習志野期待のプロ注目スラッガーコンビ・和田泰征と櫻井享佑が見逃せない
和田泰征(習志野)*写真は昨秋関東大会 前橋育英戦より
今年の習志野は下級生時代からけん引してきた逸材が多いが、その中でもNPBのスカウトから目を引く逸材が2人いる。それが和田 泰征と櫻井 亨佑だ。
和田は1年春から出場するなど強打の三塁手として活躍。185センチ80キロの恵まれた体格は今年の習志野の中でも群を抜くものがある。そして櫻井は昨秋の県大会・関東大会を通じて3本塁打、19打点の活躍。高校通算20本以上の長打力に加え、高いコンタクト力は高校生屈指と評されている。中でも千葉の高校野球ファンが驚いたのは和田のキャッチャーコンバートだろう。
小林徹監督はコンバート理由についてこう語る。
「彼も上のステージで野球をやりたい希望があります。そこで活躍するために考えた時、現状、彼のようなタイプの三塁、外野手の左打者は非常に多い。そこで投手、捕手は野球において濃いポジションですので、挑戦させてみようと思いました。それができるのは、捕手をコンバートさせたいと思わせるだけの体の強さ、肩の強さが備わっていたからです」
小林監督が語るように、特に捕手は頭脳が問われるポジションだ。今までやってきたポジションと比べると、覚えることが多数ある。和田は昨秋から練習を重ね、特にスローイング面にこだわりを持って磨いてきた。そのスローイング姿は半年間とは思えないほど様になっていた。ほぼ1.9秒台のスローイングを見せ、ステップも実に軽快だった。ストッピングミスで進塁を許す場面もあり、登板した2投手も経験が浅いということもあるが、去年のチームと比べると盤石さがない。経験不足なところが垣間見えた。
和田は「ストッピングやインサイドワークなど反省点があり、今日は30点の内容だった」と反省する。小林監督としては想定していたものだった。
「去年の秋から練習を始めたとはいえ、捕手が成長するにはやはり公式戦の経験が大事なんです。ただブルペンや練習でよかったとしても、実戦では比べものにならないぐらい違う。
今年は春の大会がなかったので、致し方ないところがあります。経験値を積んでいくことを期待したいですね」
櫻井 亨佑(習志野)*写真は昨秋関東大会 前橋育英戦より
ある意味、和田の捕手コンバートは将来へ向けての「投資」だといえる。実際にそうしたいと思わせるだけの魅力が和田にはある。半年間でスローイング1.9秒台、そして本塁打を打てる打撃メカニズム、頑強な肉体。1球1球が勝負の行方を左右する夏の大会で感じた反省を生かせば、大きく伸びる可能性がある。昨年の正捕手・兼子も見違えるような成長をしただけに、短期間で急成長を果たすことができるか。
4番レフトでスタメン出場した櫻井は第1打席から左中間を痛烈に破る二塁打。あっという間に破る二塁打を放った。
初戦の船橋古和釜戦では3打数3安打の活躍。打席に立つと相手投手からすれば恐怖感しか感じない打者となっている。2試合で6打数4安打4打点7二塁打と別格の活躍。
また櫻井自身も野球選手として可能性を広げるために初戦では三塁として出場。自身は守備についてまだまだと語るが、和田と櫻井は将来へ向けていろいろ試していることが分かった。
この2人のポテンシャルの高さは全国的に見てもトップクラス。あとは攻守で高いパフォーマンスを発揮し、選手としての評価を高めることを期待したい。
(記事=河嶋 宗一)
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