第368回 県立前原高等学校(沖縄)2016年06月25日

印刷する この記事をYahoo!ブックマークに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】(ページ下部のフォトギャラリーもチェック!)
[1]史上最弱からの奮起 / ターニングポイントとなった糸満戦
[2]力の差を見せつけられた負けと、粘りを見せることが出来た負け

去年の悔しさの分まで絶対に勝つ!

 昨秋、そして今春と連続ベスト8の前原。投の山根、打の平良と二人の柱を中心に着実に力を上げてきた。奇しくも春の準々決勝で敗れた美来工科と、2回戦での再戦という可能性を持つ山に組まれたことも、あながち偶然ではないとナインの誰もが思っていることだろう。やるべきことは全てやった、あとは試合を待つのみの前原に、今回はお邪魔してみた。

史上最弱からの奮起

平良 竜哉選手(県立前原高等学校)

 山根 蓮太平良 竜哉ら現3年生たちは、一年生、そして新人の両大会において予選を勝ち抜くことは叶わず、中央大会に出ることは無かった。一年生中央大会沖縄尚学を破って優勝したタレント軍団の嘉手納を筆頭に、タイシンガー ブランドン 大河のいる石川、そして武内 由伸仲宗根 登夢らのいる美来工科が、中部北地区の3強を形成。「嘉手納高校さん、石川高校さん、美来工科さんとは差があった。この春も(美来工科に)負けてしまった。まだまだ埋まっていない。」と大川 基樹監督は語った。

 新チームになっても、何が何でも勝ちたい!という気持ちを出す選手は限られていた。平良一人だけでは勝てないんだよ。そのことに気付いて欲しかった大川監督は、敢えて嫌われるような言葉をナインたちに掛けた。「君たちは、僕が見てきたチームの中で“史上最弱”だ!」。技術的なことではない。気持ち、そして人間性としての足りなさが歯がゆく、ハッパを掛けたつもりだった。「跳ね返してこい!」そんな指揮官の親心はナインにも伝わる。「オレたちは最弱なんかじゃない!」。気持ちが変わると、練習での態度も変わってきた。

ターニングポイントとなった糸満戦

 そして迎えた秋。初戦の相手は強豪糸満。前チームから1番を務める大城 翔太郎と、マウンドを踏んできた平安 常輝らを前にして前原は互角に渡り合う。3回表、下位打線で二死二塁として1番へ返すと、内野安打と四球で満塁とし平良 竜哉のセンター前タイムリーで2点を先制した。ところがその裏、大城 翔太郎にソロアーチを浴びると5回に同点に追い付かれる。しかしここからが「ウチは負けない野球」という前原の真骨頂だった。

 二番手としてマウンドに上がった高江洲 翔が見事なピッチングで糸満打線を寄せ付けず延長10回、自らの打席でスクイズを成功させて決勝点を奪うと、その裏一死二塁と粘る糸満を振り切り勝利を収めたのだ。「この勝利は彼らに自信を与えました。」糸満戦後の練習での身の入りようは、その前とは比較にならないほど熱いものへと変わっていった。

 続く2回戦は9対2の8回コールドで具志川を下すと、3回戦の未来沖縄(KBC学園)戦では、0対0の痺れるような展開を我慢し続け13回裏、平良のサヨナラタイムリーで勝利。秋では5年間、遠ざかっていたベスト8進出を決めたのだった。

このページのトップへ

【次のページ】 力の差を見せつけられた負けと、粘りを見せることが出来た負け

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
糸満vs前原【沖縄県 2017年夏の大会 第99回選手権沖縄大会】
第455回 今年の沖縄も実力派揃い!春から激戦が予想される県大会の見所を徹底紹介!【2017年沖縄春季県大会展望】【大会展望・総括コラム】
第423回 【沖縄展望】秋の沖縄をリードする学校は?群雄割拠の沖縄 いよいよ幕開け!【大会展望・総括コラム】
前原vs那覇【沖縄県 2016年夏の大会 第98回選手権沖縄大会】
第305回 【沖縄展望】どこが出場してもおかしくない群雄割拠の沖縄の夏がやってくる!【大会展望・総括コラム】
美来工科vs前原【沖縄県 2016年春の大会 春季沖縄県大会】
前原vs八重山商工【沖縄県 2016年春の大会 春季沖縄県大会】
第265回 2016年の高校野球を占う【沖縄編】「今年の沖縄ビッグ3はどこだ?有力校、有力選手も一挙に紹介!」【大会展望・総括コラム】
第3回 沖縄地区記者・當山 雅通氏が選ぶ今年のベストゲームTOP5【各地区のドットコム記者が選ぶベストゲーム】
前原vs糸満【沖縄県 2015年秋の大会 第65回沖縄県高等学校野球秋季大会】
平良 竜哉(前原) 【選手名鑑】
高江洲 翔(前原) 【選手名鑑】
山根 蓮太(前原) 【選手名鑑】
前原 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

當山 雅通
當山 雅通
  • 生年月日:1972/01/04
  • 出身地:沖縄県金武町生まれ。現在は沖縄市在住。
  • ■ 野球はもちろんだが、一番好きなのは球児たち。純粋で真っ直ぐな野球小僧を見ると自分のことのように嬉しくなる。
  • ■ 学生時代は、野球、サッカー、バドミントン、駅伝など多くのスポーツを経験。現在は、合計4チームの学童軟式野球チーム(主に4年生以下の低学年専属)を見てきており、やっぱり自分は野球が好きなんだなと実感。現在はオファーがなくコーチ業も休業中(笑)。だが10月に3歳になる三男坊が野球を始めたら、また復活する野望を隠し持っている(笑)夢は三男坊が甲子園へ連れて行ってくれることだが、まずは野球へ興味を持つようにしむけるようにと、現在悪戦苦闘中である(笑)
  • ■ 2012年より、高校野球ドットコムにて沖縄中心に情報配信
  • ■ 沖縄県の野球と題したブログCBスタジアムを運営
野球部訪問トップに戻る サイトトップに戻る

コラム