました。うまい選手は、みんな走り方がきれいじゃないですか。ですからウチでは走るフォームにこだわりますし、走るメニューも季節ごと、また試合前後でも変化はつけるようになっています」(山下監督)
すなわち「走るフォーム」と「質」に重視したランメニュー。そのエキスパート役が山下監督の教え子である高見 直樹コーチである。

【次のページ】 パフォーマンスアップへの「タイム設定」

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東京実 【高校別データ】
コメント (1)
走塁改革。2016.12.10 野球部OB
よくやった、高見

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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